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原爆と竹槍  作者: サイシ
85/93

原爆と竹槍85話

「権力の無い国家とは?」

「日本国民全員が同じ権利と義務を負い、全員で政治を行なう国家のことだ」

「政府や政治家の権力を決定権を無くし、全国民が決定権を持ち、国民全員が政治行政を管理監督し、指導するのね」

 流石、医師の妻、夫の難しい話を理解しいていた。

「そうだ、だが、戦争の原因が国家の存亡にかかわるほど重大なことなら、戦争をするのは当然だ。しかし、今回

の戦争で勝ったとしても大した益はなかった」

 老夫婦は今回の戦争の原因が、国家の存亡にかかわるものでないのに、大切な我が子や大多数の国民を死傷させ、不幸にした政府と報道機関が許せずに批判しているのだ。

 その時、家の外から、微かな声が聞こえてきた。

 老妻が家の外に出てみると、哀れな姿をした母子が居た。

「お水がほしい」

 母親に背負われた鈴子が苦しげに言った。

「今はお水がないの、すぐ、探すわね」

 雪は、重い足を引きずる様にして、水を探しながら歩きだした。

「お水が欲しいのね」

 親子の様子を見ていた老妻が優しい声で言った。

「はい」

 振り向いた雪の顔を見た老妻は、雪の痛々しい顔を見て、思わず涙を流し、駆け寄ってきて優しく言った。

「早く家に入りなさい」

「いえ、ここに居ます」

「そう、じゃあ、すぐ、お水を持ってくるからね」

 老妻は、すぐ水が入った容器を持ち、老医師の手を引いて出て来た。

「さあ、飲ませて上げなさい」

 湯呑み茶碗に、水を注いで雪に渡した。

「ありがとうございます」

 雪は鈴子に飲ませた。

「ありがとう、、ございます」

 鈴子が弱々しい声でお礼を言った。

「その顔」

 鈴子の顔を見て、老妻は泣き出した。

 老医師も、目に涙を浮かべて言った。

「可哀相に、その火傷は、大爆弾を受けたんだね」

「はい」

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