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原爆と竹槍  作者: サイシ
33/93

原爆と竹槍33話

「じゃあ、権益を放棄したら、戦争をしなくてよかったのだな」

「そうだ」

「何だ、政府や軍部の上層部に居る者たちの栄耀栄華を図るための戦争だったのか。そんな戦争に、国民と兵隊の尊い命を犠牲にしていたのか、考えただけでも腹立つ」

「そうだ」

「何だ、政府や軍部の上層部に居る者たちの栄耀栄華を図るための戦争だったが。そんな戦争に、国民と兵隊の尊い命を犠牲にしていたのか、考えただけでも腹が立つ」

「国家、国民を守る戦争なら、我々は命を投げ出して戦うが、有力者や企業の権益を護る為に、数百万人が殺傷されたというのか、そんな馬鹿な戦争があるか!一部の人間の為に、命や家屋が犠牲にされたのか、もう、許せない!」

「そうだ、許せない!」

「戦争は、国民の命と財産を犠牲にするのだ。国家、国民の安全に関わることを一部のために、命や家屋が犠牲にされのか、もう、許せない!」

「そうだ、許せない」

「戦争は、国民の命と財産を犠牲にするのだ。国家、国民の安全に関わることを一部の人間が決定してはならない」

「そうだ、そんな重大なことは、全国民が決めるべきだ」

「権力は独裁と戦争の元凶なり。驕りと油断は敗北をもたらし国民に苦難を強いる。この世界から、権力をなくしたら、戦争の無い平和な世界が生まれる」

「私たちの苦しみが日本国民を救うなら甘んじて、その苦しみを受ける。だが、一部の利益を守るために、こんな苦しい目にあったと思うと、腹が煮え返る」

 三人の老人は、自分のいいたいことを言って、悔し涙を流した。

「あなたは、どう思いますか?」

 一人の老人が言った。

「私は世間知らずなので、何も分かりません。ですが、皆様にこんな苦しみを与える戦争はよくないと思います」

「そうだ」

 三人の老人が声をあわせて同意した。

「でも私には何もできません」

 雪が悲しげに言った。

「そう、何も出来ないから、殺されるんだ。それも、訳に分からない戦争によりだ」

 怒ったように老人が言った。

「ところで、貴女のご主人は健在かね?」

「はい、主人は仕事中に屋根から落ちて、片足が動かなくなり、家に居ます」

「それはお気の毒に」

「いえ、皆様に比べれば幸せです」

「私の息子や娘婿は、陛下や国民を護る為にと兵隊に志願しました。しかし、派兵さたのは国内でなく、数千キロ離れた遠い外国だったのです。その間に、日本の国土は米軍機に破壊され、多数の国民は殺され、家を無くしています。兵隊たちは自分の大切な家族が殺され、焼き出されているとも知らず、否、知らされずに、国家国民を護る為と命を投げ出して戦い戦死しているのです。国家国民を守らず、海外で戦争をする愚かな作戦を立てた者に対して、責任を取らさねば、何も知らずに戦死した兵隊や、国民に申し訳ない」


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