↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
原爆と竹槍  作者: サイシ
PR
25/93

原爆と竹槍25話

 一軒の農家が空襲に遭い無残な姿を晒し、爆薬の匂いが立ち籠める中で、怪我をした少女が一人で泣いていた。

(さっきの爆発音は、この家が空襲された時の音だったんだ。どうして、何の武器を持たない者までも殺す飛行機の空軍兵は、異常な人間としか思えない)

 雪は、異常者に、少女の家が壊されたと思うと悔しくてならない。

 自転車を下りた雪は、鈴子を背負ったまま、少女に駆け寄って言った。

「どうしたの」

 少女が泣きながら、破壊された家を指差さした。

「中に誰がいるのね」

「うん」

 夢が見ると、爆破跡には、無惨に引き裂かれた人らしき姿があった。

「あつ!」

 雪は正視出来ずに、思わず悲鳴を上げた雪は眼を瞑り地面に座り込んだ。

 すると、雪の肩に手が触れるものがいる。

 鈴子と思って振り向くと、少女の疵だらけの顔があった。

「可哀相に」

 雪は疵だらけの少女を力一杯、抱きしめた。

 少女は、人の優しさが欲しいのか、痛さを我慢して抱かれて言った。

「あの人は誰なの?」

「母さん」

「お父さんは?」

「居ない」

 何故と、尋ねようとしたが、止めた。

 なぜなら、今の日本の町、農家や漁師の家に居る者は、夫のような障害者や老人か女、子供だけだった。

 雪は一分一秒でも早く広島へ行きたいが、この少女の悲しげな顔をみると、とても、見捨てることができなくなった。

(この子を預ける家は)

 涙に曇った眼で人気がないか、探した。

 すると、一キロ先に農家らしき家が一軒あった。

 雪は鈴子を背負い、少女を抱いて農家を訪れた。

「ごめんください」

 何度も声を掛けたが、応じる声がないため、家の中をのぞくと、一人の老婆がいた。

「ごめんください」

 応えない様子から、老婆は耳が悪いと判断した。

 雪は老婆の所へ行き、大声で挨拶した。

 すると、老婆が驚いたように雪を見ていたが、隣に居る少女を見て言った。

「どうしたの、静子ちゃん!」

 老婆は驚きの声を上げた。

「この子を知っているのですか」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ランキング参加しました。ポチとクリックお願いします。 いつもランキング応援ありがとうございます。 人気ブログランキングへ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。