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海賊王の帰還

「てめえ、なにしやがった!」


髭もじゃの船長がオレの胸元を締め上げていた





元気だね、何かいいことあったのかい?


そう言ってやりたかった


でも締め上げられているので言えない


いや逆に窒息しそうだ




<バンバン!>


手をタップして「死にそうだ」と合図した


そしてようやく気が付いた




「ぜえぜえ・・・」


本当に死にそうになったよ






事の起こりは酒場で絡まれたからだった


魚が食べたくって海洋国にきたんだ


もちろん男装してだ


女の恰好だったら絡まれるからな






適当な店に入って魚料理を注文したらさっそく絡まれた


「おい坊主、見かけない顔だな」


・・・男装していても結局は絡まれるんだな(笑)





後で聞いたんだが長くてきつい航海を終えた後だったそうだ


酒をたらふく飲んで酔っ払ったせいで羽目を外した


そういう事らしい




肩を掴まれた所で女だとバレた


・・・砂漠の国といい結構バレるもんだな





「おい相手してくれや」


そう言って襲われそうになった





もちろん隠し持っていた探検で喉を突き刺してやった





当然だべ?


男と女では力の差がありすぎて勝負にならないんだ


殺せるときに殺すのは当たり前だ





「てめえなにしやがるんだ!」


実にテンプレの返事が来た


そして10人くらいいたかな


残った仲間全員に襲われた、と思ったらなぜだか数人が吹っ飛んでいた




吹っ飛んだ元を見ると髭もじゃで身体がでかい中年のおっさんがいた


簡単に言うと髭を生やした相撲取り


そりゃチンピラが吹っ飛ぶはずだわな


納得した





それがネモ船長との出会いだった





ネモ船長が


「うちの若い者がすまん」


そう言って謝ってきたんだがオレは許さなかった




「海の男は勇敢だと聞いていたが間違いだったようだな


女を襲うことしか頭にないクソ野郎ばかりだ」


喧嘩を売ってみた



正確には喧嘩を高値で買った、だけどな




先に手をだしてきたのは海賊達そっち


だからオレは悪くない(はず)




まさか謝罪が受け入れられないとは思ってもみなかったのだろう


ネモ船長は怒りで酷い顔をしていた





いや海賊達あんたたちは加害者だよ


オレは声を大にして言いたいね


いや本当に言ってやった




その時のネモ船長の顔は見ものだった


憎しみだけで人が殺せそうだったね





「だが長い航海から帰ってきた下っ端が羽目を外すのはよくあることだ


いちいち船長が頭を下げていたら出航の日になっちまう


船長の顔を立てて今回は貸しにしておいてやる」


そう言うと船長はホッとしていた


・・・どんだけ鬼畜だと思われていたんだろうな





「店主、この店で一番うまい酒を船長へ」


そう言うなり店長に向かって金貨1枚を弾いた



投げられて向かっている金貨を普通に受け取る店主も店主だと言いたい




そのあと仲良くなった


・・・酒を飲んだら友達というローカルルールはついていけないものがある




出航するっていうから樽を買って、その中に白菜と小魚と塩と唐辛子を入れ、1か月放置したものを渡した




酒のつまみにどうぞ


だな




実際に船の上ではビールやワインだからな


水なんてすぐに腐るから持っていけない


でも酒なら腐らないから持っていける


そう言うこと




その際につまみがないと苦しい


だから白菜の漬物を送った




ネモ船長達は航海から無事に帰ってきた




そこまではよかった


よくないのは航海病が出なかったことだ




いつもなら2~3人は航海病になる


なのに今回の航海では出なかった




どう考えても怪しげな酒のつまみだろう


そう思ったネモ船長はオレを襲ってきた


そういう事




・・・理詰めじゃなくて長年の経験や勘で判断するくせはやめた方がよいと思った


どこの名探偵だよ!とツッコミたい気持ちで一杯だ




もちろん狙っていた


独自に漬物が原因だと


に付いていかなかった姉上が偉そうなのは納得がいかない



では0だった


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