教会の裏側
「逃げられただと!」
教皇の側近の枢機卿が怒鳴っていた
どうやら聖女様の拉致で失敗したようだ
やれやれだね
俺はしがない司祭だ
名前?
ただのモブで関係ないから省略だ
いやね教皇様とか枢機卿あたりになると発症する病があるんだよ
手足が急激に痛くなるという奇病だ
なぜか司祭以下の人間はならない
それゆえ女神の祝福という名前がついている
でもすごく痛いらしい
長年にわたり医者が特効薬を探しているんだが見つからない
ところが帝国にいる聖女が治し方を知っているらしい
王城に潜り込ませているスパイから連絡があった
「ああ、あれですか」
第三王子が教会の話をした際にふと漏らしたそうだ
騎士のケガを直し、王太子妃を懐妊させたという小娘
王城では聖女と呼ばれているそうだ
ここは頭を下げて呼ぶというところだ
だが教会としての威厳のためにできない
だから偽聖女ということで捕まえることになった
そして
「許して欲しければ病を治せ」
と無理やり治療させることにした
大丈夫かね
と思っていたら聖女に逃げられたそうだ
話を聞く限り明らかに普通でないからな
たまにいるよな
権威とかに一切に注意を払わない人間
「草の根を分けてでも探し出せ!」
枢機卿が怒鳴っている
司祭に飛び火しないといいな
そう思っていたら飛び火していきた
教会に所属する全員で探し出せ!
だとさ