繰り返す命
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そうだ。 EC は死んでも(殺されても)また登場して来る。
でも、それは俺達プレイヤーが聖堂で復活するのとは根本的に異なる。
彼らは自分が ”死んだ” (殺された)ことを覚えていない。
”イベント” 前の状態に戻って現れるのだ。
勿論こちらの顔など覚えていない。
「…また貴様か」 とか、 「この前のようにはいかんぞ」 とは言わない。
そして初めから同じイベントが繰り返されるのだ。
あたかも何度も再生される動画サイトのクリップのように。
アンティークなジュークボックスの中のレコードのように。
定まった舞台を繰り返し演じる役者。
限定された時間をループし続ける存在。 それがECだ。
・・・俺が今まで知るFQではそうだった。
しかし、このADサーバーではイベントに登場するNPCが妙に人間臭い。
というよりPCである俺のアバターと同等の存在であるとしか思えないのだ。
( もうNPCは ”Not Persona Copy” の省略語にした方がいいんじゃないか )
”人造人格” とでも云えばいいのか。 デジタルのホムンクルス。
TFは in electro にペルソナを合成できるのかもしれない。
・・・彼らもまた従来通りループするのか ?
今夜はそれを確かめる為の ”仕込み” をして回るつもりだ。
最初に会った "兄貴" 達二人連れとはバトルにならなかった処か施しを受けた。
次に会った ”誘拐団” 一味は親玉を残して討伐した。
・・・もう一件行く。
( 今度は”戦争”だ )
吟味した装備を整えると 俺は再び鐘楼から飛び降りた。
初回は結構な衝撃を感じたが、今回は殆ど感じない。
というか もう怖くない。
軒まで降りることなく棟から直接大路に跳ぶ。 キモチイイ。
映画で見た”黒衣の未亡人” のように着地した。 キマッタ !
夜も更けて来たので屋根には上がらずにそのまま通りを走る。
もう少女を抱えていないので全力で走れる。 常人の目には留まるまい。
まさに白黒だった頃のディズニーのアニメキャラのダッシュのようだ。
文字通り飛ぶように走りながら俺はふと考えた。
( オレのコレは初めてだよな ?? )




