カオリの味
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「いや、ちょっと取り乱してしまって申し訳ない」
進藤が俺の手を放して謝る。
「まだ肝心な”お詫び”もしない内から私としたことが・・」
俺を壁際のいかにも高級そうなソファの方へ誘う。
「まあ、立ち話もなんだから此方へ」
勧められるまま腰掛けるとドームに居たお姉さんがトレイを持って入って来た。
「どうぞ」
とだけ言って紅茶と菓子(レーズンサンド)を置いて行く。
紅茶は・・・ダージリンだな。 この・・香りは・・・香りぃ?!
・・・ダジャレじゃない。 え? ええ ??
「イタダキマス!」
レーズンサンドを一つ摘まむなり口に放り込んだ。 あの味だ。 味ィィ?!
「…こ、これは!!」
進藤の方を見て叫んでしまった。
「君の好みは訊いてあったからね」
得意げに微笑むシャチョーさん。
・・・イヤ、ソーイウコトジャナクテ !
なんてこった。 俺の、”オレの野望”を既に叶えてしまった奴がいるというのか!
「野田君から聞いてたから”君”には是非コレを体験して貰いたかったんだ」
進藤の表情が真剣になる。
「FQに実装するのはまだ無理だけど、もう僕達はココまで来てるんだよ」
俺は言葉もなくコクコク頷く事しか出来なかった。
「 …そして、”君”を見て、いや君と会って確信した 」
俺を真っ直ぐに指さして進藤は言った。
「 君はもう生きている ! 」




