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ゴブリンクロニクル Ⅰ  作者: 冨浦伝十郎
Chapter1  荒野のゴブリン
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カオリの味

                                   ・



「いや、ちょっと取り乱してしまって申し訳ない」

進藤が俺の手を放して謝る。


「まだ肝心な”お詫び”もしない内から私としたことが・・」

俺を壁際のいかにも高級そうなソファの方へ誘う。


「まあ、立ち話もなんだから此方へ」

勧められるまま腰掛けるとドームに居たお姉さんがトレイを持って入って来た。


「どうぞ」

とだけ言って紅茶と菓子(レーズンサンド( 俺の好物だ ))を置いて行く。


 紅茶は・・・ダージリンだな。 この・・香りは・・・香りぃ?!

・・・ダジャレじゃない。 え? ええ ??

「イタダキマス!」

レーズンサンドを一つ摘まむなり口に放り込んだ。 あの味だ。 味ィィ?!



「…こ、これは!!」

進藤の方を見て叫んでしまった。


「君の好みは訊いてあったからね」

得意げに微笑むシャチョーさん。

・・・イヤ、ソーイウコトジャナクテ !



なんてこった。 俺の、”オレの野望(小石拾い 参照)”を既に叶えてしまった奴がいるというのか!



「野田君から聞いてたから”君”には是非コレを体験して貰いたかったんだ」

進藤の表情が真剣になる。


「FQに実装するのはまだ無理だけど、もう僕達はココまで来てるんだよ」

俺は言葉もなくコクコク頷く事しか出来なかった。


「 …そして、”君”を見て、いや君と会って確信した 」

俺を真っ直ぐに指さして進藤は言った。


「 (PC)はもう生きている(・・・・・) ! 」




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