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ゴブリンクロニクル Ⅰ  作者: 冨浦伝十郎
Chapter1  荒野のゴブリン
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襲撃

油断大敵 !



 ゴブリンに "ドヤ顔" があるとしたらそれは今の俺の顔だろう。


 しかし、ハッピーな時間は短かった。

ステータスを確認しようと思った瞬間、右脚に痛みを感じたのだ。

「!」

狼だった。

俺の脛に噛みついてやがる。 しかも他に二匹いる !

狼はこのFQ世界のどこにでもいる獣だ。 積雪の高地にも、灼熱の砂漠にも。

しかも大抵は数匹の群れで行動している。

ビギナーがフィールドでやられる原因の筆頭と言っても過言でない。

油断した。

遠距離投石に熱中し過ぎた。 

こいつらは"視野の外"で湧くものなのに。

ずっとあの岩に石を投げ続けてしまった。 100回以上も。


 狼が首を振ると俺は引き倒された。 結構な力だ。

俺はすかさず石を拾う。 

今まで投げていた卵サイズのやつじゃない。 小ジョッキくらいの石だ。

「くらえ!(ギギャギャ!)」

噛みついてる狼の左目に振り下ろす。 勿論微塵の容赦も無い。

グシャ

かなりの手応え。 Lv1とは言えゴブリンだ。 人間じゃない。

狼の顎が緩んだ。 左目は潰れている。

グシャッッ

今度は狭い額部に振り下ろす。 指が長いのでデカい石でも持ちやすい。

狼の頭蓋骨が拉げたのが分かった。

「ザマぁ!(ギャボゥ!)」

狼がグッタリと動かなくなった。

すぐに立ち上がった俺だが、既に別の一匹が左の脛に嚙みついていた。

「チッ」

しかしバカなケダモノだ。 そのパターンは"経験済み"なんだよ!

俺は重力に体を預け真下に"下降"しつつ二匹目の額に石を振り下ろした。

グシュン !

一匹目と手応えが違った。 石が狼の頭に刺さって(メリ込んで)いる。

眼球が二つとも眼窩から飛び出していた。 

石を握る俺の右手は血と髄液まみれだ。

これは死んだだろ。


 狼の頭から石を抜いて立ち上がろうとした時、三匹目が飛び掛かって来た。

首(喉)に噛みつかれた。 

…非常にマズい。

石はまだ二匹目の頭に刺さってるし俺の右腕は三匹目の腹で押さえられている。

こいつの頭を石で潰す事はできない。

( ゴブリンの首ってこんなに細かったんかい! )

俺の首は完全に狼に咥えられてしまっている形だ。


…詰みかな ?












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