しいなここみの交通エッセイ『ファスナー合流を知っていますか』〜 合流でギクシャクしない魔法のような方法 〜
皆様、ご機嫌よう。
自称車の運転のプロのしいなここみです。
私は昔、合流が苦手でした。
高速道路への流入、側道から本線への合流、2つの道路が交わるところでの右や左への進路変更ーー。
周りのドライバーさんたちは私のせいでブレーキを踏まされたり、私を入れるためにわざわざ後続車列を塞き止めてくれたり(後続車列の人たちは皆、私に対して舌打ちをしていたことでしょう)、
クラクションを鳴らされたり、ブロックされたりと、私に白い目を向けていました。
そんな時に出会ったのがこれ!
『ファスナー合流』でした。
この魔法のような方法論が、合流苦手だった私を変えてくれたのです!
ファスナー合流を身につけた私はまるでそれまでとは別人!
私が合流すれば後ろの車はブレーキを踏まされるどころか、私の前を走ってる車よりも速くなる!(嘘じゃないです(^_^)
もう誰からもクラクションを鳴らされることもなくなり、ブロックを見てもブロックとは思わないようになりました!(負け惜しみじゃないです(^_^)
そこで皆さんにもそんな便利で交通社会にも優しいファスナー合流を紹介しようと思い立ち、こんなエッセイを書き始めてみた次第です!(なんかインチキ臭い広告みたいだけど、そうではない(^_^)v
ファスナー合流というのは私が勝手に作った言葉ではありません。
意識的に車を運転してらっしゃる方なら誰でも知っているのではないかと思います。
ただ、日頃車を運転していて思うのは、これが出来てらっしゃるドライバーさんは、私の印象では1割ぐらいしかいない。
まるで昔の自分とおんなじ!
そんな人が実に9割!
運転に不慣れな方だけでなく、タクシー運転手や大型トラックドライバーまで!
大半の人が合流するのにギクシャクしたり、本戦の流れを悪くしてしたりしてしまっている。
これではいけない!
セクハラ戦隊ヤラシンジャーZの一員であり、ヤラシィ・ピンクを務める私としては、なんとか世界を平和にしたい!(←この行は無視していただいて結構です)
さて、ファスナー合流のやり方はとっても簡単です。
合流する時って、合流車線を走りながら、本線を走る車と並走状態になりますよね?
あれを合流車線を最後まで使い切るだけ!
これを渋滞時にみんなでやると、合流側の先頭から一台ずつ、本線の車と一台ずつ、交互に合体することになるのです。自然にそうなります。
これがまるでファスナーを閉じるのに似ているため、ファスナー合流と呼ばれているのです。
ファスナー合流は合理的です。
ここに『人それぞれ』などという考え方は入り込む余地はないほど、正しい方法論です。
その理由はまず、合流ポイントを一つに出来ることにあります。
みんながあっちこっちから本線に合流して来たら、本線の流れはあっという間にギッチギッチに詰まります。
先頭から一台ずつ合流するとわかっていれば、本線側も受け入れ体制を整えることさえ出来ます。
日頃見ていると合流とはカオスだなと思うのですが、そこに秩序が産まれるのです。
また、スペースを有効に活用することが出来ます。
左側の合流車線をまったく使わずに、すぐに一列に並んでしまったのでは、列が長大になりすぎてしまいます。速度も落ち、下手すれば止まってしまいます。
二列に並びましょう。
合流を受ければ本線の流れは上がります。
本線の流れが速くなったのを見届けてから合流したほうがスムーズです。
本線の流れを止めてしまわないように、本線が動き出すまで左側の車線でゆっくり動きながら、待機するのです。
本線のペースを変えず、走りながら合流するために、合流車線をしっかり使うのです。
合流は本線が少しでも動いているなら、走りながらするものです。
止まった状態で本線に入れるチャンスを待ったりしてはいけません。
たとえば60km/hで流れる本線に合流するために、合流車線の途中で止まって待つなんてことはしてはいけません。
2つ並んだブランコを想像してみてください。
ブランコを漕いでいる人と手を繋ごうと思ったら、どうすればいいでしょう?
地面に立ち止まった状態でそんなことをすれば、自分は引きずられ、相手はブランコから落ち、大事故になります。
並んでブランコを自分も漕げばいいのです。
ペースを合わせてブランコを漕げば、相手は止まっているも同然です。
ここで本当に手を繋いだりしないでくださいね。危ないですよ。これはたとえ話ですから。
ペースを本線に合わせれば、本線の車は止まっているも同然なんです。
必ず走りながら、余裕をもって、『ここで入りますよ』とあらかじめウィンカーで伺いを立てて、合流してください。
中にはウィンカーを出したらブロックして来る意地悪なドライバーさんもいますが、
ブロックするということはスピードを上げるということです、必ずその後ろが空きますので、そこに入ってください。
『ブロックしやがって!』とかムカついてはいけません。車の運転に感情は不必要です。
ブロックされたのを『後ろを空けてくれた』と思えるようになったら、あなたもプロを自称できます。
ここまで合流する側の心得ばかり書いて来ました。
合流を受ける側の心得に移ろうと思います。
合流を受ける側は、何をしたらいいか?
結論を言います。何もする必要はありません。
ただ普通に車間距離をとって走っていれば、合流側は勝手にそこに入って来ます。
入って来た合流車よりこっちのほうがアクセルを緩めてもちょっと速いぐらいでちょうどいいです。
合流して来た車はその後ペースが上がるのが普通ですから。
もちろん逆に止まる『かもしれない』ので、追突をしないように、ゆっくり速度調節はします。アクセルは緩めて、前の車に近づきながら、ふんわりと速度調節をするのです。
ここで合流して来た前の車より遅くなることだけは可能な限り、しないでください。
下手糞な合流の受け方。
それは合流車があるのに車間距離を詰めてしまうことです。
入らせまいとしているのでしょうか。
大型トラックのドライバーさんは大半の方が合流地点間際まで車間距離を詰めて走っています。
しかし結局合流されることになるので、そこで車間距離を『空け直し』ます。
車間距離を空け直すということは、合流して来たまだ速度の出ていない遅い車『よりも遅くなる』ということです。
車間距離を空け直す車が連続すると、後ろのほうは止まってしまいます。
車間距離を空け直すことはやめてください。前の車より遅くなることだけは可能な限りしないでください。
車間距離は最初から取っておき、合流を受けたらふんわりと詰めるようにするのです。
これで自分の車は合流して来た車より速くなります。(前が加速しなくても、前の車よりも遅くなることはないです。ただし右から割り込んで来るバカがない限り)
後ろの車にブレーキを踏ませることもなく、本線はスムーズに、安全に流れます。
前に入られることを嫌がらないでください。
前に入られることを嫌がるドライバーを育てないように、インチキをして横から割り込むような運転もしないでください。
まぁ、これは理想論ですが(笑)
少なくとも『合流』と『列への横からの割り込み』はまったく別のものですので、その判別はつくようになってくださいね。
とにかく『入られる』のではなく『入らせる』ために、本線側の車は車間距離をとって走りましょう。
ファスナーが嵌まるスペースを埋めてしまわないように。
ファスナー合流を知らなかったという方は、是非お試しください。
合流車線をちゃんと最後まで使い切り、走りながら、先頭から一台ずつ交互に合流するだけのことです。
その考え方さえ身につけたら、あとは慣れるだけ。
『合流下手はすべての下手に通ず』とはよく言われる格言のように思います。
安全かつ円滑な交通社会を実現するため、あなたにも目指してほしい、自称車の運転のプロを!\(^o^)/