賢者ユリ<完>
第85部分 賢者ユリ
「ミチル、ただいま」とユリ、
「おお、終わったのか、少し早いな」約束の日まで、あと一日のこっている。
「そもそも、タイムトラベルなんだから早く来てもいいのかも」と俺、
「それ、それ、やって見ようと思ったら出来ないの、なんで?」とユリ、
「分からん、ステータスみるぞ」”目利き”でユリを鑑定する。
「この”ムーンムブ”と言う魔法だな」と俺、
「そうなの、それ向こうの世界でためしたけどMP消費が激しくて、MP回復薬がたくさん必要ね」
「買ってきたの?」と俺、
「うん、10本ぐらいね」なるほど、準備万全かな。
それと、賢者デイブも見たいんだって、月と彗星がぶつかるところ。
デイブには色々教わったから。直前に連れてくる約束したの。
「ほう、でどうしてスザンナ達も一緒にきてるんだ?」とユリの後ろにスザンナが見えた。
「ミチル、来ちゃった。テヘペロ、フフフ」とスザンナ、どこでそんなこと覚えた。
「私達の世界、ヒマなんですもんねえ」とヤシロ、
「こないだの宇宙からきた魔獣はどうなってた」と俺、
「ああ、あれですか。マーベリック達が討伐して解体まで終わってました」とスザンナ、
「スザンナさあ、お店とかほったらかしでいいのかよ?」
「ああ、大丈夫です。従業員も居るんで、母も健在ですし大丈夫です」とスザンナ、
「はあ」
「ユリ、あまり時間が無くてな、早速始めないとダメかも。情報もすでにリークされて全世界で大騒ぎなんだ」
「やっぱり、天体の動きの異常なんて、いろんな所で観測しているから情報管理なんてできないわよ」とユリ、
「いまからフレデリックに連絡を取る。ユリ、アメリカに行く支度してくれ」と俺、
「ミチル、私達も連れて行ってニャア」とレン、
「いや、外見がな」と俺、
「ミチル、それなら大丈夫です。私が開発した異世界観光用、黒竜革の頭巾(擬態)です」とスザンナ、アイテムボックスから頭巾を出すと頭に被った。
すると、スザンナが普通の女の子に見える。
「そ、それ凄いな」と俺、
「みんなかぶるニャンよ」とレン、ベン、ジーナも被った。
レンの猫耳が消え、ベンの長い耳が短くなり、ジーナの短い角が消えた。
「こりゃ凄い、まるで魔法だな」
魔法だった、忘れてた。
「プルプルプル、ハアイ」とフレデリックだ。
「フレデリック俺だ、準備できたぞ、どこでやるんだ」
「ミチル、まってたぞ、今こっちは月が見えている、直ぐ来れるか」
「ああ、大丈夫だ。このことは内緒でな、門の前で待ってろ、数名一緒に行くけど大丈夫か?」
「OKだ、その月を動かせるヤツってどんな生き物なんだ?、もしかして宇宙人なのか」
だよな、うーんどうしようか。辺りを見渡すとレンと眼が合った。
「この世界の人間では無いとだけ言っておく、会ったら驚くぞ」
「分かった」
「ミチル、どうするの」とユリ、
「ユリが月を動かせることをバラすのはまずい、レンが代わりに動かせることにしよう。レンが動かしているフリをして、後ろでユリが無詠唱で魔法をつかってくれ」と俺、
「なるほど、分かった」
「わたしで大丈夫ニャンかな」とレン、
「ビジュアル的にレンが一番だ」
「そうニャンか」
NASUA(宇宙開発機構)の正門前ではフレデリックが待っていた。
「ミチル、遅いぞ」とフレデリック、
どう言う時間の感覚してんだよ。
「フレデリック、これが俺の仲間だ、まずはその場所まで案内してくれ」
「ふうん、ミチルの仲間はどえらい美人ばかりだな」とフレデリック、
「まあな」と俺、
「さあここだ、この周辺にいるのは俺達だけだ」とフレデリック、
「レン、帽子を取ってくれ」と俺、
「いいニャンか、とるニャンよ」とレン、頭巾を脱いだ。猫耳がピクピク動いている。
「ワオ、その猫耳娘は本物か、リアルなのか?」とフレデリック、
「本物ニャンね。尻尾もあるニャンよ」とレン、尻尾をスカートから出してピクピクさせた。
「うわああ、ミチルこれは凄い発見だぞ」とフレデリック、
「まあ、そうなんだが、人に話すと、俺達けされるから注意しろ」と俺、
「消される?」とフレデリック、
「月も動かせる生命体なんだから、人間なんて一瞬でチリだ。猫耳星のテクノロジーは地球の数千年先を行っているレベルだからな」
「本当か」とフレデリック
「もういいだろ、時間が無い早くヤロウ」と俺、
「分かった、この図の通り、あの場所から、右上5.2°方向で10Km動かせるか?」
「レンできるか?」と言いつつ、ユリを見ると、右手をグーにした。俺達の仲間のサインでOKの意味だ。
「出来るニャンよ、簡単ニャンね」とレン、
上手いぞレン。それで良い。
「よし、じゃあ始めてくれ」とフレデリック、
「それじゃあ、行くニャンよ。ムムム、ニャアアアアー」とレン、手を月に向けってかざし、力を入れているフリをしている。後ろではユリが無詠唱で魔法を使い、月を動かしている。
ユリの額に汗が出てきた、恐らくかなりのMPを消費する魔法なのだろう。
ユリがウンと小さくうなずいた。
「レン、もう良いんじゃないかな」と俺、
「そうニャンね、こんなモンニャンかな」とレン、
「そうか、では観測所で計測するな」とフレデリック、スマホで電話しながら、ノートブックPCを開いた。
「うん、そうだ。なるほどOK」とフレデリック、
「ミチル、すごいな、これはどんな技術なんだ。ほぼ俺のいった通りに月が動いたそうだぞ」とフレデリック、
「これで終わりで良いか、俺達帰るぞ」と俺、
「待ってくれ、精密な結果を待っているところだ、微調整をする必要があると思う。あと当日なんだが、ハワイに来れるか?」
「ハワイ、なんで?」と俺、
「月への衝突の瞬間は、ハワイの観測所でやる。あそこがベストなんだ頼む、現場で最終調整をすることでより確実になる」とフレデリック、
「わかった、俺が一度もハワイに行ったことがないと言うのが問題なんだ、事前につれて行ってくれ」と俺、
「じゃあ、明日でどうだ。俺もう現地入りするんだ。衝突は3日後なんだ」とフレデリック、
「よし、分かった明日だな」
”プルプル”とフレデリックのスマホが鳴った。
「ふん、うん、あーはん、OK」とフレデリック、なんらかの指示が来たようだ。
「ミチル、微調整の依頼だ、真下に1Km動かしてくれ」とフレデリック
「じゃあ、ヤルニャンよ」とレン、後ろではユリが魔法を無詠唱で使い始めた。
ユリの顔が小刻みに震えている。かなり限界のようだ。
「ふう」と言いながら、ユリがうなずいた。
「こんなモンニャンかな」とレン、
「フレデリック、確かめてくれ。今日はこれで最後だ、俺達にも能力の限界がある」
「わかった、ありがとう」とフレデリック、スマホで電話し、PCでなにかを確認している。ちらりと見ると、数字の羅列のようだ、座標かなんかだろう。
「ミチル、完璧だ。すごいな猫耳星のテクノロジーは」とフレデリック、驚いている。
「全て、レンのおかげだ。レンありがとう」と俺、
「ミチル、そのなんだ、できれば彼女の猫耳を触らせてもらえないかな、本物か確かめたいんだ」とフレデリック、
「レン、フレデリックがおまえの猫耳さわりたいんだとよ。触らせてやれ」と俺、
「触れるだけならいいニャンよ、耳を舐めないでニャンよ」とレン、
「舐めません!!」とフレデリック、
レンの耳を触る、付け根あたりを調べた。
「すごい、本物だ、温かいし、この子ほかに耳が無い」とフレデリック、
「そりゃそうだ、耳が四つあったら気持ち悪いだろ」と俺、
「そうなのか」とフレデリック、
「これは俺の推論だが、ピラミッドの遺跡とかに猫耳のある人間の絵が描かれているだろ、アレは、レンの星から来た猫耳星人だろうな」と俺、
「まじか!!猫耳星人・・・」とフレデリック、
「まあ、信じる、信じ無いはあなたしだいです!!」と俺、
フレデリックとは正門で別れ、俺達は家に戻ってきた。
ユリはMP回復ポーションを3本飲むと、倒れるようにソファーで横になった。
「ユリ、大変だったろお疲れさま」と俺、
「大丈夫、少し眠るね」とユリ、
「ああ、眠ってくれ」
「レン、よかった、ナイスな演技だったぞ」と俺、
「フレデリックっていうヒューム、わたしの耳さわったニャンよ、ミチルも触ってニャン」とレン、
「よし、えらいぞレン、ありがとう」と俺、レンの頭をなで回した。
猫耳のモフモフが心地よい。
「あっ、ミチルだめニャン、そこイイニャンよ、イイニャンよ!!イイ!!」とレン、
「ミチル!!、レン!!」とユリのどなり声、
「ハイ!、すいません」と俺、ユリはまだ起きていたようだ。
レンはベロを出して笑っている。こんニャろめ。
次の日、またフレデリックのところに行くと、ヘリコプターで軍の飛行場へ行き、小型のジェット機でハワイの基地へ、そこからヘリコプターで山の上にある天体観測所まで移動した。フレデリックたちはそこでしばらく待機するようだ。
そこの会議室でフレデリックと打ち合わせをし、ハワイの民間飛行場まで送ってもらい、そこのトイレからテレポートして戻ってきた。
やはり、当日は現地で微調整をしたいとのこと、もう明日だ。
会社はこの混乱で、今週は休みになっている。俺達は時間の自由が利いた。
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ユリ・ヒカゲ 賢者LV1
種族:ヒューム 女 23歳
*スキル
<アクティブ>
攻撃魔法(大)「ファイヤーボール、ファイヤートルネード、
ウォーターボール、ウォーターシールド、
アイスアロー、アイスシールド、アイストルネード、
ライトニングアロー、エンハンスウエポン、エンハンスアーマー、
エスプロ、パーティエンハンス、パーティシールド」
★ゴルエスプロ、★ストーン、★カラウエザ、★ザバウエザ
回復魔法(大)「ヒール、アドバンスドヒール、神の手」
空間魔法「テレ・ダンジョン、テレ・フィールド」
浮遊魔法「★バード」
★天体魔法「ムーンムブ」
魔法薬合成(大)
ゴーレム作成(大)
「ゴーレムクリエイト、スピリットクリエイト、スピリットムーブ」
時空間魔法「タイムトラベル」
<パッシブ>
知力上昇(大)、回避上昇(大)、MP回復(大)
無詠唱、3重詠唱、★剛力(大)、ゴーレム従魔(大)
★防御力上昇(大)、★素早さ上昇(大)
*装備
頭 黒竜革の魔法使い帽子
手 黒竜革のグローブ
胴体 黒竜革の魔法使いローブ
足 黒竜革のブーツ+靴底(エゾキングオオヤモリの足裏革)
盾 黒竜革の丸盾
武器1 賢者の杖
武器2 コスモメタルの刀(不壊属性)
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「少し早めに行こう、フレデリックが心配しているかもしれない」
「そうね、30分ぐらい早くても良いわね」とユリ、
「じゃあ、行こう」
俺達はテレフィールドでフレデリックと別れた施設までやってきた。
あいにくの雨だ大丈夫かなあ。
正面から行こうとするとやはり止められた。
スマホでフレデリックに連絡する。
「フレデリック正面にいる、迎えに来てくれ」
「OK」とフレデリックの声、
施設中に入れられ、会議室のような場所で待機させられた。
「ミチル、コーヒー無料で飲めるみたいよ」とユリ、
「じゃあ、頼む」と俺、
ユリと2人でコーヒーを飲む。
「なにこれ、マズー」とユリ、
「そんな、無料の物なんだからさあ。”ズッ”オエーなんだこれ、俺こんな泥水みたいな物は飲めないわ」
「なんだよこのコーヒー不味すぎる」と言いながら、カップを捨てているとフレデリックが部屋に入ってきた。
「ミチル、そのコーヒー不味いから飲まない方が良いぞ」とフレデリック
言うの遅いわ!!
「ミチル、今日あいにく天気が悪い、ジェットで雲の上まで行くことになるから空港まで移動しよう」とフレデリック、
「天気なら大丈夫です、晴れます。いますぐ快晴になります」とユリ、
「エッ、なんで」と思ったら、窓の外が急に晴れて快晴になった。
ユリ、なんかやったな。
「本当だ、明日までずっと雨の予報だったのに」とフレデリック、
「わたし、がやったニャンよ。晴れに変えたニャンね」とレン、
「えっ、猫耳星人はそんなことも出来るんですか、すごいテクノロジだ」とフレデリック、
「月も動かせるんだぞ、天気ぐらい簡単さ」と俺、
知らんけど。
「そ、そうなんだ。助かった。これで光学望遠鏡でも観測できる」とフレデリック、
「いま、量子コンピュータで最終の軌道計算をしている、結果がでるまでしばらく待っていてくれ」
「わかった」と俺、フレデリックは部屋を出て行った。
「ミチル、わたし賢者デイブを呼んでくるね」とユリ、
そうだった、賢者デイブも衝突の瞬間を見たいと言っていたらしい。
ユリが賢者デイブを会議室につれてきた。
「賢者デイブ久しぶり」と俺、
「ミチル殿、元気そうでなにより」と賢者デイブ、
賢者デイブは爺さんが爺さんになっただけであまり変わらないな。
「ミチル、計算結果が出た、右下120°方向に500mだ」とフレデリック、
「うわっ、このお爺さんだれ?」とフレデリックが驚いている。
「そのお爺さんは、死ぬ前にどうしても月が欠ける瞬間を見たいらしい、連れてきた」
「そっそうか、まあいいか。ではさっそくやって欲しい」
「わかった外に行こう」
俺達は天体観測所の外に出て、空を見上げた。彗星がもう肉眼で確認できる。白く光ってとても綺麗だ。楕円形に見える。
「楕円形なんだな」と俺、
「楕円に見えるだけだろう、実際はもっとイビツな形のようだ」とフレデリック、
「それじゃあ、やるニャンよ、フニャー」とレン、月に向かって手をかざし、魔法をかけているフリをする。実際には後ろでユリが汗をかいているんだが。
ユリが、うなずいた。
「こんなんでイイニャンな」とレン、
「フレデリック、確認してくれ」
「わかった」とフレデリックは衛生電話のような物と、普通のスマホの二つを同時につなぎながら、ノートPCを操作している。
「ミチル、ばっちりだ、俺達は助かるぞ」とフレデリック、フレデリックが笑っているのを久しぶりに見た気がする。
「フレデリック、分かっているだろうが、この世に無料の物なんて無い、俺は今回のことで猫耳星人にずいぶん搾り取られた。次の量子コンピュータを導入する際はここにいるユリを営業として仲介し、うちの会社に発注してくれ、頼むぞ」
「わかった、それくらいお安いご用だ、ミチルの会社の量子コンピュータとAIOSは今回ものすごく大活躍した。おれがさっき話していたのもAIOSだ。社内からは各拠点に増設した方が良いと言う話も出ているからそんな先のことじゃないぜ、任せとけ」とフレデリック、
「そりゃ良いな、各拠点に増設したらそれらを高速回線で接続すると量子コンピュータグリッドを形成できるぜ、飛躍的に処理性能が向上する。らしい」
巣鴨さんが言っていたことをそのまま言っておいた。知らんけど。
「フレデリック、月と彗星が衝突するまであとどれくらいだ」と俺、
「あと4分だな」とフレデリック、
空を見上げると、月と彗星が重なって、彗星は俺達のいる場所からは見えなくなっていた。うまく行っているように見える。
「そろそろだぞ」とフレデリック、
俺はさっきからデジカメで写真を撮りまくっている。
写真をインスタに上げて儲けてやるぜ。
もちろん衝突の瞬間も撮影してやる。スザンナには動画の撮影も頼んだ。
「衝突した」とフレデリック、
たしかに、月が若干動いた気がする、その横を彗星がゆっくり、通過してゆく。地球に水星が衝突することはないだろう。俺は写真を撮りまくった。
”プルプルプル”とフレデリックの電話が鳴った。
「なんだと、もう一回行ってくれ。はい、はい、なにい、くそ」とフレデリック、
「ミチル、彗星の質量が想定より重かった、そのせいで月が地球に落ちてくる、防げないか」
「ユリ!!」と俺、思わずユリの名前を呼んだ。
「みんなでやりましょう、賢者デイブもお願いします」とユリ、
「ようし、みんなでヤロウ、月に手をかざして祈るんだ、何もしないよりはマシだろう」
「仲間全員と、賢者デイブ、フレデリックも両手を月に突き出してなにかを祈っている」
まあ、この中で実際効果があるのは賢者の2人だけなんだけどな。
”おれに、おれに元気をクレー”みたいな声が聞こえてきそうだ。
でも俺も真剣に祈った、月の動きは確実に遅くなっている。
「”アイテムボックスオープン”」とボックスからMP回復ポーションを出すと、ユリに3本飲ませ、賢者デイブにも3本飲ませた。
「くう、うおおお」とユリが叫びだした。
「むう、くうううう」と賢者デイブもうなる。
「みんなもう少しだ、がんばってくれ」と俺、
「神様、お願いです。月を止めてください」と俺、
「ゴット、”)#)=~=~~=(’)()」とフレデリック、わけのわからん言葉でなにかを祈っている。
「もう止まったじゃろ」と賢者デイブ、その場でへたり込んだ。
「とまったようです」とユリ、膝からその場に崩れるように座った。
「これ飲んで回復してくれ」とMP回復ポーションを賢者デイブとユリに渡す。
「なんか月が大きくなった気がしますね」とヤシロ、
「なんかじゃなくて、かなり大きいぞ」と俺、
「みんな、上を見てくれ、凄いぞ流れ星の大群だ」と俺、
月と彗星が衝突したかけらが地球に落ちてきたようだ。無数の流れ星が空から海におちてゆく。
「うわあ、すごいニャンなあ、綺麗ニャンなあ」とレン、
「まるで花火のようです」とヤシロ、
「これは、すごい」とベン、
”プルプルプル”とフレデリックの電話だ。
「はい、OK、よかった。ありがとう」とフレデリック、
「ミチル、月の動きが止まったってさ、ありがとう」
「なに、俺自身も助かったんだし、真っ先に俺に情報をくれてよかった」と俺、
「ああ、ミチルが1ヶ月前くらいに俺の家に来て、天体の動きで何かあったら直ぐに
連絡くれって言ってくれなかったら、人類は滅亡していたな」とフレデリック、
「えっ、おれそ・・・、そうだったな。よかったよ、俺の感が当たってさ」
おかしい、俺は1ヶ月前、フレデリックに会いになんか行って無い。
話しすら半年以上していなかった。
なんだ?俺がこれからやるのか?
まあ、良いこれから考えよう。
「フレデリック、俺達は帰るな。また何かあったら相談してくれ」と俺、
「わかった、ありがとう」
天体観測所でフレデリックと別れ、家に戻ってきた。
ユリは賢者デイブを異世界側に送って行った。
「スザンナ達はどうするの、観光でもする?」と俺、
「そうですね、ホームセンターで買い物、ネズミーランドで遊びたいですね」とスザンナ、
「明日、ホームセンターやってるかなあ」と俺、
自分の部屋に戻り、PCを起動して、デジカメの写真をインスタにアップしておいた。
これはバズるぜと思ったら既に写真を上げている人が大勢いて、目立ちそうにも無かった。
プリントも注文しておくか。
「タサキ殿」と後ろから急に話しかけられてビックリした。
「わっ、お前誰?」
「私、こう言う者です」名刺を俺に渡してきた。白い服を着て、青い肌をしている。
異世界側の人間かなんかなのか?
”アンチチートシステム 地球区画担当”と書かれていた。
「はあ、でもこの地球は現実側だろ、アンチチートシステムってなんだよ」と俺、
「はい、タサキ殿からでは現実ですが、この世界は私が管理しているシュミュレーション区画です。地球区画と言う名前ですね」とアンチチートシステム、
「そうなのか、それでアンチチートシステムが俺になんの用だ」
「先ほど、地球区画は消滅する予定でした。想定外の事象でしたので原因を調べたところ、地球区画で禁止されている魔法を使用した痕跡がありました。どうやらタサキ殿がご関係しているようでして、確認しにまいりました」
「仮に俺が問題だったらどうなる?」
「そうですね、消去するのが簡単ですね」とアンチチートシステム、
「俺はデータなのか?、いままで消去されたやつはいるのか?」とアンチチートシステム、
「データというか、情報と物質の集合ですね。ほとんど水ですが、消去しますと死体すら残りません」
「まあ、そうだよね」
「今まで消去されている方は数人おります。海を魔法で切り裂いた方、大きな船を作った方、十字架に縛られた方、最近ではドイツと言う国で声が大きくてチョビ髭を生やした方でしょうか」
「もう良い、だいたいわかった」
「もうしわけない、この世界に住んでいる人の為と思い、俺がやったことだ、つまり今回の想定外の事象は俺の責任だ。だが、俺はまだ消去されたくない、今後は行動には気をつける。そしてこの世界をもっとシュミュレーションのしがいのある奇想天外な世界に変えていけると思っている。そんなヤツがいる方が楽しと思わないか。だから、そうだな、あと80年くらい俺を消去するのは待ってくれないかな、お願いする」と俺、アンチチートシステムに部屋だけど土下座をして頭を床に付けた。
「80年か、反省もしているようだ、まあ良いだろ。今後は大それたことはするなよ、今回だけは許してやろう」
俺の目の前にいた物の存在が音も立てずに消えた。
「ミチル、私達の新婚旅行ハワイにしましょうよ、ねえ」とユリ、
「テレポートで行くと、パスポートとビザが無いから面倒になる可能性あるよ」と俺、
「大丈夫、最悪そのときはテレポートで逃げれば良くない」とユリ、
「こないだ、おれ神様に叱られたばかりだからなあ」
「神様?」
「ああ、本当にいるんだなこの世界にも神様が、そいつは冷酷で残酷で、俺達人間をデータと物質の塊だと言っていた。この世界が消滅することも知っていて観察しているようなやつだった」
「本当なの」とユリ、
「本当だ。でもそれでようやく分かった。俺達は今やれることを今すぐヤルしかないと言うことだ。神様に祈ってもなにもならん」
「当たり前すぎじゃない。それ」とユリ、
「そうだな、とりあえずじゃあ、1ヶ月前のフレデリックに会いに行くか」
「今から?めんどくさあ」とユリ、
「地球を救いに行くんだぜ、めんどくさいとか言うなよ」
「ふん、今日の夕食事はミチルが作ってよね」とユリ、
「ああ、母さんに頼むから大丈夫だ」
「はあ」
「俺達、地球防衛軍はこれからも頑張ります」
「なにそれ、バカじゃないの」とユリ




