尾行
第77部分 尾行
「みんなー、ベジムの戦いは疲れたろう、今日は午後から休みとする。午前中はベンとヤシロでモモコとモモタを槍兵にする為の訓練をしてくれ。ユリとレンは草原でクレーターを探してくれ。では、報酬を渡そう。全員に金貨30枚だ」と俺、
「ありがとうニャ」とレン、
「ありがとうございます」とヤシロ、
「ミチル、ありがとう」とベン、
仲間ひとり一人に報酬を手渡した。
俺は部屋に戻り、部屋の片付けや掃除、汚れた服を”スーパークリーニング”で綺麗にしてキャビネットにしまった。アイテムボックスの中が魔獣の素材だらけでゴチャゴチャなので午後に冒険者ギルドで買い取ってもらうことする。
メモして、買い物リストを作ろう。
ポーション類、ロープに油、モモコとモモタの装備をスザンナにたのんで、と。
食料でも買うことにするか。
”ブゥン”と庭の方で音がした。
「ミチル、クレータ見つけたニャンね。魔獣もいないニャンよ」
なるほど、魔獣は抜け殻のコスモメタルに興味は無いか。
「ユリ、その場所までテレポートたのむ」
”テレフィールド”とユリ、俺を草原のクレータのど真ん中に転送してくれた。
「おッ、あるぞ」こっちのコスモメタルの玉は、落下の衝撃で真っ二つに割れてる。
”スーパエコロジーリサイクル”とスキルを使い、コスモメタルのインゴットに変えると、全てアイテムボックスに収納した。
もう、ここに用はない。
「ユリ、完了した。家に戻ろう」
テレポートで家に戻ってきた。
「ユリとレンは休んでくれ。ありがとう」と俺、2人は二階の自分の部屋に行ったようだ。
庭ではベンとヤシロが、モモコとモモタに槍の使い方を訓練している。
もう槍兵にはなれるだろうな。
ベジムで保護した少年の名前はモモタと名付けた。
2人とも魔族だったが、メリーのスキル”ミラクル”でヒュームに成った。メリーにもう一度ミラクルを使うとどうなるか聞いたが、ターゲットされなくなったとのこと。元に戻す力は無いようで安心した。
「師匠ありがとうございました」と言う声が聞こえた。
訓練が終わったようだ。
「ミチル、あの二人はすごい才能です。強くなりますよ」とヤシロ、
「そうか、優秀な弟子ができてヤシロも良かったな」
「そうでも無いです、あれでは抜かされそうです」とヤシロ、心配そうな顔をした。
「彼らを俺がパーティに入れるのはパラディンになるまでだから、安心してくれ。仲間にするつもりは無い」
「そうなんですか」
「ああ、孤児院パーティの中衛になってもらう」と俺、孤児院の少年少女だけでパーティを組もうと言う計画はあった。そのメンバーにすることに決めたのだ。
「食事ができましたよー」とジーナの声だ。
「おっ、ご飯だ。ヤシロ行くぞ」
「私、お腹ペコペコです」とヤシロ、
「うわー、お昼ご飯はパスタですね。大好物です」とヤシロ、よだれが出てますよ。
「アレックスとレンはいないが出かけたのか?」と俺、
「お二人はミミンの所に行くと行ってさっき出かけました」とジーナ、
「そうか」
「これおいしい”ムシャムシャ”」とモモコとモモタ、
「ジーナさん、美味しいです”ムシャムシャ”」とヤシロ、
モモコ、モモタはこれがこの家で食べる最後の食事だ、昨日話したが2人には孤児院に入ってもらうことになっている。
「ごちそうさまでした」
と食事が終わった。
「モモコとモモタ行くぞ」と俺、
「はーい」と二人、
「まずは、スザンナのところで装備を作ってもらおう」と俺、テレポートで移動するとこいつら道を覚えないだろうな。と言うことで、歩きで移動する。
「今日は歩きだ」
スザンナの店まで歩く、2人はキョロキョロして周りが気になるようだ。
「おい、お前らキョロキョロしていると転ぶぞ!!」と後ろに向かって注意すると、かなり後ろでサッと隠れた人影があった。なんだ、今の?
背格好からヤシロに見えた気がする。あいつが一番小さいからな。なんで俺達の後を尾行しているのだろうか?
スザンナの店に入る瞬間に確認したが、間違いなく変装しているヤシロだった。変装といっても眼鏡をかけて、帽子を深く被っているだけだ。
「スザンナ、この2人に装備を作ってくれ、防具とリュックは竜革で軽い物、槍とショートサーベルはミスリルで良いな」
「了解です、直ぐ出来ますよ」
「いや後で取りに来るから急がなくて良い」
「スザンナ、ではまた来るな」
スザンナの店を出る。ヤシロがサッと隠れるのが見えた。よく分からないが、気づかないフリをすることに決めた。
雑貨店、服屋によって2人の服を買い、俺の買い物もした。あっ、買い物メモわすれた。
まあいいか、覚えてるし。
ジョブ神殿に行き、2人を槍兵にする。冒険者ギルドに行き、2人を冒険者に登録し、ギルドカードを発行してもらった。
「そうだんだが、素材を大量に買い取ってもらいたい。奥の方でたのむ」と俺、係員にお願いすると。奥の倉庫に案内された。
「ミチル準男爵どの、お久しぶりです。ベジムの戦いでもずいぶんご活躍されたとか」とジョセフ支部長が倉庫に現れた。
「ジョセフどのご無沙汰しております。今日は素材の買い取りをお願いします」
”アイテムボックスオープン”とボックスを開いて、不要な素材を倉庫の端から端まで並べた。
「これはまた随分ためこみましたなあ」とジョセフ支部長、
「換金するのが面倒でつい、ため込みました」と俺、
係員が記帳しながら計算している。
「トータルで金貨3000枚です」と係員、
「そんなもんか」と俺、
「いやいや、かなりの額でしょ。珍しい物もあったようです」とジョセフ支部長、
「それでは、受付で」と係員、
「金貨3000枚になります」と係員、金貨の袋を俺に渡してきた。
「ありがとう」と俺、アイテムボックスに金袋をしまった。
冒険者ギルドを出ようとして、ポーションを買うのを忘れたことに気づいた。
「イカンイカン、ポーション買わないと」
冒険者ギルドの売店に行き、ハイポーション1ダースと、MP回復ポーションを2ダースなどを買う。
「俺、これだから」と言いながら、ギルドカードを提示する。
「Aランクの方は20%引きになります」と店員、
支払いを済ませた。
冒険者ギルドを出ると、スザンナの店に向かう。
もうそろそろ出来るころだろう。
スザンナの店に入る。
「スザンナ、装備できたか?」
「ミチル、とっくに出来てます」とスザンナ、
「モモコとモモタ、スザンナが装備を作ってくれた、さっそく装備してみてくれ」
”ごそごそ、ガチャガチャ”と2人が装備する。
「なかなか、さまになってるな。良い感じだ。スザンナありがとう」と俺、
「お前らからもお礼を言いなさい」と2人に言う。
「スザンナ、ありがとうございます」と2人、頭を下げた。
「スザンナ、あとこれ」アイテムボックスからコスモメタルを取り出して、テーブルに置いた。
「まだあったんですね」とスザンナ、
「これが最後だな、マーベリックの所に行って装備を作ってあげてほしい」
「了解です」
「いつもすまんな、これは礼だ」金貨の入った金袋を出しスザンナに渡した。
「ああ、いえいえもらえません、素材もたくさんもらってますので」とスザンナ、
「いいとっておけ、そのかわり孤児院のパーティや仲間がきたら、たのむな」と俺、
「分かりました」とスザンナ、
店を出る。ヤシロがまだ尾行してきている。あいつもヒマだなあ。なにが面白いんだか。
「では孤児院にいくぞ」
「はい」と2人、
「すまんな、今の家の方が良いだろ、でも子供の部屋が無いんだ。」と俺、
「いいえ、ありがとうございます」
ユパン孤児院に入る、元奴隷の職員に2人の面倒を見るようにお願いする。
「どうだ?、問題ないか」
「特に問題はありません、子供達も直ぐ馴染みます。勉強を嫌がるこどもが多いですね」
と職員、
「そうだな、どうして勉強しなければいけないかをキチンと説明した方がよいだろう。字が読めないとこんなことが不便だぞとか、計算できないと損するぞとかだな」
「分かりました。今度、しっかり説明してみます」
「あとこれで美味いものでも喰わせてあげてくれ、あとドラゴンの肉いるか?」
金貨をひとつかみと、ドラゴンの肉をアイテムボックスから出して渡した。
「いつもありがとうございます、助かります」と職員、
「じゃあな、またくる」と孤児院を出る。
ヤシロがサッと物陰に隠れたのが見えた。
「ヤシロ、おまえなにやってる。食材買ったら帰るぞ、こっち来い」と俺、隠れているヤシロを呼んだ。
「ミチル、バレてましたか」とヤシロ、
「昼に家を出たろ、あの直後から気づいていたぞ」と俺、
「マジですか、なんで声かけてくれなかったんですか」とヤシロ、
「逆ギレするなよ、なんで隠れてんだろうって俺も不思議に思っていたんだ」
「ミチルがもしかしてあの魔族の二人を殺すのではないかと心配しておりました。仲間をだれも連れて行かなかったので怪しいと思いまして、すいません」とヤシロ、そうだったか。
「俺がそんなことするわけ無いだろ、バカか!」
「ミチルは時々、だれもやりたがらないことをやる男ですから、まさかとは思いつつも、本当にすいません」
「あの二人なあ、もう魔族でなくてヒュームになったから大丈夫だ」と俺、
「えっ、そうなんですか?」
「そうだ、だからもう心配ない。安心してくれ」
「なんだ、そうだったんですね。フー、わたしバカみたいです、アハハ」とヤシロ、笑っている。
「ヤシロ、夕飯は何が食べたい?」
「うーん、ミチルが作ったカレーライスかなあ」とヤシロ、
「わかったカレーライスにしよう」
「ミチルの国で食べたカレーは格別でしたねえ」とヤシロ、
「ミチル、もうネズミーランドには行かないんですか。わたしもう一度あの夢の国に行ってみたいです」
「ヤシロはもう行っただろ、しかもネズミーシーにも行っている。一回いけばもう十分じゃないか。レンとベン、ジーナは未だ行った事が無い、平等にしたいから、今度あの3人をコスプレ祭りの日につれて行こうと思っているんだ」と俺、
「ナヌー!!、わたしもう一度行きたいです。行きたいです!!です。ですう#%*@!!」とヤシロ、すごい興奮の仕方だ。
ネズミーランドは女子をこれほど狂わせるものなのか。
「やっぱり、みんなでもう一度行く必要がありそうだな」
「当たり前です、お願いします」
スザンナも、もう一度ホームセンターにつれていってくれと言っていたしな。
観光目的で現代にもう一度、仲間全員で行くか。




