辺境の街ベジムでの戦い
第76部分 辺境の街ベジムでの戦い
ミラクルと言うスキルについて、エンジニアの巣鴨さんに確認だな。
ラップトップパソコンを開き、会社の巣鴨さんにメールを入れる。
「”巣鴨さん、質問です。ゲーム内で”ピースメーカ”ジョブが使う”ミラクル”と言うスキル知っていますか?”」
とメールを出した。
「”私の知る限りでは”ピースメーカ”も”ミラクル”も基本ジョブや基本スキルに存在しません、おそらくランダムジョブと、ランダムスキルでしょう。それらについては確認できません”」
巣鴨さんも知らないか。
まあ、そのうち分かるだろう。
俺の部屋の机に、”ネズミーランド コスプレイベント”のチラシが置いてある。
コスプレして入場するとチケット50%OFFかあ。
母さんが置いたな。
なるほど、この日なら大丈夫ということだろう。
“ブゥン”とユリが庭に来たようだ。
「お邪魔しまーす」とユリ、”ダカダカダカ”と二階に上がってきた。
「ミチル大変よ、男爵が呼んでる。緊急事態だって」とユリ、
「そうか、じゃあ行こう」チラシを折りたたんでポケットに突っ込むと庭に出た。
”タイムトラベル”とユリが詠唱する。
屋敷に入ると、男爵が廊下にいた。
武装している、なにごとだ!
「男爵様、どうしました」と俺、
「辺境の町に住んでいる魔道士から知らせがあった。魔獣の大量発生だ、大至急向かってほしい」と男爵、
「わかりました、男爵様はどうしますか、私と一緒に行きますか?」
「そうだな、では私とエド騎士団長、その部下数名、ローレルマインヤーを頼む」
「ユリ、家に帰って仲間を戦闘準備させ、ベジムの冒険者ギルドで合流だ」
「了解”ブゥン”」ユリが無詠唱で家にテレポートしていった。
「男爵様、ではここに戦闘に参加する人を集めてください、俺もいま装備します」
アイテムボックスから装備を出し、身につけてゆく。
「クーランラへの連絡は?」と俺、
「クーランラ達には使いを出したが、連絡が取れるかわからない」
なるほど、マーベリック達はレベルアップ目的で遠くへ魔獣狩りに行く事が多い。
一応、連絡して見るか、トランシーバを取り出し、コールして見る。
”プルプルー、プルプルー”
とコールするが無応答だ、つまり、電波届く範囲にはいないということか。
トランシーバも一般向けの製品でそれほど電波も強くない。
せいぜい1Kmぐらいの距離だ。
”バタバタ、ドカドカ”という足音がして、エド騎士団長とその部下、アサシンのローレルマインヤーさんが駆けつけてきた。
「ミチル殿、お待たせました」と団長、
「それではみなさん、パーティ招集します。承認してください」
「やったぞ」と男爵、
「ベジムにテレポートします”テレフィールド”」と俺、辺境の街ベジムの冒険者ギルドにテレポートした。
ベジムの冒険者ギルドの前には。帝国の各地から駆けつけた。いやテレポートして来た冒険者がすでに30名ほど集まっていた。
俺の仲間達を探す、とすぐに見つかった。
「ミチル、何かヤバイ雰囲気です」とヤシロ、
ヤシロはメリーと入れ替わりで俺達のパーティに参加している。マーベリックのパーティはスパルタすぎるのでギブアップしたとのこと。
”目利き”一応、ヤシロのステータスも確認しておく、もう少しでレベル50だ、大したもんだ。
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ヤシロ・ガーフィールド ロイヤルガード LV47
種族:ヒューム 女 13歳
*スキル
<アクティブ>
シールドアタック(中)、槍突撃(中)、槍投擲(中)
サンダースピア、急所突き
ビーストダッシュ、ビーストジャンプ
回復魔法(小)「ヒール」
<パッシブ>
回避上昇(中)、防御力上昇(中)、素早さ上昇(中)、剛力(大)
状態異常耐性(中)、エンハンスアーマー(中)、スキルコンボ(2)
クリティカル発生(小)、アイテムボックス
頭 オリハルコンのヘルメット
手 黒竜革のグローブ
胴体 オリハルコンの鎧
足 黒竜革のロングブーツ+靴底(エゾキングオオヤモリの足裏革)
盾 黒竜革の丸盾
武器1 コスモランサー(摩擦低減)
武器2 オリハルコンのショートソード
その他 竜革のリュック、バタフライナイフ
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「ミチル殿、私たちは辺境側の入り口側で魔獣を食い止めるぞ」と男爵、
「分かりました。ユリとレンは空から攻撃できるか」
「なんとかやってみる」とユリ、リュックからオリハルコンの魔法杖を取り出した。
賢者の杖で飛びながら、魔法杖で攻撃か。
「飛ぶときニャ、ユリの背中につかまっているから弓は使えないニャンよ」とレン、
そうか、体が固定できないか。”アイテムボックオープン”たしかロープがあったハズだ。
「レン、このロープでユリの体と固定できたら飛びながら弓を使えないかな」
「それなら大丈夫ニャンね」
「では先に行って魔獣を牽制してきてくれ、それからユリ、ノリユキはココに残してくれ」
「ノリユキ、出番よ」とユリ、竜革のバックからノリユキを出す。
ノリユキが人の大きさまで大きくなった。
「MPが消耗したらコレを飲め」とMPポーションを仲間全員に配る。
「了解ニャン」ユリとレンが杖にまたがり、体をロープで固定すると”フライ”とユリが詠唱してベジムの辺境側に入り口に飛んで行った。
ベジムは城塞の作りなので、町は高い塀で囲まれている。
入り口は俺がこの世界に来た時の草原に続く側で、反対側には俺達が初めてレベルアップの魔獣狩りをしていた小さな森がある出口側だ。
今回の魔獣の大量発生は入り口と出口両方から同時に攻めてきているみたいだ。
「俺達は入り口側だ、いくぞ」と俺、
残りは俺、ベン、アレックス、ヤシロ、ノリユキの近接~中距離攻撃の5名だ。
門の上の塀の上では、既に衛兵が弓を魔獣に向けて射っている。槍を持っている者が塀をよじ登ろうとする魔獣を刺しているようだ。
「ヤバそうだ、急ぐぞ」
門を補強している衛兵に声をかける。
「増援に来ました」と俺、
「そうか、助かる。あそこのハシゴから塀に上って、魔獣を食い止めてくれ」と衛兵、
ハシゴを登り、塀から外を見る。
「こりゃヤバイな、ガンガンやろうぜ」と俺、
アイテムボックスから予備の槍を取り出すと、近距離攻撃がメインのベン、アレックス、ノリユキに渡した。
「コレ使ってくれ」と俺、アレックスは気功砲弾も使えるが、連続は厳しいだろう、ベンやノリユキは剣しか持っていない。
「了解」
少し上を見ると、魔道士が何人か空を飛びながら攻撃していた。
ユリとレンの姿も見えた。
「これは、相当な数だな、ざっと見た感じだと200~300匹ぐらいか」とベン、
「俺、出口側も見てくるな”テレフィールド”」と出口側にワープする。
ハシゴを登って塀の上に上ると、入り口側と同じ状況だ。
「1匹すり抜けたぞ!!」と右の方から声が聞こえると、人型で緑色の魔獣が町の方に走って行くのが見えた。やばい!
「俺に任せろ”ビーストダッシュ”」とスキルを起動して魔獣の後を追う。テレポートでもよいと思ったが、魔獣を見失う可能性がある。
魔獣のスピードはそんなに速くない、もう少しで追いつけそうだ。イチかバチか、
「”槍投擲”」と持っていたコスモランスを魔獣に向けて投擲した。
槍が真っ直ぐ魔獣に飛んで行き、体の真ん中を貫いた。でも、魔獣は倒れない。
くそ、あの魔獣心臓が2個あるタイプなのか。
魔獣は歩くスピードぐらいに遅くなったが、町に向かって歩き続けると右に曲がった、あそこの角を曲がると、奴隷商人の店があるだけなんだが、
俺は走って角を曲がる。
この間合いなら斬れる!
「”聖剣”」スキルを起動し、右手に”光りの剣”が現れた。ちなみに俺の光の剣は赤だ。
「”ビーストダッシュ”」と二個目のスキルを起動する。
「おりゃ」と言いながら、俺の槍を避けて魔獣を切り裂いた。”バタッ”と倒れる魔獣。
奴隷商人の店から、顔見知りの店主が出てきた。
「ミチル殿、ありがとうございます。おかげで店が無事でした」
「ああ、出口側の門で戦っている最中なんだ、また後でな」
「”テレフィールド”」出口側の門に戻ってきた。
「また1匹、抜けた!!」と上の方から声、
またかよ!、ついさっき走ってまだ体力が回復していない。
そうだ、
「テレフィールド」奴隷商人の店の角で待ち伏せすることにした。
槍を両手で持って構える。何時でも剣を抜けるように、左の腰にあるロングソードの鯉口を切っておいた。
「よし、こい」と思うと、角を魔獣が曲がってきた。俺を見て少し驚いたようだ。
「フンッ」と槍を繰り出すと魔獣の太股に深く突き刺さった。”ギギイ”と魔獣が鳴く。
槍を素速く引き抜くと、魔獣の心臓めがけて突き刺す。”バタッ”と魔獣が倒れる。
魔獣2匹とも、奴隷商人の店に向かっていた。
コレは偶然ではない。
後ろを見ると、奴隷商人が窓から俺を見ていて眼が合うと頭を下げた。
魔獣が奴隷商人に何の用があると言うのだろう。
”テレフィールド”と出口側の門に戻ると、マーベリック達が増援に来ているのが見えた。
良かった、なんかホッとした。
「マーベリック!!」と言いながら手を振ると、俺と眼が合った。
「マーベリック、こちちら側は任せた!!」と言うと、
「了解!!」と返事しながら、拳を上に突き出した。仲間同士で使う”OK”のサインだ。
”テレフィールド”入り口の門に戻ってきた。
「ベン、状況は?」
「ミチル、数がやばい、きりが無いぞ。こりゃ持久戦になると俺達やられる側だ」とベン、
「全然減っていないな。それどころか塀の下に魔獣の死骸の山ができ、魔獣がそれを足場にして塀を上ってきている」と俺、
「これでは、こちらが負けるパターンだな」
上空から魔道士達が魔法を放っているが、MPにも限りがある。MP回復ポーションの数も限られているだろう。
「ヤバいな、なんでこんな何も無い街に魔獣が攻めてくるんだ」とベン、
そうだ、これには何かある。魔獣にも攻める理由がある。
奴隷商人の店だ、あそこに何かあるはずだ。
わかったぞ。
「ベン、もう少し持ちこたえてくれ、俺は魔獣達がベジムの町を攻める原因を調べてくる」
「ミチル、時間が無い急いでくれ」とベン、
「”テレフィールド”」と奴隷商人の店の前にテレポートしてきた。”ドンドン”とドアを叩く。
ドアが開いた。
「ミチル殿、どうされましたか?」と奴隷商人、後ろには武装した弟が立っている。
弟は元冒険者で護衛役だったな。
俺に向かって礼をした。
「奴隷商人殿、こちらに最近、赤い髪の毛で肌の白い子供が来なかったか、奴隷かもしれん」と俺、
「おります。今、呼んできます」と奴隷商人、奥の方から12歳くらいの少年をつれてきた。
「未だ鑑定すらしておらず、奴隷ではございません」
「やっぱりいたのか”目利き”!!」とスキルで鑑定する。
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名前 なし 10万12歳 魔族 性別 男
職業:無職 レベル:-
HP:90/100
MP:1/1
転職可能な職業:”魔王(無効)”
スキル:”従魔獣(無効)”
”魔族魔法(無効)”
装備
胴体:汚れた服
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魔獣はこの魔族を迎いにきているんだ。
「奴隷商人殿、この少年をどこから入手したのだ」と俺、
「別の奴隷商人が昨日こちらにつれてきました。近くの草原で裸で歩いているところを見つけたそうです」
「詳しい説明はできんが、魔獣がこの町を攻めている原因かもしれん。別の場所に移すから少年を俺に譲ってくれ。金貨何枚になる?」と俺、
「たいした額ではありません、そんな物騒な少年はすぐにつれて行ってください」と奴隷商人、
「協力に感謝する」
「少年、おれがパーティ申請するから、承認してくれ」と俺、
「わかった」と承認したようだ。
少年を2人で庭に出る、”テレフィールド”で俺の家まで戻ってきた。
「ジーナ、この男の子を預かってくれ」とジーナに少年を預ける。後ろでモモコがこちらを見て何か気づいた、驚いている様子だ。そうだ、2人は男女の違いは有るがの双子のようにそっくりなのだ。
「このままにしては、危険だな。ジーナ直ぐに戻る!」
”テレフィールド”とベジムの出口側にテレポートした。
くそ、頭がいたい。MP切れかもしれん。
アイテムボックスからMP回復ポーションを2本取り出すと歩きながら飲み込んだ。
「マーベリック、状況はどうだ」と俺、
「ミチル、魔獣が森に帰って行きます。追撃しますか?」とマーベリック、
「そんなことしなくて良い、追っ払う程度で十分だ」と俺、
「ミチル、魔獣は急に撤退していきました。なにかしたんでしょ」
「あとで説明する。ここの後始末をたのむ。あとで俺の家に来てくれ、とりあえずメリーを借りてゆくぞ」
「メリーおれと一緒に来てくれ、やってもらいたいことがある」
「分かりました」とメリー、
”テレフィールド”また俺の家まで戻ってきた。
「フーッ」
俺に何回テレポートをさせるんだよ、いい加減疲れてきた。
魔族の少年と少女は、座っておやつを食べていたようだ。ジーナと眼が合う。
「メリー、あの1人に”ミラクル”のスキルとたのむ」と俺、
もうこれしか残ってない。どうせこれがこのゲームみたいな世界の答えなんだろ。
「分かりました、ではモモコに使います。”ミラクル”」とメリー、どうやらスキルを使ったようだ。見た目はあまり変わりが無いが、肌の色が変化したようだ。
「やっぱりそうなのか”目利き”」モモコのステータスを確認する。
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名前 モモコ 12歳 ★ヒューム 性別 女
職業:無職 レベル:-
HP:100/100
MP:1/1
転職可能な職業:-
スキル:-
装備
胴体:服
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なるほどな。これがピースメーカーのスキル”奇跡”の効果か。
「メリー、うまくいった少年の方にも、ミラクルをたのむ」と俺、
「”ミラクル”」とメリー、俺を見てうなずいた。”目利き”で少年のステータスを確認する。
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名前 なし 12歳 ★ヒューム 性別 男
職業:無職 レベル:-
HP:100/100
MP:1/1
転職可能な職業:-
スキル:-
装備
胴体:汚れた服
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「だよな」魔族からヒュームに変化し、ジョブとスキルが無くなった。
「ジーナはこの2人を見ていてくれ、俺とメリーはべジムで後始末をしてくる」
2人で庭に出る、”テレフィールド”と詠唱し、出口側の門にテレポートした。
マーベリックだけに、何が起き、俺がなにをどうしたのか説明した。
「本当ですか、それは良かったです。ハハハ、さすが俺達のリーダ、ミチルですね」とマーベリック、
「マーベリックこの件は後日、改めて説明する。それまで内密にな」と俺、
「了解です」
次に、入り口の門にテレポートした。
門が開いており、ベン達が魔獣の後始末をしている。
「ミチル、魔獣達が急に逃げ出して、この状態だ。なにかしただろ」とベン、
「まあな、ベンには後で説明する。魔獣の後始末はここの住民にまかせようか」と俺、
「そうですね。キリがありません」とヤシロ、
「いい加減もう疲れたよ」とアレックス、
”ヒュン”とユリとレンが降りてきた。
「魔獣の後を追ってみましたが、山とか森に帰っていきました」とユリ、
「ミチル、お尻が痛いニャンよ、疲れたニャンな」
”スーパークリーニング”と返り血だらけの仲間を綺麗にいた。
”アイテムボックスオープン”とボックスからMP回復ポーションとハイポーションを取り出し全員に配った。みんな”ゴクゴク”と飲んでいる。
「ユリ、これノリユキにも」とMP回復ポーションを渡す。ノリユキはユキからポーションを受け取るとすぐに飲んだ。仲間全員が疲れているようだ。
「ユリ、俺は男爵を連れて帰るから先にみんなと家に帰って休んでくれ」
「ミチル、ありがとう。では帰ります」
”テレフィールド”ユリが詠唱した。
男爵を探す。いた、衛兵の責任者となにか話をしているようだ。近づくことにする。
「ミチル殿、助かったよ」と男爵、
「魔獣が逃げだしてくれて助かりました、正直もうヘトヘトです」と俺、
「ミチル殿は先に帰って休んでくれ、私たちはクーランラに送ってもらうことにする」
「そうですか、分かりました。ではお先に」と俺が言うと、
「ミチル殿、待たれよ。お願いがあるのだ、実はこの町にもおるのだよ」と男爵、
男爵の目線の先を見るとストリートチルドレンが4人ほど集まっている。
「衛兵団長にも相談したが、ミチル殿の施設に入れてあげてくれないかな」と男爵、
「問題ありませんが、本人達はなんて言ってました?」
「それなら大丈夫だ、顔見知りの団長がさっき説明したら全員その施設に行きたいとのことだ」
「それは助かります。子供達を無理矢理に孤児院に入れるようなことはしておりません」と俺、
「ではあの少年少女達をつれて、私は先に家に戻ります。では失礼します」
ストリートチルドレンの4人をユパン孤児院に送り届け、元奴隷の職員に世話を任せた。
その後で、家に戻ってきた。
俺は今日、働き過ぎだろ。
ブラックな仕事をしているつもりは無いのだが。




