カンダロでの盗賊狩り
第70部分 カンダロでの盗賊狩り
今日は、山の町ダンダロ付近で盗賊狩りだ。この近くには2カ所も盗賊のアジトがある。面倒だから連続で狩ることにした。
少し離れているので1つずつ各個撃破していくことになるだろう。
「私、ガンダロ出身ですので、今日は気合いが入ります」とスザンナ、
「初めて聞いたぞ、ガンダロは山間の町だがドワーフが多いのか」
「そうです。付近に鉱山があり、ドワーフが多い街です」
「実家に寄るか?」
「フーッ、やめておきます。でも少し家の様子だけは見たいかなあ」とスザンナ、
微妙な表情だ。
「スザンナは以前、同意の上で奴隷商人に売られたようなこと言っていたが」
「そうです、でも複雑な気持ちです」
「奴隷じゃなくなって、元気に暮らしています。と一言いってくるだけで、すっきりするかもしれないぞ」と俺、
「はい、少し考えます」
”トントン”「ミチル殿」”トントン”「ミチル殿」と玄関に誰か来たようだ。あの声は不動産屋のビルだな。
「ミチル殿、取引がまとまりそうです」とビル、
「そうか、あの親父も売る気になったか」と俺、
「はい、売り上げも伸びず、ダンジョンも討伐されたことで店を手放すことにしたようです」
「ほう、そうかそれは良かったな。それで価格はいくらになる」
「手数料込みで、金貨4000枚です」とビル、
「店の中は空になるのか?それとも居抜きで買えるのか?」
出来れば、一式居抜きで買いたいな。お店の設備なんかを揃えるのも面倒だ。
「店主は廃業するので、商品も全部含めて居抜きで買えます」
「そうか、では買おう」
「スザンナ、こっちに来てくれ」
「ミチル、何です?」
「武器屋が居抜きで買えることになった、これから契約するから一緒に来い」と俺、
「あの件ですか、本気なんですか?、わたし冗談だと思ってました」とスザンナ
スザンナには少し前に店舗を持たないかと話をしていた。
俺はたしか、そのとき酒を飲んでたかもな。
「本気だ、不動産屋のビルに相談していたんだぞ」
「ビル殿、パーティ招待するから承認してくれ、直ぐに契約しよう」
「ちょっと待ってください、夕方までに手配します。先方との調整がありますので」とビル、
「ああ、そうか。未だそこに住んでいるんだな」と俺、
「そうです、引き渡しと同時に契約する方がよろしいでしょう。ミチル殿でしたら口約束で大丈夫です。今まで何件もご契約いただいておりますので」とビル、
たしかに相当買っている気がする。マーベリックの屋敷やミミンの新工場など基本おれが購入時には立ち会っている。
「そうか、わかった今日の夕方伺うことにする」
「では、失礼します」とビル、事務所に帰っていった。
「スザンナ、その店で家族と住むことも可能だぞ、考えといてくれ」
「はい、分かりました。やっぱり、わたし実家に顔を出すことにします」とスザンナ、
「そうだな、そうしとけ」
”ガチャガチャガチャ”と二階から装備した仲間が降りてきた。ユリも刀を装備している。
オリハルコンゴーレムのノリユキもいる。
「ノリユキ、お前の出番だな」
「盗賊狩りと言えばわたくし。わたくしと言えば盗賊狩りでございます。私ヤルです」とノリユキ、なんかやる気を見せている。
「マーベリック達も来たニャンな、あっミミンも来るニャンか」とレン、足音とか匂いで分かったようだ。
庭の方から”ガチャガチャガチャ”と音が聞こえてきた。
「おーいみんな、出発するぞ」と声をかける。
こっちの家からは、メリーとジーナも出る。総勢で15人だ。
庭にでる、
「クーランラ、久しぶり。今日はよろしくね」とメリー、
「メリーじゃない、どうしたの元気?」とクーランラ、ギャーギャ-と話を始めた。
ほう、この2人は仲が良いみたいだな。
そうか、男爵と皇帝つながりで幼なじみのようだ。男爵もそんなことを言っていた気がする。喧嘩していたと聞いたが、仲が良い方の意味のようだ。
「では先にテレポートできる者だけで、テレポート地点の確認をしてこよう」
「ユリ、頼む」と俺、
ユリからパーティー招待が来たので承認する。俺たちの仲間でテレポートが使えるのは、勇者マーベリック、魔道士クーランラ、大魔道士ユリ、勇者の俺だ。
4人で本人含めて1パーティの6人をテレポートできるので移動もかなり便利になったが、一度行ったことのある場所でないとテレポートできない制約がある。
ユリとレンで盗賊のアジトは偵察済みなので、アジトの近くに4人で先にテレポートしてもらう必要があるのだ。
「ユリ、残りのアジト4カ所全部よろしくな」
「了解です」とユリ、俺たちは4カ所にテレポートして、家に戻ってきた。
俺は地図を出して、マーベリックに説明する。今日は、こことここだ。2カ所やるぞ。
お宝があれば、マーベリックのところと山分けだ。いつもの作戦でやろう。
「了解です」とマーベリック、
「マーベリック、新入りを紹介しよう聖騎士のメリーだ、よろしくな」と俺、メリーを紹介する。
「聖騎士のメリーです。勇者マーベリック殿、よろしくお願いします」とメリーが挨拶した。メーベリックはイケメンなので、メリーが少し照れたようだ。
「メリー、マーベリックには婚約者がいる。あそこにいるバルキリーのルミナだ」と俺、一応注意しておく。
「婚約者ですか」とメリー、少し残念な表情をした。
小さい声で2人だけにはつたえておくことにした。
「メリー、マーベリックおまえら遠い親戚同士だからな」と俺、
「あっ、ハイわかりました」とマーベリック、察したようだ。
「はい、そうなんですね」とメリー、
「勇者は血統ジョブだから」と俺、
俺はインチキして勇者になっているからとは言えないな。
「そうでしたか、なるほど」とメリー、
「ミチル、メリー、何をそこではなしているのですか」とクーランラ、
「作戦会議だ、準備できたようだし行こうか」と俺、
分担してパーティを組むと、1つめのアジトにテレポートした。
「ユリ、レン、ミミンで1つチームを組んでくれ、残りは俺のパーティで、ノリユキがアジトに潜入しておびき出すからそこを攻撃する。いつものやり方でやろう。マーベリックのパーティは丘の上から攻撃してタイミングを見て近接に切り替えてくれ、よろしく頼む」
位置につくと、オリハルコンゴーレムのノリユキがアジトの真っ正面から歩いて近づいてゆく。見張り台にいる盗賊がノリユキに気づいた。
”シュッ”と言う音がすると、盗賊の頭に光の矢が刺さり、”ドサッ”と見張り台の中で倒れた。
ノリユキは扉の前に来ると”ピョン”とジャンプし、片手を扉の上に引っかけ体を持ち上げるとそのまま扉の内側に入った。そして、内側からかんぬきを外して、扉を開けた。
”敵襲!””敵襲だあ!””ガキン””ゴキンッ”と言う音が何回かするとノリユキが小走りで入り口から逃げてきた。
その後を盗賊が20人ほど追っかけている。
「来たぞ、攻撃してくれ!!」とベンの指示で、弓や槍、魔法攻撃が始まった。
”槍投擲”とスキルを使い、俺も槍をぶん投げて盗賊に攻撃する。
”ボンッ””グサッ””サク”のような音と共にバタバタと盗賊が倒れてゆく。
「近接いくぞ!」とベンの指示だ。
俺も槍を持って走る。入り口の扉から新手が出てきた。
”槍投擲”と再び槍を投げると盗賊3人が串刺しになって倒れた。3枚抜きって言うのだろうか。
基本的に盗賊は弱い、冒険者で喰っていけない者や脱獄した奴隷などが盗賊になるからだ。
いずれにしても、罪のない人を殺して金や物を奪っている奴らだから手加減はしない。
ベン、スザンナ、アレックス、新人のメリー、マーベリックにザビス、が前進し、盗賊を蹴散らす。矢で攻撃しようと盗賊が弓を構えると丘の上からレンが矢で仕留めてくれる。
普通なら降伏するように言うかもしれんが、盗賊の場合捕まったらほとんど断首になるらしく、降伏には応じることはないらしい。
ある意味めんどくさくなくて良い。
あらかた倒すと、盗賊が隠れだした。レンが索敵してくれる。
「あそこに一人ニャン、あちらに一人ニャン」レンの索敵からは逃げられない。
盗賊のボスは殺さないで捕まえることにしている。
「ミチル、ボス捕まえたぞ」とマーベリックの声だ。
「アレックス、息子の所に行ってボスから財宝の場所を吐かせろ、アイテムボックスも確認してくれ」と俺、
「了解」とアレックス、”サッ”と見えなくなった。
「レン、索敵しても、もういないか」と俺、
「あそこに奴隷がいるニャンなあ」とレン、
”目利き”と俺のスキルでも確認しておく、レンの索敵よりは弱いが、近くに敵がいるとわかる。たしかに奴隷が2人か。あの小屋だな。
「レン、小屋の鍵を壊して開けてくれ」と俺、
「面倒ニャンね、”魔法矢””ゴキン”」とレン、弓で破壊した。
小屋のドアを開けると、母親とその子供らしい奴隷の親子が両手を上げて立っていた。
「安心してくれ、助けにきた冒険者のミチルだ」と俺、
「助けてくれてありがとうございます、盗賊に捕まってしまって」と母親、
「おじさん、ありがとう」と男の子、
おじさんは止めてくれ。
「お兄さんだろ」
「お兄さん、ありがとう」と男の子
”スーパーマルチリペア””スーパークリーニング””目利き”と無詠唱で治療などを行い、ステータスを確認した。母親の方が転職可能なジョブ”看護師”と表示されている。
「看護師か?」と俺、
「分かるんですか?」と母親、
「まあな、感がするどいんだ」
「そうですか」と母親、なんか俺を疑っているようだ。
「ここから出て外で待っていてくれ、わるいようにはしない」
俺はマーベリックのところまで移動した。
「どうだ、財宝は有ったか」と俺、
盗賊のボスを見ると、アレックスのスキルで”てなずけ”状態になっている。
小屋の壁を指さし、自分のアイテムボックスから金貨の入った袋を出した。
この壁かあ、何もないがな。ああこれか、微妙に隙間がある。槍を突き刺してねじると壁の一部が剥がれた。ドサッと革の袋が一つ出てきた。中身を見る。
「宝石と、スキルカードか、これは良いな大収穫だ」
「ミチル、これで全部とのことです」とマーベリック、
「そうか、ではこれでおしまいにいしょう」俺は槍を振り上げると盗賊のボスの心臓に突き立てた。”ドサッ”と盗賊が倒れた。
「マーベリック、誰もやりたくないだろうから俺がやった、今度はマーベリックがやってくれ、その金貨はマーベリック達の取り分にしよう、次いくぞ」と俺、
今日は、もう一つ盗賊のアジトを潰す予定だ。
「ユリ、さきほどの親子をユパン孤児院まで送りとどけて、帰ってきてくれ」
「分かりました」とユリ、
「いったん安全なところまで送り届けるからそこで待っていてくれ、奴隷解放と衣食住の面倒は見よう、一緒に働いてくれると助かるな、では後で」と俺、親子に簡単に説明する。
”テレ・フィールド”とユリが詠唱し、テレポートするとしばらくして戻ってきた。
「次に行こう」と俺、
マーベリック達と一緒に移動し、次のアジトの近くにテレポートした。
「では、今回はマーベリックの指揮でやろうか」と俺、
「マーベリックまかせた」と俺、
「基本は同じでやりましょう、丘の上から遠距離。おびき出す役はザビスとヤシロ、ルミナで」とマーベリック、
マーベリック指揮で今日2度目の盗賊狩りを問題なくやり終えた。
奴隷を何人か助けだし、装備や財宝も回収できた。
「マーベリック、相談だ。今日中にあと2カ所やろうぜ、この体制なら可能だ」
「そうですね、また体制つくって準備するのも面倒ですね。今日で後2箇所終わらせましょう」とマーべリック、同じ考えのようだ。
残り2つのアジトも同様に壊滅させることにした。
助け出した奴隷をその都度、ユパン孤児院に送り届け、盗賊達を蹴散らし、ボスを捕まえ財宝や装備を回収した。
「やりきったな」
「やりましたです、ハハハ」とヤシロ、
「私、ヤリました」とノリユキ、
「奴隷が増えましたね、どうします」とマーベリック、
「本人達の意見を聞いて、どこか帰りたいやつがいれば送りとどけ、俺たちところで働きたいやつは働いてもらおうぜ。とりあえず奴隷の解放と、衣食住の面倒は見よう。必要であれば、ジョブ神殿と冒険者ギルドもだ」と俺、
「わかりました、僕の方でやっておきます」とマーベリック、
「そうか助かる。協力してくれてありがとう」と俺、
「いえ、こちらこそ」とマーベリック、
奴隷をユパン孤児院に送り届けた、ユリが戻ってきた。
「では引き上げよう、マーベリックまたな」と俺、
「ではお先に、”テレフィールド”」と帰っていった。
「レンとベン、スザンナおれのパーティに入ってくれ、残りはユリだ。ユリ、先に家に戻ってくれないか、夕ご飯の準備もよろしくな」と俺、
「了解です」”テレフィールドとユリ達が消えた。
「スザンナ、行こうか?」と俺、
「はい、分かりました」とスザンナ、
「”テレフィールド”」と俺、スザンナの実家の前までテレポートした。
「スザンナ、おれたちここで待ってるから、行ってこい」
「いってきます」とスザンナ、
「”トントン”スザンナです、帰りました」とスザンナ、家のドアを開けると中に入っていった。
しばらくすると、家族全員が家からでてきた。スザンナの父、母、弟のようだ。
「ミチル殿、娘から聞きました。助けていただきありがとうございます」とスザンナの父、深々とあたまを下げた。母、弟もあたまを下げている。
「スザンナ、明日迎えにくる。今日は実家でゆっくりするといい。それで良いか?」と俺、
「ミチル、良いんですか、ありがとうございます」
「スザンナ、お前しだいだけど、俺が話した件も話をしておくと良いかもな、それと”アイテムボックスオープン”」とボックスからウィスキーとワイン、レッサードラゴンのもも肉を取り出した。
「手土産を準備ができなかったから、こんな物でよかったら家族で飲んで、食べてくれ」と俺、
「では失礼する”テレフィールド”」
家に戻って来た。
「スザンナ、うれしそうだったニャンなあ」とレン、
「仲の良い家族のように見えた、家族がいるなら一緒が一番だろ」と俺、
「スザンナ次第だが、スザンナはこの家を出て自分の店を持つかもしれない。その時は2人とも応援してくれよ、頼む」と俺、
「もちろんニャンなあ」とレン、
「スザンナが店かあ、楽しみだなあ」とベン、
「俺たちは、べジムの宿屋で4人で寝起きした仲だ、これからもよろしく頼む」
「俺は、これから不動産屋のベンのところに行ってくる。直ぐに戻る」
庭に出ると”テレフィールド”と詠唱して、ビルの事務所の前までテレポートした。
「ミチル殿、お待ちしておりました」とビル、
「待たせて悪い、盗賊と戦ってきた。ハハハ」と俺、
「そうですか、盗賊は社会の敵です。ご苦労様です」
「早速だが、どうなった」
「二日後に、引き渡しとなりました。契約は今できますがどうされますか?」
「スザンナと俺の共同名義にする予定だ、金は今払い俺だけ署名し、明日から手続を初めてもらい、スザンナの契約書記入は引き渡しの時でよいかな」と俺、
「そうしていただけると助かります」
「ではこれで」金貨が4000枚近く入っている袋を渡した。
「正確に4000枚数えてない、ここで調整させてくれ」と俺、
「分かりました」ビルは天秤のような機械で、金貨を量る。
「ではコレがおつりです」金貨数百枚程度を返却してきた。
「こちらにサインをしてください」とビル、署名する。
「これで契約完了です。最終的にこの2つの契約書にスザンナ様の署名をいただければ共同名義となります」とビル、
「引き渡し前に清掃、修繕、鍵の交換などをお願いしたい。いくら必要かな」
「えーそうですね。金貨50枚もあれば足りるでしょう。家具はどうされますか」とビル、
「そうだな、ベッド4つくらい手配できるか」
「であれば、金貨80枚でいかがでしょうか」
「ではコレで頼む」金貨80枚をビルに渡した。
「それでは、三日後の昼にお引き渡しします。この度はありがとうございました」とビル、
「ビル殿、いつも誠実な対応感謝している。今後も俺の仲間がお世話になると思う、その時はよろしく頼むな」と俺、ビルに頭を下げた。
「いえいえ、とんでもない。準男爵から頭を下げられてはこちらが困ります」とビル、
「では、失礼する」と俺、
事務所を出る”テレフィールド”と詠唱し、ユパン孤児院の前にテレポートした。
外から孤児院の食堂をのぞいてみる。
盗賊から助けた奴隷達が綺麗な服を着て、夕ご飯を食べながら笑っているのが見えた。
問題なさそうだな、マーベリックがしっかりやってくれたようだ。
”テレフィールド”と詠唱し家に帰ってきた。
ドアを開ける、
「ミチル、ご飯の準備ができてます。たべましょう」とジーナ、
「そうだな、食べよう」キッチンに行き、みんなと一緒に食べる。
「今日は働いたなあ、飯が美味い、ハハハ」と俺、
「お昼ご飯抜きニャンなあ」とレン、
「まあ、盗賊も一掃できたことだし、少しは平和になるだろう」とベン、
「奴隷もたくさん助けることができた、さっき孤児院をのぞいたら、みんな笑いながらご飯を食べていた。俺たちは良いことをしたな」と俺、
「ミチルと仲間はいつもあのような事をしているのでしょうか?」とメリー、
「いつもはしていないな、時々かな」と俺、
「いや、いや、いつもです」とアレックス、
「そうかな」
「そうです」とジーナ、
「そうだ、食後にお菓子を作ろうと思っていたんだ」と俺、”アイテムボックスオープン”ポップコーンの元を取りだした。
蓋付の鍋を取り出して、オリーブオイルに塩を入れるとポップコーンの元をジャラジャラと入れて、鍋を揺する。
”ポン””ポン””ポン””ポン”とはじける音、
「ミチルの世界で食べた、白いお菓子だな」とアレックス、
「そうだ、アレックス、スーパーで見かけたから買って来た」と俺、
弾ける音がしなくなってできあがったようだ。。
「これだ」鍋の蓋を取る、白く膨らんだポップコーンが現れた。
「なんですかそれ、食べ物なんでしょうか」とメリー、
「おいしいぞ、塩味だ」と俺、
”ポリポリ”「美味しいです」とメリー
「その元と言う物はお豆なのでしょうか?それを育てることはできるのでしょうか」とジーナ、余ったポップコーンの元を指さした。
「うーん、無理じゃないかな。チョットまってね」携帯端末を取り出すと、ポップコーンの種を調べてみた。乾燥しているだけ、爆裂種のコーン、ふむふむなるほど。
「そのまま、水で発芽すれば、育てられるようだな」
「では私、数粒いただいて庭で育ててみます」とジーナ、
「そだつかなあ」と俺、
「種は蒔いてみないと分かりません、やってみます」とジーナ、
「まあ、あまり期待しないでくれ、加工されている可能性もあるんだ」
「大丈夫です」とジーナ、
「じゃあ、俺、部屋に戻って風呂に入るから。ごちそうさまです」と食器をかたづける。
ポップコーンの元が入った袋を持ち上げて”スーパーマルチリペア””目利き”のスキルを使ってみた。
”トウモロコシ 爆裂種 種”と表示された。
もしかして育つかもしれないな。
翌朝、ご飯を食べた後で、スザンナを迎えに行く。
”テレ・フィールド”スザンナの家の前だ。
”ドンドン”スザンナ、迎えに来たぞ。
「”ガチャリ”ふえー、ミチル、やばいです二日酔いになりました」とスザンナ、頭ボサボサで出てきた。
「入ってください」
「お邪魔します」と俺、スザンナの家に入る。
4人で住むには狭い家だなと思った。日本の住宅を思い出した。
「スザンナ支度しろ、帰るぞ」と俺、
「はい、ゆうべ家族で話し合って、迷宮都市ドルガードに移住することにしました、大丈夫でしょうか」とスザンナ、
「そうか、良かったな。大丈夫だ、物件の引き渡しは二日後の昼だ、準備しておけ」
「ありがとうございます」とスザンナ、
「スザンナ、相談だ。しばらくは店の開店で忙しいだろう、当分は戦闘を休んでくれ」
「はあ、分かりました」
「では、そういうことでな」
スザンナは鍛冶師職だから、戦闘には本来向いていない、ここで武器屋だけに絞ってもらって問題ないだろうな。
「スザンナ、よかったら武器屋一本にしぼってもらっても良い、俺はどちらでも良いから考えておいてくれ、スザンナは生産職なんだしな」と俺、
「ミチル、ありがとうございます、くっ」とスザンナ、涙ぐんだようだ。
「スザンナの家族のみなさん、体でどこか悪いところがあれば治しますよ」と俺、
「体が、痛いところがあるですが」とスザンナ父、
”スーパーマルチリペア”で全身を治療した。
「次どうぞ」と俺、スザンナの家族全員を治療した。
「準備できました」とスザンナ、
「二日後、迎えに来るから準備しておいてね」とスザンナ、家族に声をかけた。
スザンナの家から出ると”テレフィールド”と詠唱した。




