聖騎士メリー
第69部分 聖騎士メリー
「それでは、リリース版をプレイしてみてください」とエンジニアの巣鴨さん、
「インターフェースも軽くてよいですね」インターフェースのUSBポートにコントローラを接続する。インターフェースには俺のスマホも接続されている。
「これだけでゲームができるようになったんですね」と俺、
「一般ユーザはこの接続方式ですね。多少ラグはありますが、問題無いレベルです。こだわるガチ勢はPCから接続もできます」と巣鴨さん、
「端末はログインする為の物で、処理は全てサーバ側という作りですね。チートや不正対策もしやすくて良いですね」と俺、では始めるか。
「ログインします」と俺、町の中央から始まり、町の武器屋で装備を調え、冒険者ギルドのクエストをこなした。やはりゲーム版の世界だと、平民レベル1からのスタートかあ、こりゃ大変だ。
町の酒場ではカードバトルを行う。
バトルしている所を何試合か見てルールを覚えた、簡単なルールだな。
「俺とやろう、掛け金は銀貨3枚だな」と俺、
「このカードで、こうだ。どうだ」と俺、
「じゃ俺は、このカードでこれ」と対戦相手、
「ひかかったな。じつはこういうことなんだ」
「じつは気づいてました、これ」と対戦相手、
「それもお見通しだ。どうだ」
「うあ、そうか。その手があったか、負けたよハハッハ」と対戦相手のおじさん、
「はいよ、掛け金の銀貨3枚だ」銀貨を受け取った。
「これはチップだ」銀貨1枚を返した。
「おっ、ありがとよ」
夕飯を食い酒を飲んで、宿屋で寝た。
これは、リアルで面白い、クエスト以外のおもしろ要素もあり楽しめる。NPCからまるで生きているような自我を感じた。
「ログアウトします」と俺、スタータスを出してログアウトボタンを押した。
「ひったくりをしたNPCが衛兵につかまっていたが、犯罪したNPCやプレイヤーはどうなるんだ」と俺、
「地下牢ですね。そこから裁判後、奴隷や強制労働、断首になったりと色々です。不正な行為や迷惑行為をするユーザはBANするのではなく、ペナルティを課そうと思っています」と巣鴨さん、
「基本プレイ無料で、アイテム課金なんですか」
「違います、インターフェースのシリアルがあれば2ヶ月無料ですが、再登録は有料です。それとアイテム課金ですね。ユーザー間で取引するアイテムと金貨には関税をかける仕組みを作りました。その仕組みを介さないと取引ができません」と巣鴨さん、
なるほど、無料にするとプレイヤー民度が下がるからな。
「ほう、これがゲームバンドル版のインターフェースのパッケージですか」パッケージ裏に小さく俺の名前と巣鴨さんの名前が入っていた。
「ゲームデザイナー”タサキ ミチル”、テクニカルチーフエンジニア”スガモ ワタル”かあ、フフフすごいなあ」と俺、
「先日、テストゲーマー、プロゲーマー、ゲーム雑誌関係者、ゲーム配信者などにテストプレイをしてもらいました。プレイしたユーザ全てから高評価です。これは相当売れますよ」
「だろうな、こんなゲームいままでプレイしたことないよ」
「ですよね。私もそう思います」
「そうだ、シミュレーションはどうなっている」と俺、
「それが、すごいことになりました。シミュレーションで時間経過速度を落としたところ、AIがシステムリソースをシステムの最適化とNPCの自我ロジック改善に割り振り、更に稼働効率が上がり、リアルな世界に進化しました。NPC同士で協力したり、戦い、独自にストーリーが生まれています。それらの奇想天外なシナリオをゲーム版に自動コンバートできるので、運営側ではシナリオを作ったりゲームに手を加えたりする必要がないくらいです」と巣鴨さん、
「ほう、ゲームシステムをAIが進化させたと言うのか、AI自身も進化したのか」
「AI自体も進化しているようです。AIは機械学習がベースですのでDBでデータが増えればより高度な判断が可能になります。ロジックが複雑になってもCPUが桁違いに高速ですのでパフォーマンスが問題になることはありません」
「おっ、AIが進化しすぎて人間に攻撃してくるみたいな時代も近いぞ、フフフ」と俺、
「ハハハ、ぼくらみたいなプログラマーやエンジニアの仕事が奪われるでしょうね、ある意味で人間を攻撃しているような物です。ヤバいな俺たちの仕事も」と巣鴨さん、
「シミュレーションでお願いがある。しばらく現状のまま継続してほしい、そしてあるタイミングがきたら俺が指示するので時間経過のスピードを速く進めて欲しい。その時、5000年とか2億年とか可能かな」と俺、
「3億年ぐらいなら可能ですね。5日もシミュレーションを回せばできると思います」
「そうか、安心した。シミュレーションとは言えNPCが生きているような気がしたんだ、いきなり電源をOFFにするような残酷なことはしたくない」と俺、
「なるほど、そう言われてみればその通りですね」
「ではシミュレーションを止める場合、ゲーム内の人類が絶滅するまで、そうだな3億年ほど時間を進めてからシミュレーションを止めるように俺と約束してくれないか」
「わかりました約束します。タサキさんは変わってますね、面白いですハハハ」と巣鴨さん、
「その通りだ、俺はゲームについてはガチ勢なんだ。よろしく頼むな」
異世界側に戻ってきた。
「ユリ、おれユパン孤児院まで行ってくる」
「うん、いってらっしゃい」
「”テレフィールド”」勇者になってテレフィールドが使えるようになったから便利だ。何時でも無詠唱でテレポートできる。
孤児院の名前だが”ユパン孤児院”とした。院長はミミンにお願いし、サポートはパンクとジーナにやらせている。
俺と、マーベリックは冒険者を希望する子供達にジョブ神殿でジョブを付けさせ、冒険者ギルドで登録させて装備を提供し、ある程度までレベルアップさせる役目だ。
基本的にハングリーで根性のあるやつも多いから、教え甲斐もある。強くなりそうな子供も何人か見つけた。
これはもう少しで、軌道に乗る見込みだ。
とりあえず孤児だけで1パーティをつくることができれば、育成もそいつらに任せることで、俺たちも手がかからなくなる。
孤児院にいる他の子供達はミミン石鹸店の工場で働いている。人手不足を解消する為だ。
ほとんどもうけの無いプロジェクトだけど、無償で働かせるつもりはないので、子供達にはお小遣いを渡している。
ストリートチルドレンでも年齢が上になるとかなり疑い深くなっており、簡単に院には入ってくれなかった。ストリートチルドレンを説得してくれたのは、元ストリートチルドレンで顔が効くパンクだった。
パンクが説得すると簡単だった。
後から聞いた話だが、この町のストリートチルドレンでパンクを知らないやつはいなかったらしい、あいつは冒険者ギルドのまわりで小遣い稼ぎをしていたころから、稼いだ金で小さな子供達に食べ物を分けていたとのことだ。
俺たちの仲間に成る前に既に人徳があったのだ。始めは5人くらいしか院に入らなかったが、子供達を院に閉じ込めるわけでもなく出入り自由にしていたので噂が広まり、徐々に増え始めていまでは15人くらいが院で暮らしている。
孤児院設立のプロジェクトは男爵にも話しを通してから始めたが、町の人たちからの評判がとても良かった。
治安が良くなったし、汚い子供がうろちょろしなくなったことも有るだろう。
ダンジョンを討伐した後の町の様子は、ダンジョンに入っていた冒険者が、水源の森に移動しただけの影響で、特に失業が増えたと言う声は聞かなかった。これは俺も少し安心している。
「ミミン、どうだ調子は」と俺、
「けっこう忙しいニャンな、薬ギルドの人にも手伝ってもらっているニャンよ」とミミン、
「薬ギルドへの石鹸の卸売りは順調か?」と俺、ミミン石鹸店の石鹸は直販でしか販売していなかったが、薬草エキス入りを前提とした、薬ギルドでの販売をしていたので、薬ギルドからの頼みを断れなかったらしい、その条件としてギルドからの人を借りることができている。
「順調すぎて、工場がパンクしそうニャンな」とミミン、
「結局レシピは秘密にしているからな、限界がある。どうしようかな、このまま品質も体制も維持で良いとは思うが」
「それが、また薬ギルドから生産量増やしてくれって言われているニャンよ」
「まあ、全部いいなりになる必要は無い、出来ない事はできないと断れよ」と俺、
「まあ、そうなんだけどニャンね」とミミン、
「マーベリック達5人の引っ越しは終わったのか?」と俺、
「うん、午前中に終わったニャンな。マーベリックとヤシロのアイテムボックスにいれてユリがテレポートしたんですぐに終わったニャンよ」
手狭になったミミン石鹸店からマーベリックは自分の家を買い、仲間5人とそこに引っ越したのだ。ヤシロも俺の家からその家に引っ越した。
クーランラは男爵の屋敷からの通いだ。
まあ、引っ越した場所も俺の家の近所で大きな変化は無い。
「そうか、マーベリックは今いそがしいのかな」と言いながら、無線を取り出して、コールボタンを押した。
「ミチル、どうかしましたか」とマーベリックの声だ。
「盗賊の件、ユリとレンで偵察した。明日一緒に行けるか、忙しかったらまた次にしよう」と俺、
「行きます!いきますよ」とマーベリック、盗賊の討伐はレベルアップのチャンスだからな。
「では明日、朝飯くってから行こう」と俺、
「了解です”パッツツー”」と無線が切れた。
「明日、盗賊狩りに行くニャンか?」とミミン、
「私も、行きたいニャンなあ」
「ミミンは忙しいくないか?大丈夫ニャンよ、部下に任せるニャンから」とミミン、ミミンは人を使うのが上手だからな。大丈夫なようだ。
「じゃあ、明日、朝ご飯の後でよろしくな」
明日は仲間全員で盗賊狩りだな。俺も準備しておくか。
「じゃあなミミン、”テレフィールド”」と俺、家に戻ってきた。
「ミチル、男爵から使いの人が来て、屋敷に来てくれとのことです」とジーナ、
「急ぎなのかな、明日でもよいかな」と俺、もう夕方で薄暗くなっている。
「急ぎみたいです」とジーナ、
「しょうがないなあ”テレフィールド”」と男爵の家にテレポートした。門の前だ。
「こんばんわ」と門の衛兵に挨拶して中に入る。顔パスでスルーだ。
”ドンドン”「ミチルです」と男爵の書斎のドアをノックする。
「ミチル殿入ってくれ」と男爵、ドアを開けて中に入る。見たことない若い女性騎士がいた。
「ミチル殿、じゃなかったミチル準男爵殿だな、ハハハ」と男爵、
俺とマーベリックはダンジョンを討伐し、皇帝から準男爵の爵位をいただいたのだ。正直”準男爵”とは名ばかりの貴族で特に仕事は無いし報酬も無い。
「今日は、皇帝からあることを依頼されてなあ、どうか協力してほしい」と男爵、横目でチラリと女性騎士を見た。
「こちら、グレン皇帝の4女でメリー・グレンザー嬢だ」男爵、
ということはお姫様だな。たしかに皇帝に似ている。
「これは、お初にお目にかかります。ミチル・タサキ準男爵でございます」と俺、
「私、メリー・グレンザー、聖騎士でレベルは3です。よろしくお願いします」とメリー、
この年齢で聖騎士かあ、なかなかの腕前と見た。
”目利き”おれは勇者になって無詠唱でスキルを使えるようになった。
”メリー・グレンザー 女性 21歳 聖騎士 転職可能な職業”魔法使い””
ほう、血統ジョブの魔法使いにならず、あえて剣士の道を取ったのか。
「メリーだが、無理を承知でお願いする。どうかミチル殿の仲間に入れてもらえないだろうか?」と男爵、俺に頭を下げた。
グレン皇帝も俺を準男爵にしてから依頼してくるとは、タイミングを計っていたか。
「男爵、頭を上げてください」と俺、
「条件はなんですか?」と俺、
「彼女、ドラゴンベインに成りたいらしい」と男爵、
「はあ、ドラゴンベインですか、分かりました。特別扱いはしませんが、よろしいですか」と俺、
「もちろんです。特別扱いどころか、皇帝との関係はどうか内密にお願いできないかと」とメリー、
ほう、なかなかの人物と見た。たしかユパンとヤシロの部屋が開いている。
ヤシロはマーベリックのパーティだから、彼の屋敷に引っ越し済みである。
「通いですか、私の屋敷に住みますか?」と俺、
「こちらの町に住んでいる者ではございません、ミチル殿の屋敷に住まわせていただければありがたいです」とメリー、
「分かりました、では、特別扱いは一切しない。皇帝の娘であることは秘密にする。ドラゴンベインに成るまで。と言う約束で了解しました」と俺、
「おお、そうか助かる。メリーは子供のころからお転婆娘でなにかとクーランラとも仲は良いのだがよく喧嘩しておった。よろしくお頼む」と男爵、
「グレン皇帝の命令であれば断れません、では失礼します。メリー嬢、行きましょうか」
「分かりました」
男爵の屋敷を出る。メリーにパーティ招待を送り、承認させた。
”テレフィールド”で家までテレポートする。
「ミチル殿は魔道士なんですか!」とメリーが驚いている。
「えーと、何というかユニークジョブみたいな物ですね」と俺、勇者なのは隠すことにしている。理由は面倒だからだ。
「ちなみに、メリー嬢は今から仲間になる。俺たちは仲間同士は年齢、先輩後輩に関係なく呼び捨てのルールだ、俺もメリーと呼ぶから、メリーは俺をミチルと呼んでくれ」
「分かりました」
「では仲間に紹介しよう」
家のドアを開ける。
リビングに入ると、みんなそこにいた。
「こちら事情があって今日から仲間になる、メリーだ、みんなよろしくな」と俺、
「この猫耳族がシノビのレン、エルフでドラゴンベインのベン、ドワーフでマイスターのスザンナ、大魔道士のユリ、拳聖のアレックス、サキュバ種でメイド長のジーナだ。仲間同士は全員呼び捨てのルールだから、よろしくな」と俺、
「よろしくお願いします」メリーが深く頭を下げた。
「メリー、よろしくね」と仲間たち。
「部屋に案内しよう」と俺、ヤシロの部屋に案内する。なんか少し汚れているな。
”スーパークリーニング”とスキルで部屋全体を綺麗にした。
「ここがメリーの部屋だ、自由に使ってくれ」
「個室を貸していただけるんですか」とメリー、少し驚いている。
「ああ、問題ない」
それから、トイレと風呂場を案内した。
「キッチンでジーナが夕飯の準備をしている、手伝ってあげてくれ」と俺、
特別扱いはしないつもりだ。
「分かりました」
俺は自分の部屋に戻ることにした。
皇帝の娘でも4女となると、けっこう自由に暮らしていたのだろうな、お姫様のような感じは薄い気がした。
でも、持ち物がほとんど無いし、装備は鉄の片手剣だけだ。
なんか訳アリなのかもしれない。早めに事情を聞いておいた方が良いだろう。
まあ、装備はどうせスザンナがすぐに全部作ることになるだろうから関係ないんだが。
”トントン”「夕食の準備ができました」とメリーの声だ。
「いま、いくよ」と俺、キッチンに移動する。
「それでは頂きます」と言って食べ始める。
「いつもこんなに豪華な食事なんですか?」とメリー、
「まあ、普通だ。肉とスープとパン、サラダだぞ」と俺、
「昨日まで兵士をしていたもので、驚きました」とメリー、
そういうことか、退役すると装備は返却なのか。
「おいしいです”ムシャムシャ”うんうん”ムシャムシャ”」なんかヤシロのような食べ方するな。よく食べる。
「ごちそうさまです」とみんな食べ終えた。
「今日は報酬を渡そう、一人金貨20枚だ。大切に使えよ。メリーもなにかと物入りのようだ金貨10枚を前借でわたしておこう生活に必要な物をそろえてくれ。次回の報酬時にその分減らすからな」と俺、そう言うが実際に減らしたことは無い気がする。
「レン、ご苦労様」
「ベン、いつもありがとう」と俺が仲間に順番に渡してゆく。一応俺の中では仲間になった順番に渡すことにしている。こだわりだ。
「私、なにもしてないですけど、こんなに頂いてよろしいのでしょうか」とメリー、
「大丈夫だ、問題ない」
「スザンナ、メリーは装備が何もない、作ってやってくれ。彼女はいま聖騎士だが、ドラゴンベインにする予定だ」と俺、
「では、いきなりドラゴンベインを想定した装備でよいですね。メリー、得物はなんですか」とスザンナ、
「両手剣でお願いします」とメリー、
うーんそれはどうだろうな。
「メリー、オリハルコンの刀で不壊属性にしておけ」と俺、体格的にバランスが悪いだろう。
「カタナですか?」とメリー、
「スザンナあとで見せてやってくれ」と俺、当然だ、刀は俺たちの仲間だけでしか使ってないんだった。
「了解しました、装備を作るの久しぶりなんで嬉しいです」とスザンナ、
「じゃあ、今からやるか、明日は盗賊狩りだからな」と俺、
スザンナの工房に移動した。
「スザンナ、彼女の体型からなにが良いかな」と俺、
「そうですね。黒竜革がベースで、胸当てがオリハルコンでしょうか、盾は必要ですか?」
とスザンナ、
「私、盾は使いません」とメリー、
「では、私がとりあえず作るんで、好みが合わなかったら修正しましょう。ミチルがリサイクルするので問題ないです」とスザンナ、
「リサイクル?ですか。はあ」とメリー
スザンナが鍛冶師のマットを広げ素材を並べ、オリハルコン製の鍛冶師のハンマーを取り出した。
”アイテム作成”とスキルで装備を作成する。複数回繰り返して、装備一式が完成した。
「メリー、出来た、装備を身につけてくれ」と俺、
「こんな立派な装備を、身につけたことがありません」とメリー
装備一式身につけると良い感じだ。
「刀も抜いてみろ」と俺、メリーが鞘から刀を抜くいて刀身に見とれている。
「バランスがすばらしいです。重たいのに、手に負担が少ないです」とメリー、
「アハハハ、分かりますう。刀身の先端と根元での太さの調整に苦労したんですよ」とスザンナ、
「大丈夫そうだな、じゃあこれに不壊属性のスキルカードを結合してくれ」
”アイテム鑑定”大丈夫ですね。
「一応確認しておきました」とスザンナ、俺は何となく見て分かったが最高品質なのを確認したようだ。
”スキルカード結合”とスザンナがスキルを使った。最高品質のオリハルコンの刀が形を変えた。
何というか装飾がファンタジーと言うか、中二的な感じになる。
「わあ、すごい。とてもカッコ良くなりました」とメリー、感動しているようだ。
「これほどの物を私に」刀を受け取ると、鞘から抜き刀身に見とれている。よだれを垂らしそうだ。
「男爵は自分の両手剣に名前を付けて寝るときも近くに置くそうだ。切れなくなったらスザンナか俺に言ってくれメンテナンスをするからな、大切にしてくれ」と俺、
「ところで、メリー。なぜ、魔法使いにならならいで剣士を選んだんだ」と俺、
「わたくし、勇者にあこがれておりましたので、魔法使いを選ぶ考えはありませんでした」とメリー、
「なるほど、勇者になる条件には”聖剣を抜く権利(有効)”と言うユニークスキルが必要なんだ、知ってるか?」と俺、
「知りませんでした、そうなんですか。ざんねんなことに私にはありません」
「まあ実質、勇者に一番近いジョブがドラゴンベインだ、頑張ってくれ」
そうだ、風呂の入れ方を教えよう。
「では、スザンナありがとうな」と俺、工房を出て風呂場に向かう。
「スザンナ、ありがとうございました」とメリー、深々と頭を下げた。
「これが風呂場だ。風呂の入れ方が少し変わっている」と俺、
「まず、このショートソード(水属性)で水を入れる”ジョボジョボジョボ”風呂桶がいっぱいになったら、次はこの脇差(火属性)でお湯にする。熱湯になる前に止めるようにな”ジューポコポコ”」湯気がたってきた。
「うわー、すごいです」とメリー
「これが石鹸だ、どれか一つ取って、メリー専用にしてくれ」
「風呂の使い方はこんな感じだな。では、この風呂にでもゆっくり入って今日は寝てくれ。明日も朝早いからな」
「ありがとうございます」とメリー、
「では、俺は自分の部屋に戻る」
自分の部屋に戻ってきた。
明日は盗賊狩りかあ、あと何回か盗賊狩りをすれば攻略マップに記述があった盗賊は壊滅できる。そのあとで本当にいるか分からん魔王を倒したら、しばらく現代側で活動しないとダメだな。
大学も卒業したい。仕事はどうしようか。
まあ、大学を卒業してから考えても良いな。あんまり先のことを考えすぎても良くない。
不安ばかり増えるだけだ。
次の日、朝から庭で”ブンブン”素振りしているヤツがいる。カーテンを開けて見ると、ベンとメリーだ。あいつら剣術バカだな。近所迷惑を考えろ。
「おい、ベン、メリー朝は静かにしろ、近所迷惑になる」と俺、
「ミチル、すまん型だけやるつもりだったんだが」とベン、
隣でメリーが頭を下げている。しょうが無いやつらだな。




