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第1回レッサードラゴン単騎討伐大会 ミチル杯開催

第60部分 第1回レッサードラゴン単騎討伐大会 ミチル杯開催


ユリがレベル30に到達し、ユパンによる瞑想の指導を受けて2週間が経過した。

明日、大魔導師の試練を受ける予定である。

新人のヤシロは槍兵レベル20でロイヤルガードにクラスアップし、勇者マーベリックのパーティには来週から参加する。

ミミン石鹸店にはもう空部屋が無いので、こちらの家からの通うこととなった。これでなんとか、一区切りつきそうだ。


そこで、仲間の実力も上がり、単騎でレッサードラゴンを倒す自信のある者もいることから、レッサードラゴンをどれだけ短時間で倒せるのかコンテストをすることを俺が企画した。

単騎討伐とは1対1でレッサードラゴンを倒すと言う意味である。

この大会のことは先週、マーベリック達にも打診済みである。

ちなみに、こちら側は2週間前から練習を始めている。マーベリック達はガチ勢だから、少しだけハンデキャップがあっても良いだろうと言う、俺なりのルールだ。

この大会は仲間のオリエンテーリングを兼ねた企画でもある。

名付けて”第1回レッサードラゴン単騎討伐大会 ミチル杯”となった。

賞金は金貨100枚と副賞(好きな武器最高品質に在庫スキルカード結合、又は同等の防具)とした。

副賞はもちろんスザンナが作成するが、街の武器屋で買うと金貨300~400枚の価値はする物になる。大変魅力的な賞金と副賞だ。

だが、勇者マーベリック、ドラゴンベインのベンや黒騎士ザビスも参加するわけで、勝つのはなり厳しいと思われた。おそらく、優勝候補はマーベリックかベンではないかと思っている。


ヤシロのステータスを確認しておく、

------------------------------------------------------------------

 ヤシロ・ガーフィールド  ロイヤルガード LV5

種族:ヒューム 女 13歳

*スキル

 <アクティブ>

 シールドアタック(中)、槍突撃(中)、槍投擲(中)

 サンダースピア、急所突き

 ビーストダッシュ、ビーストジャンプ

 回復魔法(小)「ヒール」

<パッシブ>

 回避上昇(中)、防御力上昇(中)、素早さ上昇(中)、剛力(大)

 状態異常耐性(中)、エンハンスアーマー(中)、スキルコンボ(2)

 クリティカル発生(小)、アイテムボックス

頭   黒竜革の頭巾

手   黒竜革のグローブ

胴体  オリハルコンの鎧

足   黒竜革のロングブーツ+靴底(エゾキングオオヤモリの足裏革)

盾   オリハルコンの丸盾

武器1 オリハルコンの槍(摩擦低減)

武器2 ミスリルのショートソード

その他 竜革のリュック、バタフライナイフ、予備:槍数本

----------------------------------------------------------------------

ロイヤルガードはバランスの良いジョブだ。

重たい槍もブンブン振り回せるようになったヤシロ、大会発表後、すぐにエントリーしてきた。

「わたくし、参加させていただきます」とヤシロ、

「ヤシロが優勝できるかなあ」と俺、

「参加することに意味があるのです。ひごろの鍛錬の成果をお見せします」

「まあ、怪我だけはするなよ」


近接攻撃があまり得意では無いのに参加することにした、理由をレンに聞いたところ、

「賞金の金貨100枚もらったらニャア、一生働かずに肉喰ってニャア、昼寝するんニャよ、ニャハハハたのしみニャア」とのこと、

金貨100枚で一生働かないのは無理だ。小学生が100万円もらったらどうする?って聞かれた時に回答するレベルの話をしていた。レンの将来が不安だ。今度ミミンに、レンをよろしくな、と頼んでおくことにしよう。


同様に近接が得意で無いルミナにも話を聞いた。

「マー兄と結婚したら家ほしいじゃないですか、その資金にします」

とマーベリックとの結婚を意識した回答だった。


ミスリルゴーレムで参加するユリにも聞いておく。

「イベントを盛り上げたいです」

とのこと、その気持ち分かる。



大会にエントリーしたのは、以下の8名だ。近接攻撃ができる戦闘職の者が中心となった。

----------------------------------------------------------------------

<大会参加者>

①マーベリック 勇者     LV19(参考記録1分28秒)

②ベン     ドラゴンベイン LV28(参考記録1分30秒)

③黒騎士ザビス ドラゴンベイン LV18(参考記録1分31秒)

④アレックス  チャンピオン LV26(参考記録1分45秒)

⑤ヤシロ    ロイヤルガード LV5 (参考記録1分50秒)

⑥ルミナ    バルキリー   LV19(参考記録1分51秒)

⑦レン     シノビ    LV28(参考記録1分55秒)

⑧ノリユキ   ミスリルゴーレム(中)(参考記録2分10秒)

 *従魔なので主人のユリが戦闘を指示する。


<大会ルール>

・武器の使用はもちろん自由だが、一人で2本のみとする。矢は何本使用しても良い。

・初回の攻撃から計測し、倒すまでの時間制限は5分とする。

・病気や弱っているレッサードラゴンは使用しない。中型、普通色で健康なドラゴンとする。

・ギブアップ可能

・危険な行為は禁止

・妨害行為を禁止、仲間が戦っている時は、離れて静かに観戦すること。

 (故意に音を出して不意打ちの邪魔をする。ヤジ・ディスる。などの行為は禁止)

・審判はミチル、スザンナ、パンク、クーランラとする。抗議は認めない。

 時間はミチルの携帯端末で計測し、審判2人で確認する。

・エンカウントした場所、地形の有利不利は考慮しない。

・スペシャルアドバイザー、拳聖ユパンとする。

・目的はオリエンテーリングなので楽しく競技をすること。

---------------------------------------------------

もちろん参加者は全員練習はしているので、参考記録を計測してある。

その記録を予選記録として使用し、成績が優秀な者から順番に計測することにした。

スペシャルアドバイザーのユパンは当初、「わしも参加してよいじゃろか」と言っていたので試しに計測したところ、10秒を切ったことから参加は辞退してもらった。


大会当日、朝飯を食べ終え、こちらの家からミミン石鹸店の庭に行くと、マーベリックのパーティが準備を済ませて待っていた。

「じゃあ行こうか」と事前に決めた、水源の森の狩り場にテレポートした。

「では始めようか」と俺、


「お集まりの皆さん、今日はミチル杯に参加、ご協力いただき感謝します。私がこんな大会を開催できるようになったのも、お仲間の協力があってのことでございます。今日は、お昼の食事にはバーベキューも準備しております。楽しんでください。では早速大会を始めましょう」と俺、

”パチパチパチパチ”と拍手が聞こえた。


「では1番手、勇者マーベリックからです」とスザンナ、司会進行はまかせてある。

「パンク、索敵をしてください」

「右斜め前方200mに1体います」とパンク、シノビになったパンクの索敵能力は高い。

「では移動しましょう」とスザンナ、

ゾロゾロと歩き出す。

「いました、あれです」とパンクが指を差す。

「見えた、行きます」とマーベリック、

「マーベリック、みんなに見本を見せてやれ」と俺、

「フフフ、頑張ります」と言うと、ドラゴンに向かって走って行った。

俺たちは遠くで観戦する。

携帯端末でストップウオッチアプリを起動、ボタンの上に指を置いた。隣でクーランラも画面を見ている。

俺は、不正をするつもりは無いが、賞金を出している以上、公平にやる義務があると思ったからだ。


「”聖剣”」とマーベリックがスキルを起動した。黄色く輝く剣が右手に現れた。

”聖剣”とは”ドラゴンスレイヤー光の剣”の上位技で、外からは同じに見える。

マーベリックに聞いたところ、切れ味が少し良いのと、手から離した状態で消える時間が1.5倍くらい長くなったとのこと。ほぼ、”光りの剣”と言っても良いようだ。

「”ドラゴンジャンプ”」と言うと高く飛んだ。

何をするんだろうか、頂点に達し落下し始めた。やはり目かと思っていると、

「フン」と言う気合いと共に、聖剣をドラゴンの片目に突き刺した。

「計測開始します」と俺、ストップウオッチの開始ボタンを押した。

「”内部破壊”」と拳聖のスキルを起動すると左手でドラゴンのもう片方の目を殴った。

”ゴチャ”と言う音が聞こえた。

「ユパン様、内部破壊ってどんなスキルなんですか?」と俺、

「内部破壊のスキルを使うと、殴った場所の内側が拳2つ分くらい破壊されるのじゃ、岩でもなんでも内部を破壊できる、果物に使うとジュースが作れて便利なスキルじゃな、フフフ」とユパン、

マーベリックはその後、尻尾、後ろ足の片方を切り離し、スキルのクールタイムが経過したタイミングで、”ドラゴンジャンプ””真空兜割”の2連技で首を切り落とした。

”ドサッ”と倒れるドラゴン、

「計測停止」と俺、記録時間を確認する。1分27秒であった。クーランラも確認し、メモに記録している。

「さすが、基本に忠実で確実な方法で狩ったな見事な腕前だ」と俺、

「ただ今の記録1分27秒、1分27秒です」とスザンナ、


続いて、ベン、黒騎士ザビスの順で戦闘があったが、マーベリックとほぼ同様の攻撃パターンで、記録は、ベンが1分30秒、黒騎士ザビスが1分35秒だった。


次にアレックスの番だ。アレックスは俺が貸したミスリルの槍2本を両手に持っている。

「行きます!!」とアレックス、レッサードラゴンにゆっくりと近づいてゆく。

”アイアンキック”スキルを応用して高くジャンプした。やはり目か、槍を目に連続して2本突き刺し、両目を潰した。

「計測開始」と俺、ストップウオッチで計測を開始させる。

おっ後ろに回り込んで、尻尾をつかんだ。

「おりゃー」と気合いをいれると、トカゲのように尻尾がちぎれた。

「”気功砲弾”」と言いながら、ちぎった尻尾の付け根に気功砲弾を放った。なにしたんだろう、レッサードラゴンが苦しみだした。

「いまアレックス何したんだ?」と声にだすと、

「ドラゴンの尻の穴に気功砲弾を入れたように見えました」とスザンナ、

それは痛いな。

仰向けになって苦しむドラゴンにアレックスが乗ると、

”アイアンパンチ”と言いながら喉の辺りをぶん殴った。

”ギュヒー”とドラゴンが叫ぶ、ドラゴンは瀕死だがまだ生きている。

アレックスは抜け落ちたミスリルの槍を2本拾うと、1本づつ左右の心臓に力任せに槍を突き立てた。ドラゴンの全身から力が抜けた。

「計測停止」と俺、記録時間を確認する。1分37秒であった。クーランラも確認し、メモに記録している。

「やはり、素手は厳しいよな」と俺、

「ただ今の記録1分37秒、1分37秒です」とスザンナ、


えーっと次は、ヤシロか。

「やるであります!!」とヤシロ、気合い入っている。

両手で持っているのはミスリルの槍で、背中にオリハルコンの槍を背負っている。盾は家に置いてきたようだ。防御力は捨て、攻撃力を上げてき装備だな。

ヤシロはスキルコンボが2回連続でしか使えないから、それをどう生かすかがポイントだろう。


「行きます」とヤシロ、レッサードラゴンに対して右側から半円を描くように回り込んで近づくと、やり投げ選手のような投擲の動作に入った。

”槍投擲”と言いながら、ミスリルの槍を右手でビュンと投げると同時に走り出した。

投げた槍がドラゴンの目に突き刺さると片方の目からもう片方の目まで貫通したように見える。

目に槍が刺さったタイミングで、

「計測開始」と俺、ストップウオッチで計測を開始させる。

槍の投擲はなかなかの破壊力だ。弓とは威力が違うな。

”ギャフー”とレッサードラゴンが叫んだ。それにワンテンポ遅れるタイミングで、前足の後ろ、革が白いところに突進したヤシロが”サンダースピア”と叫びながら、オリハルコンの槍を突き刺した。

ヤシロの槍にも”摩擦低減”のスキルカードを結合しているのでかなり深く突き刺さったように見えた。ドラゴンが電気で感電するように全身をビクビクさせると、ほとんど動かなくなった。

気絶したのかもしれない。

あそこには片方の心臓がある、かなりのダメージだろう。

次にヤシロは槍を心臓から引き抜くと、バックステップでピョンピョンと後ろに下がった。

待機している。何してるんだあいつ。

スキルのクーリングタイムか、なるほど。

そして、10秒ほどすると再度突進した。

もう一度、同じ心臓に槍を刺すのか?と思ったが、違った。

ヤシロはオリハルコンの槍を地面に突き刺し、棒高跳びの要領で高く跳ね上がった。

そして頂点に達した時に”ビーストダッシュ”と叫び、落下エネルギーにスキルでの加速力を加えた”ギュンッ”と加速したヤシロ、オリハルコンの槍が両手でしっかり握られている。

神風特攻とも思える捨て身の攻撃に見えた。

”急所突き”とヤシロ、コンボ2回目のスキルを起動した。槍が鋭く繰り出された。

”ガゴン”と言いながらドラゴンの頭、眉間の部分に深く槍が突き刺さる。

「ギギッギギッギ」と言いながら、ドラゴンが頭を振り始めた。

体の小さいヤシロがブンブンと振り落とされそうだ。あのまま叩きつけられると危険だ。

「あ、危ない、早く槍から手を離して回避しろ!!」思わず声に出た俺、

近くに居たマーベリックとベンも鞘から剣を引き抜いた。

左右に振られるヤシロ、ブラブラしながら、必死にもう一方の手で目に投擲した槍をつかんだ。そして、その槍を鉄棒のようにして、足を引っかけた。

足で踏ん張りながら、両手でさらに槍を深くドラゴンの眉間に突き刺す、

”グググー”と押し込まれる槍、ドラゴンの体から生気が失せると、ドラゴンが”ドサッ”と倒れた。

「計測停止」と俺、記録時間を確認する。1分23秒であった。

クーランラも確認している。

「ただ今の記録1分23秒、1分23秒です」とスザンナ、現時点で1位だ。

「なんか長く感じたけど、攻撃はほぼ2ショットぐらいしかなかった。目とほぼ同時に心臓、そして電気でビリビリ。下がって10秒くらいスキルクーリングしてから、とどめのスキル2連続、動きに無駄がなかった」と俺、

「フフフ、ヤシロめ。わしがレッサードラゴン倒した時の攻撃箇所を見ておったな、ドラゴンの眉間は堅いが弱点の一つじゃ」とユパン、

ユパンの技術をあいつなりに応用したのか、ヤシロも考えたな。


6番手、ルミナはドラゴンの両目を槍で潰し、心臓2つを両サイドから攻撃し、1分49秒。

7番手、レンはドラゴンの両目を弓で潰し、”色即是空”のスキル状態で”首刎ね”スキルに賭けたが、有効にならず。1分51秒。

8番手、ミスリルゴーレムのノリユキは槍2本を持って、1づつ心臓に突き刺して倒したが、動作が少し遅いのと、攻撃を受けてしまったので時間が経過し、2分05秒であった。


ヤシロの優勝が確定した。


「優勝は1分23秒のヤシロ、ロイヤルガードのヤシロ・ガーフィールドです」とスザンナ、

「やったー。わたくし、やりましたハハハ」とヤシロ、もちろん喜んでいる。

「ヤシロ、危ない事すんなって言ったろ、このヤロ、ハハハ」と俺、

「ヤシロ、最後の攻撃はドキドキしたぞ」とベン、ベンはヤシロを助けようと、とっさに鞘から剣抜いたもんな。

「ヤシロ、作戦負けしたよ」とマーベリック、

「常識にとらわれない作戦と、スキルを生かした攻撃、俺たちは少し安全にやりすぎたな、お見事でした」と黒騎士ザビス、

「文句なしでヤシロの優勝だ、賞金と副賞は後日渡そう、副賞の装備は何が欲しいか考えておいてくれ、スザンナが気合い入れて作ってくれる」

「分かりました。うむむ何にしようかな」とヤシロ。

「競技が終わったから、昼飯にしよう」と俺、

安全な場所にテレポートしよう。森の入り口に広いスペースがあったはずだ、あそこに移動しよう。


仲間全員でバーベキューをし、酒もたくさん飲んだが、なんかいまいち気持ちよく酔えない。

やっぱり、明日向かう予定の大魔導師の試練が気になっているんだろう。

まあ、もうユリに期待するしかない。

クーランラから酒をもう一杯もらうと、一気に飲み込んだ。


「それでは、ここで優勝したヤシロさんから一言お願いします」とスザンナ、

テクテクテクとヤシロが歩いてくると、切り株の上に立った。


「えー、新人のヤシロでございます。この度優勝させて頂きましたが、これも全て先輩方々のご協力があってのことでございます。

ミチルさんは、いきなり家の前に押しかけてきた、見ず知らずの小汚い家出少女の話をやさしく聞いてくれ、わたくしを奴隷商人に売ろうとしていたバカな父親から私を救ってくださりました。

それに、槍の鍛錬のしすぎで手の皮がむけた時は、やさしくわたくしの手を治療してくださりました。

時々やさしい声もかけてくれます。きっとわたくしに気があるのではないかと思っていましたが、わたくしの勘違いのようです。人の痛みのわかるとても親切なお方でございます。

ベンさんには、槍の持ち方すら知らないド素人のわたくしに、いちから槍の使い方を親切に教えていただきました。

ボロボロの銅の槍と、ゴミ捨て場から拾ってきた”鍋の蓋”しか持っていなかったわたくしに、スザンナさんはとても高価な装備一式を2回も作って下さりました。

レンさんは何も知らないわたくしに生活の色んな知識を教えてくださりました。

ジーナさんは栄養が不足していた、ガリガリのわたくしに、強くなるんだったら、もっと食べないとだめよ。って美味しい食べものを毎日作ってくれます。

ユパン様とアレックスさんは、毎朝わたくしが槍の鍛錬や型稽古をしてると、ご指導していただけ、やさしく励ましまでしてくれます。私が鍛錬を今日まで毎日続けられたのはお二人のおかげでございます。

今までわたくしは、人から笑われたり、殴られ、蹴られ、いじめられたりしても、絶対に泣かないんだ。って思ってました。

でも、優しくされるとついついうれしくて、うれしくて泣いてしまいます。

こんな泣き虫のわたくしでも、いっそう鍛錬を重ね、もっともっと強くなり、皆様のお役に立てられるよう努力いたします。

ですからこれからもお仲間でいさせてください。本当にありがとうございました」

とヤシロ、深々と頭をさげた。切り株から降りたヤシロは、顔を下に向け、

少し泣いていたようにも見えた。


”シーン”となった。

パンクが”ズズズ”と鼻をすする音があたりに響いた。

コレはヤバイ空気になっちまった。

「おいおい、まてまて、今日は笑う日だ。こらヤシロ、おまえ!!みんなシンミリしちゃったじゃねえかよ、こんにゃろ。レン、なんか面白いこと言ってくれ」と俺、

「みんな泣かないでニャ、肉食べるですニャ、喰って、いっぱい酒飲んで、寝るですニャ、嫌なことは忘れてしまうんニャよ。私は今ここで笑って生きてるんニャよ、それだけで幸せニャンね」

とレン、

”パチパチパチ”そこで拍手が鳴り始めた。”パチパチパチ””パチパチパチ””パチパチパチ”

”パチパチパチ””パチパチパチ””パチパチパチ”

これほど心のこもった拍手はいままで聞いたことがないなあ、そう思った。

「ありがとう」は俺の言うセリフだよ。

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