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ダンジョンリベンジと足軽のヤシロ

第57部分 ダンジョンリベンジと足軽のヤシロ


「ミチル、修行中のアレックスを一日貸したところ、昼間っから泥酔して帰宅してくるとは、どういうことじゃ!!」とユパン、

激怒している。

「はい、申し訳ございません。昼飯で酒を飲んでしまい、そのまま酔い潰れてしまいました」と俺、ここはただ謝るしかない。

「当分、アレックスは貸せん、さあアレックス修行じゃ」とユパン、アレックスを庭につれ出して行った。

ふう、ユパンが訓練を止めて家に帰るとか言い出さないで良かった。まあ、楽しくやってそうだから、そんなことは無いとは思う。

だが、昨日はしくじった。


「ミチル、外に見たこと無い女の子が来てるぞ」とアレックス、

ん、だれだ?玄関を出て門を見ると。槍を背中に担ぎワラの三角帽子をかぶった、まるで戦国時代の足軽のような格好で立っている女の子がいた。

なんだあいつ。


「こんにちわ、君はこの家になんか用かな?」と俺、

「初めまして、わたくし、ヤシロ・ガーフィールドと言います。下級貴族の二女でございます。このたび、勇者様が一緒に戦う仲間をお捜しと伺いました。

私のご先祖も昔の勇者様の仲間の一人でしたので、今回もガーフィルド家から、勇者さまのお仲間になるべく、馳せ参じました。なにとぞ、お仲間に加えていただきますよう、お願いします」とヤシロ、

うん、こいつは面倒だ。

なにしろスザンナと同じくらい身長が小さく、骨も細くて力も無さそうだ。

「スコット・ガーフィールドの子孫かえ」とユパン、後ろで聞いていたようだ。

「はい、スコットは私のご先祖でございます」とヤシロ、

「ほう、そうかあいつは血統ジョブのロイヤルガードで槍の使い手、しかもビーストなんとかと言うユニークスキル持ちであったぞ」とユパン、

このおチビちゃんの先祖は使い手か、”目利き”スキルでステータスを確認して見た。

って、こいつ無職じゃねえか、まあ可能性はあるようだけど。またここからスタートね。

-----------------------------------------------------------------------

ヤシロ・ガーフィールド  無職

種族:ヒューム 女 13歳

*スキル

 <アクティブ>

 ビーストダッシュ(無効)、ビーストジャンプ(無効)

<パッシブ>

 -

*転職可能なジョブ

 ロイヤルガード(無効)

*装備

頭   ワラの三角帽子

手   毛糸の手袋

胴体  革のチョッキ

足   革靴

盾   なべのフタ

武器1 銅の槍

武器2 工作用の折りたたみナイフ

その他 布のリュック、カビたパン、銀貨1枚、お婆ちゃんがくれたお守り

---------------------------------------------------------------------------

「ユパン様、間違いないようです」と俺、

「そうか、スコットの血族で間違いないか」とユパン、

やりとりを見ていたベンに聞いてみる。


「ベン、無職からロイヤルガードに、ってどうやって成るんだ?」

「まず、槍の訓練をかるくやるだけで、槍兵になれる。槍兵LV20でクラスアップのはずだ、血統ジョブ持ちはロイヤルガードになれるが、血統が無い場合はパラディンとなる」とベン、

ほう、そういう仕組みか。

「ヤシロ殿、未成年のようだが両親には言ってきたのか?」と俺、

ボロボロの汚れた服に、ボロボロの靴、所持金銀貨1枚でどこから来たんだよ。

「両親にはなにも言わず、家出してきました」とヤシロ、

「そりゃ両親が心配しているんじゃないかな、キチンと許可をもらってきたら仲間にしてやろう、まあ戦えるようになるまで石鹸工場で働きながらとかになるけどな。体も小さいから」

「心配はしていません。たぶんですけど」とヤシロ、

「どこから、どうやって来たんだ」

「海辺の街ハマナから知り合いの商人の馬車で途中まで、あとは歩いてきました」

かなりの距離だ、どうりでボロボロなはずだ。よく生きてたどり着いたな。


「わかった、今から両親のところにつれて言って許可をもらおう、それで良いな」と俺、

「それは、やめた方が良いです。やめてください」とヤシロ、

「それは出来ない、ヤシロ殿、あなたも貴族であれば分かるはずだ、貴族の子女を勝手に仲間にはできない」

「それはそうですけど、でも」とヤシロ、

「まあ、ここにいても分からんから、ヤシロ殿の屋敷まで行こうどこら辺にある」と俺は地図をだして、ヤシロに指を差させた。うむ、ココは通ったことがあるはずだ。屋敷なんか無かった気がする。家に入り、ユリを呼び出した。

レン、スザンナも出てきた。

「ユリ、これからこのヤシロ殿の屋敷に行く、テレポートしてくれ場所はここだ」

俺は、ヤシロにパーティ参加を送り承認させると、アレックスを除いた。いつものメンバーとヤシロの6人で地図の場所までテレポートした。


この辺のはずだが、貴族の屋敷らしき建物なんか無いぞ。

「ヤシロ殿、屋敷はどこかな?」と俺、

「すぐそこの、あのボロ屋です」とヤシロ、

そこには普通の家では無く、明らかにぼろい家があった。まあ、下級貴族で、貧乏なところもあるのだろう。

「では行こうか」と俺、6人でそのボロ家に向かう。

近づいて行くと、ヤシロの親父らしき人がこちらに気づいた。

「あっ」ヤシロが小さく声をあげた。

「ヤシロ、どこに行ってたんだ心配したぞ」とヤシロの親父だ。

普通、両親とは娘がいなくなれば心配するもんだ、と俺もそう思った。次の言葉を聞くまでは。

「奴隷商人の方が宿でお待ちだ、早く準備しろ!!」とヤシロの親父、

その言葉を聞いた、後ろの仲間全員が一瞬で凍り付き、この親父に敵意を抱いたのが分かった。

この親父はヤシロを奴隷商人に売ろうとしているのだ。それを知ったヤシロは家出して、勇者の仲間になろうとしたんだな。チビで弱くて、無職なのに。

事情が分かった。

この親父がクソヤロウだと言うことも完全に理解した。この野郎!!


「おい、待て奴隷商人だと、ヤシロは俺たちの仲間だ、勝手なことはさせんぞ」と俺、

「なにを平民が偉そうに、関係無いヤツはだまっていろ!!」とヤシロの親父、

「俺はミチルと言う者だ、平民で冒険者だが、ラインハルト・エルゴン男爵の屋敷の近くに住み、男爵からグレン・グレンザー皇帝へも紹介されている者だ、屋敷も持たない下級貴族にそのような口をきかれる筋合いない」

「え、エルゴン男爵とグレン皇帝のお知り合いでしたか?」とヤシロの親父、急に態度が変わった。

こりゃ予想以上にどうしょうもないヤツだな。早く切り上げた方がよさそうだ。

特にベンや、スザンナのイライラが爆発する寸前なのが分かった。


「まあ俺は喧嘩をしに来たのでは無い、親父殿ここはお金で話を付けようか。奴隷商人に聞けば分かるが幾らでヤシロ殿を売る予定だったのだ?」

「はい、恥ずかしい話ですが金貨50枚です」とヤシロの親父、

そんな額か、その程度の金で自分の娘を売ろうとしたのかこの男は。

”アイテムボックスオープン”ボックスから金を取り出し、金貨200枚くらいだろうそれをジャラジャラと袋に入れ、ヤシロの親父に渡した。

「袋の中を見ろ、金貨100枚以上は確実にあるな、これでヤシロは俺たちの仲間で、今後、一切おまえのような男とは無関係だ、忘れるな。仮に、今後ヤシロに近づいたり、金を借りにきたり、手紙なんかの連絡をとった場合は、男爵や皇帝に今回のことを報告してやろう、そうすればお前はどうなるだろうな。少し考えてみることだ」

「わかった、ヤシロはもう俺とは他人だ」とヤシロの親父、

「理解してくれたようだな、では失礼する」

ここから早く立ち去ろう。

「ユリ、テレポートだ」

親父の後ろでヤシロの母親とお婆さんがヤシロに向かって手を振るのが見えた。ヤシロの手がピクリと動いたところで、

「”テレ・フィールド”」とユリが詠唱する声と共に、俺たちは家にテレポートで戻った。


家に着いた俺たちはしばらく無言だったが、ヤシロが先に声をかけてきた。

「本当にバカな親で恥ずかしい限り、みなさんに不愉快な思いをさせて申し訳ございません」とヤシロ、

「ヤシロ、お前がなぜ謝る。謝る必要なんて無い」とベン、

「ヤシロは悪くないです」とスザンナ、

「さっきの事は忘れよう、もうヤシロは俺たちの仲間だ。それで良いじゃないか」と俺、

下級貴族の腐れようは思っていたより酷いのかもしれない、これではグレン皇帝が武人を募っても集まらないわけだ。

「ヤシロ、俺たちは仲間同士、年齢、先輩、後輩にかかわらず呼び捨てがルールだ、俺のことはミチルで良い、ではよろしくなヤシロ」

「よろしくです。ミチル」

「勇者はここから少し離れた場所で別のパーティを指揮している。今のお前では実力不足で合流はできない、もう少し実力をつけてからだな。機会があれば紹介しよう」と俺、

その後、仲間全員をヤシロに紹介した。

「みなさんよろしくです。ヤシロです」と深々と頭を下げた。

”グッググー”とヤシロからお腹の鳴る音がした。こいつなにも喰ってないのかもしれないな。

「フフ、腹がへったな。では朝飯にしようか」と俺、

ジーナが作った朝ご飯をみんなで一緒に食べる。

「ジーナ、とても美味しいです。こんな贅沢な朝ご飯を食べてるんですか?」とヤシロ、

「まあ、普通だけど」と俺、

「ひええ、勇者様のお仲間とはいったい」とヤシロ、

「ヤシロは、沢山食べて大きくならないとな」

「分かりました、いっぱい食べるであります」

ヤシロはそう言うと、俺の倍は食べていた。がっつき過ぎだ。


「ベン、ヤシロに槍の基本を教えてくれ、とりあえず槍兵にする」と俺、

「分かった、ではヤシロ、庭へ行こう早速訓練するぞ」とベン、ヤシロをつれて行った。

「スザンナ、中古の装備とかでとりあえずは十分だから準備して居間に並べてくれ。俺がマルチリペアとクリーニングしておく」

「分かりました」とスザンナ、工房に入っていった。

しばらくすると、スザンナが居間で装備を並べはじめた。それなりのなかなか良い装備じゃないか。頭巾とブーツ、リュック、ナイフは新品だろう。

スザンナも奴隷商人に売られた身でヤシロをかわいそうに思ったのかもしれない。

「おっさすが、準備が早いな」と言いながら、中古の装備にマルチリペアとクリーニングをかけた。


「ミチル、もう槍兵になれるみたいだぞ」とベン、

そうか、早いな。

「ユリ、ジョブ神殿までテレポート頼む」と俺、ヤシロをジョブ神殿で無職から槍兵に変更し、冒険者ギルドでギルドカードを作った。

こいつもどうせ、着替えも、歯ブラシも何も持ってないんだろうな、と思った。

「ベン、スザンナ、ヤシロを連れていつもの生活に必要な物を一式よろしく、ついでに食材も頼む。金はこれで頼むな。俺はヤシロの部屋を準備しておくよ」と俺、ポケットの金貨をひとつかみベンに渡した。

「ユリ、家に戻ってくれ」

「”テレ・フィールド”」ユリと家まで戻ってきた。まだ使ってない部屋があったはずだ。

2階には8部屋、おれは一階のベッドルームで寝ている。

2階に上がり、開いている部屋を空けると、少し汚れている。

部屋の窓を開けて換気し、”クリーニング”スキルで部屋全体をクリーニングしておく。


庭でアレックスとユパンが訓練しているのが見えた。アレックスの動きがずいぶん良くなっている。無駄な動きがなく、よどみなく流れるような体の使い方ができるようになった。

やはり、一皮むけたな。

ユパンはどのような判断をするのだろうか、拳聖とすることを許すのか、それとも許さないのか、あと2週間後の手合わせでその判断ができるのだろうか。


家の門から”ガヤガヤ”と女どもが入ってくるのが見えた。また沢山買ったなあ、

「そのまま、食材をおいたら2階に来てくれ」と窓から声をかけた、

”ドカドカドカ”と階段を上る音が聞こえ、ヤシロが部屋にきた。

「この部屋がヤシロの部屋だ、自由に使ってくれ、風呂とトイレは1階だ。荷物を置いたら1階の居間に来てくれ新しい装備を用意してある。俺たちレベルだとその装備では不十分なんだ」と俺、

「個室を頂けるのですか?、新しい装備も、もうなにから何まで、本当にありがとうございます」とヤシロ、ヤシロの目が”ウルウル”している。

「ではな」と俺、部屋を出た。


居間で待っているとヤシロが来た。

「とりあえず、装備を交換しよう。みたところヤシロの装備は貧弱すぎる。先祖伝来の武器とか無かったのか?」と俺、

「ひいお爺様の代にギャンブルに狂い、酒と女で破産したみたいです。私が生まれた時にはすでに貧乏でした。おそらく伝来の装備などはとうの昔に売り払ったものかと思います」とヤシロ、

「これが新しい装備だ、全て新品とは言わないがマイスターのスザンナが作った物だから大切に使うように」

「ミチル、スザンナ、ありがとうございます」と頭を下げ、俺とスザンナの前で新しい装備を身につけた。

”目利き”でヤシロのステータスを確認する。

まあなんとか槍兵として、形にはなったな。

--------------------------------------------------------------

ヤシロ・ガーフィールド  槍兵 LV1

種族:ヒューム 女 13歳

*スキル

 <アクティブ>

 シールドアタック(小)、槍突撃(小)、槍投擲(小)

 ビーストダッシュ(無効)、ビーストジャンプ(無効)

<パッシブ>

 回避上昇(小)、防御力上昇(小)、素早さ上昇(小)、剛力(中)

 状態異常耐性(小)

転職可能なジョブ

 ロイヤルガード(無効)

*装備

頭   黒竜革の頭巾

手   ライトメタルの小手

胴体  ライトメタルの胸当

足   竜革のロングブーツ+靴底(エゾキングオオヤモリの足裏革)

盾   ライトメタルの丸盾

武器1 ミスリルの槍

武器2 ミスリルのショートサーベル

その他 竜革のリュック、ダマスカスのバタフライナイフ

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「すごいです、こんなに高価な装備を使わせていただけるなんて、本当にありがとうございます」とヤシロ、

「俺たちは仲間の安全を重要視している、この装備はヤシロのレベルにふさわしい物だ、もう少し力が強くなれば、もっと良い装備に変更できる。頑張ってくれ」

ではレベルアップに早速向かおう、

「ユリ、ダンジョンだ、50階からスタートだ」と俺、

昨日のメンバーで、アレックスの代わりにヤシロを入れたメンバー6人でダンジョン前に、テレフィールドで移動し、さらにテレダンジョンで50階層までテレポートした。


「レン、索敵頼む」

「了解ニャ、左方面にミノタウロス2体いるニャンな」とレン、

「ヤシロは俺から離れるなよ、けして前に出るな」と俺、ヤシロに指示した。

「了解です」とヤシロ、

「くるニャン」とレン、

”真空兜割”とベン、”なぎ倒し”とスザンナ、ミノタウロス2体を一撃で倒した。

二人はCランクの魔獣でも一撃だな。

それから俺たちは30体ほど魔獣を狩り、経験値と、ドロップアイテムいくつか入手した。

ヤシロはまだ戦力にならない。

でもパーティ参加による、経験値の分配によりレベルは上がり、それと同時に各種ステータスも向上したおかげで、槍もどうにか振り回せる力は得たようだ。先ほどの戦いでは魔獣に向けて、何度か槍を突き出し、ダメージを与えることが出来るようになっていた。


「今日は朝から色々あって疲れた、もう帰ろうか」と俺、

「そうしますか」とベン、

「ユリ、外に出よう」と俺、ユリがテレ・ダンジョンを唱え、次に家にテレポートした。

ふう、疲れた。

「ヤシロ、戦いはさっきのような感じだ。ヤシロは明日、冒険者ギルドで槍兵の基礎訓練を受けてもらう、基礎が大切なんだ。よろしくな」

「分かりました」と何か元気が無い。

「ヤシロ、俺たちと一緒にいれば、すぐに強くなるから安心しろ。ここにいる仲間も始めはまともに剣を振れないところからスタートしている。とりあえず今日は十分食べ、風呂に入り、よく寝て明日の訓練に備えてくれ、まだ初日なんだ、大丈夫だ」と俺、

「わたくし、がんばります」とヤシロ、少し元気になったようだ。

ただ、その元気もすぐに無くなるのだった。

なぜなら、俺が風呂に入っている時にレンと2人、全裸で風呂に入ってきたのだ。

丸見えでした。

「レン、なんで入ってきた?」と俺、

風呂から上がるとレンに注意する。

「だって、音しなかったんだもんニャ」とレン、本当か?

「それに私、毛深いから大丈夫だニャ、あまり見られてないニャ」

「ヤシロは毛が無いから、ミチルに全部見られたニャーね、ミチル得したニャ、ニャハハハ」

「ニャハハじゃねー、このヤロ」

「ミチルのラッキースケベ、ニャハハハ」

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