勇者誕生
第54部分 勇者誕生
ユリが男爵チームを連れてテレポートしてきた。これで全員だな。ミミンとジーナは石鹸店と俺の家で留守番している。
「それでは入る前にパーティを組もうかの、悪いがベンとアレックスの代わりに、マーベリックとワシが入らせてもらうな」とユパン、
何か意味があるみたいなのでそのまま従うことにした。
6人パーティとなる、まあバランスは悪くない。
①マーベリック ドラゴンベイン LV19
②ユパン 拳聖 LV60
③ミチル ジャンクヒーロー LV41
④スザンナ マイスター LV1
⑤ユリ 魔道士 LV22
⑥レン シノビ LV19
ユパンは、俺たちパーティとベン、アレックス、男爵、クーランラ嬢、グレン皇帝、ルミナ、パンクをつれて、洞窟の奥に進む。
「グレン皇帝、男爵様、こちらでモリス様の遺体を見つけました」と俺が洞窟なかで指を差す、
「ここかあ」男爵はクーランラのリュックから酒の入ったボトルを取り出すと、俺が指さした場所にばらまいた。
「女に後ろから刺されて死ぬようなヤツだったが、冒険者として真っ当に死んだな、バルハラで会おう、モリス」と男爵、
「モリス、バルハラでな」とグレン皇帝、
俺たちはさらに、洞窟奥に入り、ブラックドラゴンを倒した場所まできた。俺たちが並べた遺体は既にそこには無く、綺麗に片付けられていた。
「ミチル、こっちじゃ」とユパン、洞窟に壁を指さすが俺には、ただの岩にしか見えない。
「ミチル、この岩だけ光ってますよ」とマーベリック、岩の出っ張りに手を置いた。俺には、なんにも光っているようには見えなかった。だが、壁の一部が開き、さらに洞窟の奥まで進めるようになった。
「おお、すごい」と俺、
こんな所に隠し扉があったなんて、と思いシノビジョブのレンを見た、レンは両手を持ち上げ、首を振って分からなかったのポーズをした。
さらに、10メートルほど奥に進むと、少し明るい部屋に出た、その部屋の真ん中にそれは有った。台座に刺さった両手剣である。辺りの壁には光る水晶や、光るコケが生えており、ランタンが無くとも十分に明るかった。
「これが聖剣じゃ」とユパン、
「これですね、では早速」とマーベリック、剣を抜こうと近づいた。
「まあ、待て」とユパン、
「マーベリック、聖剣を抜く権利は一回限りじゃ、わしがアドバイスしてやろう。まず剣は素手でつかむこと、そして剣を握った瞬間、手が焼けるような痛みを伴うが、我慢じゃ。そして一気に力で引き抜け、ゆっくりやると手が焼けるかもしれん」とユパン、
そんな大事なこと寸前に言うんかい!!
マーベリックが竜革のグローブを外した。それを俺が受け取る。
「マーベリック、お前なら必ずできる。自分を信じろ」
「マー兄、頑張って」とルミナ、
「兄貴なら大丈夫」とパンク、
「よし、やります」とマーベリック、素手で聖剣をつかんだ。”ジュッ”と手が焼けるおとだ。マーベリックのイケメンの顔がゆがんだ。
「ぐっ、ウオオー」とマーベリックが叫ぶと一気に引き抜いた。そして真っ直ぐ持つと、上に掲げた。
周りから「おおー」と言う声。その瞬間、聖剣がカメラのフラッシュのように光り、俺は目を閉じた。
光が収まり目を開けると、何も持っていない手を押さえたマーベリックがいた。
「マーベリック、聖剣はどうした?」と俺、アイテムボックからポーションを取り出すと、マーベリックの両手に振りかけた。マーベリックの両手の手のひらに太陽の絵のような焼け跡が残っているのが見えた。これはおそらくマルチリペアで消さない方が良いものだろう。
「ミチル、ありがとう。聖剣は俺の手からスッと消えてしまいました」とマーベリック、
ユパンを見ると、ウンウンと頷いた。
「聖剣はスキルそのもの、抜いた瞬間に消えるのさ。マーベリック、ステータスを見るのじゃ、そうすれば分かる」とユパン、
「”ステータスオープン”」とマーベリック、
「ミチル、”クラスアップしますか?”と表示があります」
「慎重にOKを選択しろ」と俺、マーベリックはOKを選択した。
「おお、俺のジョブが勇者になった」とマーベリック、
”目利き”と速攻でおれは、マーベリックのスタータスを確認してみた。
なんだこれ!!俺たちパーティメンバーのスキルがいくつかマーベリックのスキルに追加されている。
”ステータスオープン”で自分のステータスを見るが特に変化は無かった。
ユパンが洞窟に入る前にパーティを再編成したのはこの為なのか。
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マーベリック 勇者 LV1
種族:ヒューム 男 15歳
<アクティブ>
真空兜割、ドラゴンジャンプ、ドラゴンダッシュ、なぎ倒し(大)、聖剣、
魔獣解体、目利き、マルチリペア、気功砲弾、内部破壊、色即是空、
回復魔法(中)「ヒール、アドバンスドヒール」
空間魔法「テレ・ダンジョン、テレ・フィールド」
<パッシブ>
剛力(大)、回避上昇(大)、防御力上昇(大)、素早さ上昇(大)、知力上昇(大)
二刀流(大)、スキルコンボ(4)、聖剣を抜く権利(有効)、クリティカル発生(大)、状態異常無効
エンハンスアーマー(大)、エンハンスウェポン(大)、無詠唱
レアアイテムドロップ増加、節約レベルアップ(大)、アイテムボックス
*装備
頭 ライトメタルの兜
手 竜革のグローブ
胴体 ライトメタルの鎧
足 竜革のブーツ+靴底(エゾキングオオヤモリの足裏革)
武器1 オリハルコンの刀(不壊属性)
その他 ダマスカスのバタフライナイフ
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「マーベリック、スキルのことは今ココでなにも言うな、あとで俺が教える」とマーベリックに小さい声でささやいた。マーベリックもヤバイと思ったのだろう、一度うなずいた。
「ユパン様、俺どうやら勇者に成れたみたいです。ありがとうございます」とマーベリック、
「まさか、人生で2回も勇者誕生の瞬間を見物できるとは思わなんだ、くっ」とユパン、涙ぐんでいる。
「マーベリック、やったな」とベン、
「マー兄、さすがです」とルミナ、
「兄貴、信じてました」とパンク、
「マーベリック見事であった、良い物を見せてもらった」とグレン皇帝、
「まあ、みなさん、一度ここから出ましょう」と俺、狭い空間で一度にしゃべるから反響してうるさくなる。
「そうじゃな、出るか」とユパン、
「ベンとアレックスはグレン皇帝のパーティに入れてもらって、テレポートしませんか」と俺、
「そうだな、分かった」グレン皇帝が2人にパーティ申請を出すと、承認したようだ。
「”テレ・ダンジョン”」とグレン皇帝、
「ユリ、俺たちも頼む」ユリが俺たちをつれて洞窟の外までテレポートした。
ふう、洞窟の中は息が詰まるな。外の空気がうまい。
「ミチル殿、ワシの屋敷までテレポートしよう」と男爵、
たしかに、ここに居る必要はない。魔獣が出現してもおかしくない場所である。
「そうですね、そうしましょう」と俺、
グレン皇帝がテレポートしたようだ。男爵がいなくなる。
「ユリ頼む」
「”テレ・フィールド”」俺たちは、男爵の屋敷内にテレポートはできないから、門の前でテレポートして、門をくぐり男爵の屋敷前まで移動した。
「わざわざ、礼儀正しいやつだな」と男爵、
「まさか、男爵様の屋敷内にはテレポートできません」と俺、
「ミチル殿、マーベリック殿、師匠、ワシは今日いったんは引き上げるが、後日そなた達に今後どうするのか相談したい。では失礼”ブゥン”」とグレン皇帝が帰っていった。
「ユパン様、私たちも家に帰りましょう」と俺、
男爵には今日もう話すことは無い。
「いや、帰る前に男爵殿に相談がある」とユパン、
「ユパン様、なんでございますか?」と男爵、
「男爵殿の娘は魔法使いのようだな。勇者のパーティに参加するつもりはあるかのう」とユパン、
「私の娘が勇者様のパーティに参加できることはとても名誉なこと、皇帝の配下にいる下級貴族としては断ることなどできません。ぜひお願いします」と男爵、
男爵がクーランラを見ると、クーランラもウンウンと頷いている。
たしかに、貴族の仕事は本来、民を守ること、勇者と共に戦うことはとても名誉になる。爵位だって上がる可能性もあるのだ。
「そうじゃろな、これで魔道士は確保できたな。ミチルの周りには駒がそろっておるなあ、こりゃ手間が省けて助かるわい」とユパン、
ユパンがこれからなにかを企んでいるようだった。




