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ブラックドラゴン討伐②

第43部分 ブラックドラゴン討伐②


「ミチル、ドラゴンは寝ていたニャン、今がチャンスなのニャン」とレン、

ブラックドラゴンの巣穴に偵察に行き、帰ってきたところだ。

「レン、今回の作戦はほぼレン頼みの作戦だ、準備は大丈夫か?」

「大丈夫ニャン、さっきも色即是空のスキル使って近づいたけど、全く気づかれなかったニャンよ」とレン、

色即是空のスキルとは、パーティメンバー以外から全く気配や姿が見えなくなるスキルだ。


「よし全員”槍”か”弓”を持ったか?」と俺、全員を見渡すと、ミミン、レン、ユリ、以外は槍を持っている。

「作戦のおさらいだ、まずレンが、ドラゴンの口のなかに、スイッチを押したアレを放り込む。次に俺たちが槍、弓、魔法でドラゴンに1度攻撃だ。そしたらユリ、直ぐに全員でココにテレポートだ」

「大丈夫だ、ヤロウ」とベン、

「では、ドラゴンの所に移動しよう」と俺、

テレポートの都合上、一度にテレポートできるのは6人となる。なので今回、ミミン、マーベリック、ルミナの3人は家で留守番だ。あいつらは今頃は寝ているだろう。現在早朝の4時だ。俺たちは0時ごろからここに居て、ドラゴンが寝るのを待っていたのだ。


ドラゴンの巣穴は、相当大きい洞窟で長さは50mほどだ。その奥でドラゴンは寝ている。

洞窟の中には沢山の元冒険者達の亡骸がそのまま放置されていた。

おそらくブラックドラゴンを狩ろうとして、逆に狩られた者達だろう。

「見えるニャン」とレン、小さい声で注意を促してきた。

あれか、想像以上に大きいな。レッサードラゴンはトカゲの化け物だったが、これは本物のドラゴンだ、ファンタジー映画に出てくるアレそのものが俺たちの目の前にいる。

「もう少し寄ろう」とベンの声、

俺たちはじわりじわりとドラゴンに近づいていく。槍が届く距離まで近づくことができた。

「レン、始めよう」俺は、手に持っている時空間ビーコンという名前のプラスチック爆薬が詰まった、円形のパイプ爆弾をレンに手渡す。使い方は簡単だ、両端にあるボタンを同時に押して、LEDが光ったら15秒で爆発する。レンに何回も説明してあった。

「”色即是空”」レンがスキルを起動させた、俺たちには普通に見え、何となく気配が無くなっているようにしか感じない。でもパーティ以外からだとレンは見えなくなるのだ。これは俺もパーティから自分を外して実験して確認済みだ。

レンが、時空間ビーコンを片手に持ち、ゆっくりとブラックドラゴンに近づいて行く。

デカい口の前まできた。

両手で、スイッチを押した、LEDがが点滅する。

”ポイッ”と口の奥に放り込んだ。こちらに走って戻ってきた。

「全員、攻撃」とベン、

俺たちは構えていた槍、弓、魔法を一気に放った。

”ガキン””ギシ””ヒュン”とドラゴンに当たったが、全部跳ね返されたのが目視できた。ドラゴンが俺たちに気づいて立ち上がろうとした。

「”テレ・ダンジョン”」とユリの声、一瞬で洞窟の外だ。

フー助かった。あんなヤツとまともに戦うなんて馬鹿げてる。


”ドガーン””パラパラパラ”と言う爆音が洞窟の奥から聞こえた。

洞窟から砂埃が出てきている。

”目利き”で中を確認する。ブラックドラゴンを倒したようだ。

俺たちは砂埃が収まるのを待ってから中に入った。

「あれ、ブラックドラゴンの首ですね」とスザンナ、

プラスチック爆弾の威力はすさまじく、ドラゴンの喉の奥で爆発したようだ、その部分から首が切断されて地面に転がっていた。

「首はまるごとアイテムボックスに入るのか?」と言いながら、アイテムボックスに差し込んだら問題なく入っていった。


”魔獣解体”とスキルを起動、”黒竜の革、爪、鱗、翼”などの素材を回収した。

「冒険者の死体を集めてくれ、どれか一つに”シノビの脇差し”というユニークアイテムがあるはずなんだ探してくれ」と俺、メンバー全員で、死体を一カ所に集めた。

全部で死体は18体あった、3パーティ分なんだろうか。

「全員、高価な装備ばかりです」とスザンナ、

そりゃそうだ、ブラックドラゴン討伐にくるパーティはAランクかSランクだ、全員強くて、金は持っているだろう。

「スザンナ、全部回収な」と俺、

スザンナは遺体の装備を外し、自分のアイテムボックスに収納し始めた。

「ミチル、冒険者ギルドカードもあります」とスザンナ、

「ああ、それも全部回収な」

「ないのかな?”目利き”スキルで探してみる。あっ、あった」

それは、洞窟の少し上の方の岩に突き刺さっていた。

「レン、あの剣を取ってきてくれ」と俺、身軽なレンに頼んだ。

「はい、ニャン」とレン、ピョンピョンと壁面を2回ジャンプすると剣をつかみ取ってきた。

「この剣、あの時のニャね」とレン、レンも気づいたようだ。ストーンサークルで先輩のレンが渡した脇差しなのだ。

”目利き”でもう一度確認した。”シノビの脇差し”ユニークアイテムだ。おそらくこの世界に1本しかない物なのだろう。アサシンのジョブからシノビのジョブにクラスアップできる能力を持っている剣だ。


「素材や、アイテムの取りこぼしはないな、では帰ろう」

ユリは、”テレ・ダンジョン”で洞窟から外にテレポートすると、次に”テレ・フィールド”で迷宮都市ドルガードの冒険者ギルドの前までテレポートした。

いま、8時だな、丁度冒険者ギルドの入り口が開いたところだった。

窓口に向かう、職員に声を掛けて、ブラックドラゴン討伐を報告した。

「では、こちらに」と職員、奥の倉庫で確認するらしい。

まあ、窓口で見せる物では無いよな。

「”アイテムボックオープン”」とボックスを開き、ブラックドラゴンの頭を取り出し、倉庫の床にゴロンと転がした。


「うわっ」とギルドの職員、おどろいたようだ。

「たしかに、少々お待ちください」と言うと倉庫から出ると、上司をつれてきたようだ。

「ほう、たしかにブラックドラゴンです。報酬は金貨1000枚ですな。お支払いします」

とギルド職員の上司、

「この頭は返却してもらう良いか?」と俺、

「それは、できません。頭部を納めると言うクエスト条件ですから」とギルド職員上司、

「いや違うな、頭部の一部でも良いハズだ。その耳の横にある小さい鱗一枚でも良いハズだぞ、これは大変貴重な物だ、ただで譲るわけにはいかんな」と俺、少し意地悪してみた。

実際、この頭部だけでもかなりの価値があるだろう。素材も十分採れるし、このまま剥製にして金持ちに売っても良いだろう、なんとなくだが金貨1000枚~2000枚の価値はありそうだ。

「うう、ではこちらを素材として買い取りましょう」とギルド上司、

やっぱりな、俺たちを騙そうなんて汚いやつだ。

「そうだな、金貨2000枚は譲れん、報酬とあわせて金貨3000枚だな、よく考えてみてくれ十分元は取れると思うぞ、こいつの素材の”黒竜の爪”5本も今回だけ特別にサービスしようじゃないか」と俺、交渉して見る。

「うー、わかったじゃ、この頭部まるごとと爪5本で報酬合わせて金貨3000枚だな、それで支払おう」とギルド職員上司、


「ついでに聞くが、俺たちのギルドランクはどうなる?」と聞いてみる。

「ブラックドラゴン討伐だと、Aランク昇級となる」

「なるほど、そうか、手数料は支払うから安心してくれ」と俺、

倉庫でしばらく待つと、ギルド職員が金貨3000枚の金袋を持ってきた。

受け取り、俺のアイテムボックスに放り込む。

「では昇級は受付でだな」

受付で昇級の手続を済ませる。

ギルドカードが金色に変わった、これは結構格好いいぞ。

なんか自慢できそうだ”俺、ゴールドカードだから”みたいに。サッと胸から取り出すことをイメージする。なんかいやらしい、でもそこがイイ。フフフ


「手数料、金貨27枚になります」とギルド職員、

「手数料が高くないですか?」と俺、ぼやきながらも支払う。

「”まいど”ありがとうございます」と職員、

そう言えば、ついこないだ金貨6枚でBランクに昇級したばかりだったんだ。


「この、Aランクのギルドカードを持っていて、良いことあるの?」と俺、聞いてみる。

「Aランクのギルドカードですと、冒険者ギルドでの買い物が20%引きになります。2階にある図書館の利用が無料で利用できます。税金が20%免除されます」とギルド職員、

「あっ、へーそうなんだ。けっこう良い待遇なのね」と俺、なんか変に納得してしまった。

くそー、微妙なレベルで良いんだか、相応なんだか、よく分からんな。

とりあえず、冒険者ギルドで今度、ポーション沢山買ってやるぜ。

「最近、お金たくさんもらってますね。なにか買うんですか」とスザンナ、

「いや、俺たちの先輩から金貨8000枚貰っているだろ、つまり俺たちは金貨8000枚貯めて、ストーンサークルで過去の俺たちに渡す必要があるんだ、けっこう大変なんだぜ」と俺、

「そうでした、あのときかなり良い装備を全員分もらっています」とスザンナ、

「そうだ、あれはそのうちスザンナが全部作るんだぞ、作るのはともかく、素材の確保は一度にできないから、入手できるタイミングで確保していく必要があるよな」と俺、

「そうです、正直足りないですね」とスザンナ、なんか不安な顔だ。

「まあ、さっき回収した冒険者達の装備もあるし、あとで考えよう」と俺、


そう言えば、回収したギルドカードのこと忘れてたな。

再び受付の職員に先ほど洞窟の中で回収した冒険者ギルドカードを18枚渡した。

「ああ、ギルドカードですか」と職員、

「ブラックドラゴンの巣穴で回収した物だ、残念だが、18人全員死亡していたんだだから回収してきた。」

と俺、

ギルド職員は1枚1枚、確認している。

とある1枚でピタッと手が止まった。

「少々お待ちください」とギルド職員、ギルドカードを持って、奥に飛ぶように走っていった。しばらくすると、先ほどのギルド職員上司だ。

今、またお前らか、みたいな顔したよな”あいつ”。


「こちらのギルドカードの持ち主ですが、捜索願いが出ています。回収した場所をお教えいただければ報酬を差し上げます」とギルド職員上司、

「そうか、じゃあ案内してやっても良いぞ、魔道士はいるか?」と俺、

教えるのも面倒だ、直接つれて行けば良い。

「おります、少々お待ちください」

ギルド職員上司は魔道士をどこからか連れてきた、かなりの高齢に見える。

大丈夫なのか。

「ユリ、俺、ギルド職員上司、ギルドの魔道士さん、あと2人行けるがどうする?」とギルド職員上司に聞いてみる。

「いや、大丈夫です」とギルド職員上司、

「それと、私も装備を調えたいのですが、良いですか?」

「ああ、大丈夫だ、装備してきてくれ」とギルド職員上司、奥の方で鎧などを身につけている。剣も持った、あいつは元冒険者なのか。

”目利き”で一応確認しておく。

ジョセフ 聖騎士LV30だな。なかなか強いやつだ。まあレベルは指標でしかないが弱いヤツが通常LV30までにはなれないだろう。

「ベン、レンもついて来てくれ、魔獣が出る可能性もある」ベンとレンも連れて行くことにした。

「スザンナ、アレックスは、食材買って先に家に帰ってくれ」とスザンナに金貨を1枚渡した。

「ミチル、気をつけてくださいね」とスザンナ、冒険者ギルドからアレックスと一緒に出て行った。

「待たせたな、準備ができた」とギルド職員上司、

「名前を聞いてもよいか?」と俺、

「そうでした、私はこのギルド支部の支部長ジョセフです聖騎士LV30です、こちらはギルド専属の魔道士、ローズ魔道士LV20です。普段は2Fの図書館で図書館司書をやっている者です」

「ローズ魔道士です。よろしくお願いします」とローズ魔道士が頭を下げた。

「こちらこそ、よろしくお願いします」俺も頭を下げた、正直に言うが、俺は先輩や年上には基本的に礼儀正しい。そう言う人間だし、これからもそうしようと思っている。


「では行きます”テレ・フィールド”」とユリが詠唱した。さっきまでいた、大きな洞窟の前だ。

「レン、索敵してくれ」と一応念のために索敵をしてもらう。

「周囲に魔獣はいないニャンね」とレン、

安心した。

「それでは洞窟の中にいきましょう」

俺たちは、再び洞窟の中に入り、ブラックドラゴンが寝ていた場所に案内した。

そこには、俺たちが並べた冒険者の遺体がならんでいる。


「ギルドカードはそいつらから回収した物だ」と俺、

ジョセフ支部長は一人一人、顔を確認している。

顔が変形しているヤツもいるが、全部わかるのか。

その中の一人の前で立ち止まると、手を確認している。”指輪か”指輪を確認しているようだ、くそ、見逃したなあ。指輪もきっちり回収すべきだった。

”目利き”スキルで遺体を確認する。”モリス・グレンザー”ソードマスターLV35

だったようだ。この世界で二つめの名前持ちということは貴族なのかもな、と思った。

「ベン、ソードマスターってジョブなんなの?」と俺、

「ソードマスターは剣士の上級職だ」とベン、

「”モリス・グレンザー”って知ってるか?」と小さい声で聞いてみる。

「この国でグレンザー家は貴族の中でも名家だ、分家も多いが、現皇帝もグレンザー家のはずだ」とベン、

なるほど、やばいやつの死体だっのか?

「たしかに、モリス・グレンザー様だな、ここでパーティが全滅したのか」とジョセフ支部長、

「どうする、その遺体だけ持ち帰るか?」と俺、

正直もう家に帰りたい。俺たち昨日の夜からまともに寝ていないんだ。

「あとは私たちで対応します。お帰りになって結構です」とジョセフ支部長、ローズ魔道士が後ろでうなずいた。

「俺の家は知っているか、報酬はそこに届けてくれ。約束だぞ」と俺、念をおしておいた。

「ユリ、じゃあ俺たちは帰ろう」

「”テレ・ダンジョン””テレ・フィールド”」と魔法の二連続で家の前までテレポートできた。みんなクタクタだ。

「俺、寝るから、じゃあお疲れ」と言うと、自分の部屋に入り装備を脱ぎ捨てると、ベッドに入った。速攻で眠りにおちた。


”ドンドン”ノックの音だ、

「ミチル殿、起きてください、ミチル殿ー」とクーランラ嬢の声だ、夢かな。

「そんなんじゃ起きないニャ、ミチルー起きろ、肉食べるぞー、ニクー」と次はレンの声だ。

夢では無い。

むくっと起きた。床に転がっている汚れたズボンを足に通すと、上半身裸で裸足のままトビラを開けた。

「キャー」とクーランラ嬢、そう言いながらも俺の体をじろじろ見て少し笑っている。

それはいったい何のアピールだ。

「クーランラ嬢、お久しぶりです。今日はどうされましたか?」そう言いながら、シャツだけは着ることにした。脱ぎ捨てたのでシャツがシワシワだな。

「父がミチル殿をお呼びです、いまから屋敷まで来てくださいとのこと」

あーどうやらあの遺体だ、貴族の名家だったからだ。

すぐにピンと来た。



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