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武道会開始

第32部分 武道会開始


一週間、俺たちはレベルアップを続け、ベンは男爵から訓練を受けた。

 少しレベルアップしたミミンは、一人前の薬草調合士になるため”薬ギルド”というギルドにも登録した。薬ギルドが実施する合同薬草採集会に参加して、楽しく学べているようだ。


そしてついに、武道会の当日を迎えた。

ベンは、いつもよりかなり朝早くに起きたみたいだ。俺が朝起きた時には、すでに木刀を素振りしていた。

「ベン、体の調子はどうだ?」と俺、

「まあ、普通だな。特に異常は無い」とベン、

「武道会は朝9時から中央の闘技場でだろ。トーナメントの組み合わせはくじ引きなのか?」

「いや、審判団の見立てによる物らしい。催し物だから、いきなり強い者同士が対戦するのはエンターテインメント的にNGらしい」

「そんなんで良いのか?まあ、そう言う文化なのか」

「朝ご飯を食べてから、みんなで向かおう」

「そうだな、そうしよう」と、ベン

いつものように、みんなで朝ご飯を食べたが、ベンはあまり食べ物が喉を通らなかったようだ。



トーナメント表が貼られていた。枠は16人のようだな。と言うことは、ベンは4回勝つことが出来れば優勝できる。

「”参加者はこちらに集まるように”」

おっ”審判団の見立て”が始まるようだ。

ぞろぞろと周辺から参加者が集まってきた、例の”黒騎士”もいる。

審判3人はいずれもかなり高齢のじいさん達だが、剣術家としては高位のものなのだろう、オーラというか眼光が鋭い感じは只者では無いと感じさせるものがある。

 参加者は順々に審判の前で冒険者ギルドカードを提示した後、剣の型、と素振りをして見せている。演武のようなものを披露している人もいた。

ベンの番だ、ベンがギルドカードを審判に見せた。

そして、型のいつくかを披露している。実戦を通じて得た我流に近いものだろう、そして素振りだ、上下に1、2回、左右を同様に素振りをする。”ブン””ブゥオ””ブン””ブゥオ”なかなか迫力のある素振りの音が聞こえた。

なるほどねえ、確かにある程度の実力はこれで分かるかもしれない。

”目利き”対戦者全員のステータスを確認した、騎士や聖騎士、戦士が多いな、

”黒騎士”以外は特別に強いやつはいないように見えた。


トーナメント表に全ての名前が記載され、ルールの説明がされた。ルールは以下の通りのようだ。



<大会ルール>-------------------------------------------------------------------

・主審による1本にて勝敗を決する。抗議は認めない。

・壇上から落ちたりすることによる場外は負けとする。

・木刀を手から落とした場合は負けとする。

・負けを認める場合は、木刀を手放し”降参”と宣言するか、壇上から降りること。

・武道会にて提供される革巻の木刀を借りて試合を行うこと。自前の木刀の使用は禁止する。

・木刀が折れた場合、試合は一時中断し木刀を交換してからの再開とする。

・防具の装着について、兜は装備すること、手と足には革製のグローブとブーツの使用を許可する。胴体は自由だが、盾の使用は禁止する。防具に有効打が入った場合、ダメージが無くとも負けとする。その他、審判が不適切と判断した物の装備を禁止する。(試合に有利な物、装飾などが尖っていて危険な兜など)

・木刀を持ったままの蹴り、殴り、投げ飛ばし、足払いは実戦を考慮し許可する。

・対戦者同士は相手の安全を考慮すること。対戦相手に重大な傷を与える行為、とどめを刺すような行為は禁止とする。決定打は寸止めを行うこと、審判が有効打と判断する。

・アクティブスキルの使用は禁止する。

・上記ルールに違反した者は負けとし、今後この大会への参加を禁止する。

----------------------------------------------------------------------------------------

なるほど、どうやら過去には問題となった不正行為などが多そうだ、ルールにはそれが現れている。


「試合開始は30分後、ここに集合すること」と、大会運営者の大きな声が聞こえた。


ベンが俺たちのところに戻ってきた。

「ベン、4回勝てば優勝だな」

「黒騎士とはトーナメント表で離れたから良かった、1回戦からあいつとはやりたくないな」とベン、

黒騎士の演武と、素振りを見た。段違いの迫力であった。あいつはかなりヤバイやつだ。


闘技場はすり鉢のような構造で、中央に四角い壇があり、対戦者はそこで戦う、観客は取り囲むように観戦する形だ。観客席の一部が分離されている。あれはお偉方の席だろう、日よけも設けられていた。



1回戦目が始まった。ベンは二戦目だ。みんなで試合を見物する。

「両者、前に」と審判、一戦目の対戦者2人が壇上に上がった。

両コーナーが白コーナーと黒コーナーになっていて、審判は白い旗と、黒い旗を持って両選手の勝敗をジャッジするようだ。

「両者準備はよろしいか?」と審判、双方がうなずくく。

「はじめい!」と審判の声で試合が始まった。

白コーナーと黒コーナー両方が”バッ”と後ろに引き、お互いに距離を取った。

そして、左右に動きながら、じわじわと間合いをつめていく。

白コーナーの選手が木刀をさっと右肩に乗せたかと思うと、スススと間合いを詰め、先手必勝とばかりに木刀を上段から振り落とした。

 黒コーナーの選手は見切るのがわずかに遅れたのか、中断から振り上げて、その斬撃を”カツン”と弾いた。白コーナーの選手に隙ができた。

黒コーナーの選手は弾いた剣の流れのまま、左中段から右に胴を薙いだ。”ドスッ”黒コーナーの選手の胴撃ちが決まった。

「勝負あり、黒の勝利」審判が黒の旗を掲げた。両選手は勝負が決するとサッと壇上から降りた。

白側の選手にも大きな怪我はなかったようだ。

 もしかすると黒側の選手がインパクトの瞬間に手を緩めたのかも知れない。

でなければ、白側の選手は立ち上がれないほどの怪我をしていただろう。

このことから、これは真剣勝負でありながらも、スポーツ的な催しであると思えた。


横にいるベンに話しかける。

「ベン、ルールには厳格に従う必要がありそうだ、なるべく相手には怪我をさせない方が良いな」

「なるほど、木刀を当てる時は軽く当てるか、寸止めだな。了解だ」とベン、言いながら立ち上がると壇上に上がる階段の前に歩いていった。

テーブルに置かれている何本かの木刀から1本選ぶと、”ブン”ブン”と片手で軽く振って調子を確認している。使う木刀を決めたようだ。


「両者、前に」と壇上の審判、

ベンが階段を”タン”タン”と登り壇上に上がると、

辺りから”オー”と言うどよめきが上がった。

ベンは大会で唯一の”くっコロの女騎士”だ、エルフで美人でもある。

そのどよめきだなと思った。まあ、”くっコロ”かどうかは分からんと思うが。


「両者準備はよろしいか?」と審判、双方がうなずいた。


さあ、始まるぞ。

ベン、1回目まずは勝たねばならん、俺は痛くなるほど両手の拳を握りしめた。


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