鍛冶師スザンナと、オリハルコンの両手剣
第25部分 鍛冶師スザンナと、オリハルコンの両手剣
新居を手に入れ、ざっと買い物をして、それなりに居心地の良い家になった。
昼間は水源の森でレベルアップだ。
今日は、早めに切り上げて買う物がある。剣の素材だ。
「スザンナ、男爵のオリハルコンの両手剣を作らねばならん、お嬢様の魔法杖もだ」
「はい、予習は、ばっちりです。武器屋で残りの素材をかいましょう」とスザンナ、結構たのしみにしているようだ。
「スザンナ、男爵の両手剣が折れないようにするにはどうすれば良い?」
「そうですね。スキルカードでしょうか、不壊属性のスキルカードですね。それを結合すると切れ味は少し悪くなりますが、欠けたり、折れたりはしなくなるそうです。先輩のノートにありました!」
「なるほど、じゃあ魔法ギルドで買って帰ろうぜ」
不壊属性のスキルカードと、オリハルコン以外の素材を購入し、家にもどるとスザンナの工房部屋に入った。
「お、けっこう綺麗に工房らしくなったな」
「ええ、木材など買ってきて自分で棚とか作りました、工具も中古ですが購入しました」とスザンナ、おまえはよく出来たやつだな。真面目だ。
「じゃあ、さっそく作ってくれ。最高品質を目指そう」と俺、
「まあ、やり直しできますからがんばりましょう」
俺たちは研究し、一度作成して未使用であれば”エコロジーリサイクル”のスキルで、元の素材に戻せることが分かったのだ。なので何回でもやり直せる。
スザンナが自分のアイテムボックスから鍛冶師のマットとハンマーを取り出し工房のテーブルに置いた。素材を丁寧にマットに並べ、レシピ本をみながら最終確認をしている。
「ではやります。”アイテム作成”」少しの光と煙が出た、どうやら作成はできたようだ。
「おう、できたな。見た感じなかなかじゃないかな?」
「”アイテム鑑定”ああ、高品質です。おしい、少し雑念が入りました。」
そうか
「”エコロジーリサイクル”」と俺が、スキルで両手剣を素材に戻した。
「ではもう一度。ふーつ…むむむ”アイテム作成”」”ボフ”とアイテムができた、先ほどのよりも出来が良さそうだ。輝きが違う。
「”アイテム鑑定”最高品質です。できた!」とスザンナ、うれしそうだ。
「よし、つぎはスキルカード結合だ、やってくれ」
「はい、これはもう大丈夫だと思います。ふつうにやれば失敗しません。”スキルカード結合”」おお、剣にスキルカードが結合し、剣の形が少し変わった。なんかカッコいい。
「おお、スゲーかっこいい」と俺。
スザンナを見ると、ウンウン笑いながらうなづいている。
「成功ですね」とスザンナ。
「では次だオリハルコンの魔法杖を頼む、杖なんだが、持つ部分が通常はざらざらだろ、こういう感じで円い玉がつながっているデザインでキラキラさせて作れないかな?」紙に絵を描いて指示する。
「ああ、可愛いですね。それに見た感じも綺麗です。出来ますよ。」
「鞘は、竜革でベルトに取り付けられるように作ってくれ。」
「了解です。」
素材を丁寧にマットに並べ、レシピ本を見ている。
「では”アイテム作成”」少しの光と煙が出た、魔法の杖だ。触って見る。
「おお、これは美しい、お嬢様にぴったりだな。」これなら別の意味でもよろこぶだろう、フフフ。
「では、さっそく男爵に渡してくる」
今朝、俺の家に男爵の使いが来て”男爵が待ちかねている”との連絡を受けた。急がねばならんのだ。
俺の家から、男爵の家までは5分~10分くらいの距離だ。かなり近い。
すでに門番とは顔なじみだから基本スルーだ。軽く会釈して門をくぐる。
屋敷のドアをノックすると男爵の配下の者がでてきた。
「男爵様にお約束の物をお持ちいたしました」と俺、
「やっとですか、男爵様が未だか未だかと何度も私に言うものですから、疲れました」
そうか、そんなに楽しみにしていたのか。作ったかいがあると言う物だな。
男爵の書斎に通された。
「おお、ミチル殿、それだな早く見せてくれ」と男爵、
「はいこちらです、お待たせしました。オリハルコンの両手剣です」ふふ、見て驚くなよ。
「うあ、なんだこれは、凄いぞなんか普通のオリハルコンの剣では無いな、形が違う!輝きも俺がいままで持った剣の中で一番だぞ!」
と男爵、
「そうです、オリハルコンの両手剣で最高品質の物を作り、それに不壊属性のスキルカードを結合いたしました。その剣はもう男爵様の為の剣と言ってもよいでしょう。うちの腕利きの鍛冶師もこれは良い物が作れたと言っておりました。どうぞお納めください。」
男爵は見事に光り輝く刀身に見とれているようで、俺の話は右から左に抜けているようだった。
「その剣は美しいですが、剣は実際使ってこその物、不壊属性ですから思いっきり振り回しても折れません。実際に剣をふるわれる男爵様向きの剣かと。もし切れ味が悪くなりましたら、うちの鍛冶師がお研ぎしますのでご安心を」
お俺、男爵がウンウンとうなずいている。よだれが出てるぞ!
”ガチャ” そのタイミングで後ろのドアが開き、クーランラ嬢が書斎に入ってきた。
「クーランラ嬢、こんばんわ、今日も本当にお美しくていらっしゃる。頼まれておりましたオリハルコンの魔法杖をお持ちいたしました」
クーランラ嬢にオリハルコンの魔法杖(特製ボコボコボコツルツルピカピカグリップ仕様)を渡す。
「まあ、綺麗、この玉のようなコロコロとした持ち手の部分が、とても可愛いですわ」とクーランラ嬢、まだ何も気づいていないようだ。
「では、私これから用事がございますので失礼します」
男爵はまだ剣に夢中だ。今日はその剣に”オリー太”とか名前をつけて、抱きしめて一緒に寝るに違いない。ムチャクチャ切れる剣なんだから怪我すんなよ。
クーランラ嬢に近づき小さい声で、
「その杖に、軟膏などはけして塗らないように、滑りますので危険です」と一言いうと、クーランラ嬢の顔が赤くなった。
「では、失礼します。」
クーランラ嬢がその夜、それをどう使用したかは不明である。
ただ、後日、
「ミチル殿、杖がとても気に入りました。これと同じ物を、もう一本ください。」と言われたので、すぐに作って渡しました。




