ダンジョン
第15部分 ダンジョン
「今日はダンジョンにいくぞ」
と言うことで、ダンジョンの前にきた。
「みんな、トイレとか事前に言っとけよ。森じゃ無いんだから。」
「ダンジョンって各階にトイレあるらしいよ」とベン
「まじで、だれ作ったの?」と俺、
「冗談よ」とベン。
「俺たちの番だな」
銀貨1枚を払い、ダンジョンに入った。記念に攻略マップ本も購入した。
「ダンジョンって明るいのね」とベン、
とその時、
「魔獣くるニャンね、前から2体ニャン」とレン、
「あ来た、レン弓、ユリ魔法」とベンの指示、
”シュッ”と矢が飛び、”ボヒュ”とファィヤーボールがゾンビに向かって飛んでいった。
ゾンビはダンジョンではEランクらしい。
俺たちは歩いて間合いをつめる、ベンと、スザンナが双方の武器で1~2回なぐると、簡単に倒すことが出来た。
死体は音も無く消え、その後に銀貨が2枚、ゾンビのドロップアイテムは銀貨みたいだ。
「ダンジョンって、魔獣の死骸がいすぐ消えるって本当なんだ。」と俺、
事前に聞いて知っていたが、不思議だな。
「また、魔獣くるニャンね、後ろから3体ニャン」
「レン弓、ユリ魔法」とベンの指示。ベンは戦闘時のリーダーだ。
エンカウントしたら、”シュッ”と矢が飛び、”ボヒュ”とファィヤーボールを出す。
それが、俺たちの作戦だ。
魔獣はワイルドラットか、Fランクだったけ。
ファィヤーボールが敵に当たると、少し明るくなるので戦いやすい、隠れている敵も見つけやすくなる。
2体が倒れずにのこり、こちらにやってきた。
ベンと、スザンナが迎え撃つ、”ガン””ザシッ”すぐに戦闘は終わった。
「1階だからか、なんか敵弱いな」と俺、
「2階に行ってみる?、そこ曲がって左みたい。」とベン、
うーん、ダンジョンって魔道士の空間魔法ないと正直面倒臭いなあ。行きも帰りもあるし。
歩く距離はそれほどでもないけど、圧迫感もある。
「なんか俺たちって、ダンジョン向きじゃないかもな、2階に降りて少し戦ったら出よう。空間魔法で移動できるようにってから来ても良い」と、俺
「そうですね。そうしましょうなんか気味悪いです。」とスザンナ、
しばらく歩き、2階に降りる。
「壁の色がちがうんだな」と、俺。
「魔獣くるニャンね、曲がって右、2体ニャン」
「待とう、弓と魔法の準備」とべン、
「レッドモスキングだな、火に弱い」”目利き”で確認した。
矢とファィヤーボールが敵に命中して燃え上がる。
でも倒れない。2体とも目の前だ。
「”真空兜割”!!」ベンがスキルを起動させて、燃えている1体を倒した。
「”なぎ倒し”」スザンナがスキルを起動、
レッドモスキングの胴体を切り裂いたが、あまり効いていない。
「いちど引いて、ユリ魔法」とべン、みんなで少し引く、ユリがファイヤボールを飛ばした。レッドモスキングのど真ん中、さっきスザンナが切り裂いた部分に命中した。
”ブフォ、メラメラ”と大きな火が上がりレッドモスキングが燃え上がり、床に倒れた。
「慣れない敵はなんか難しいな、弱点とか動きとか」と俺、
「そうね、経験するしかなんじゃないの?」とベン、
「あっなんか落ちてる」とユリ、
「レッドモスキングのドロップアイテムか」と俺、
「香辛料みたいですね。回収しておきまししょう」とスザンナ、
「じゃ、戻るか、昼からは水源の森に行ってみよう」と俺、
「ダンジョンマップ見ながら出ましょう」とベン、
マップを見ながら、1階に上がり、出口からダンジョンの外に出た。
空気がうまい。
なんか特別な目的が無いかぎりダンジョンはもう来なくても良い気がするなあ。
あんまり楽しくない。ユリが空間魔法覚えてからでないと攻略が厳しいと思った。
「ダンジョンはユリが空間魔法覚えて、階を自由に往き来できるようになってから来よう」
と、俺。
「昼ご飯なに食べよう?」と俺、
「あそこの長い食べ物はどう?」とベン、屋台のようなお店を指さした。冒険者が何人か食べている。
「じゃあそこだな」
人数分頼んで、銀貨2枚を払う、どんぶりのような物に入ってすぐに来た。
「これはもしかしてラーメンみたいなものかなあ」と俺が言うと、
「ラーメンでしょうねえ」とユリ、
「あっこれおいしいです。」とスザンナ、
俺も食べてみる。
「あっ、うん…まあおいしいな」ラーメンと思った先入観がいけなかったのか予想外のスパイシーな味にびっくりした。
まずくは無いな。インスタントラーメンのあまりメジャーじゃないやつでアジア風の物に味がよく似てると思った、醤油でも塩でも、味噌でも、シーフードでも無いやつだ。もちろんカレーでも無い。
ユリもそう思ったのか、無言で食べている。腹がふくれればいいやモードだな。
ユリは贅沢言わずになんでも食べるのが良いな。あいつは泣いたところを見たことが無いし、精神的にも強くハングリーだ。きっと立派な魔法使いになる。
「食べ終わったら、ギルドで貯っている素材とか売って、情報収集しよう。俺はギルドでポーションも買いたい。今の俺たち情報不足すぎる。水源の森の情報を集めて、森に行ってそこで狩りだ。ついでに武器屋で不要な物も売って身軽になってから行こう。」
「そうですね、イイですね。ミチル、こないだのナイフもう作れますよ。」とスザンナ、
バタフライナイフを”カチヤカチャ”取り出し、”カチヤカチャ”としめた。一瞬だ。
ナイフの刃には黒いビニールテープが付いたままだった。スザンナかなり練習したな。
「何それ!!」とベン、
「なんか楽しそうです」とユリ、
「あっ、あああなのニャン」とレン、なんか猫ジャラシに反応した猫のように、手を上下させた。
これはうちのパーティで一気にブームになるな。俺的にはかなり時代遅れだが。
そもそもこの世界はゲームも無く、娯楽が無い。実用的なナイフで遊べるとなるとみんなの眼が輝いた。なんか簡単に作れるゲームを手作りしても面白そうだ。今度スザンナに作らせよう。
「これ、みんなにも作ってくばりましょう。」とスザンナ、
「ああ、良いよ、全員分作ったら俺がテープ貼るまで使うなよ。素材も買っていこう」と俺、
「フフフ」とスザンナ、
しめしめ作戦成功と言った感じの表情だな。
ユリにも近接武器が必要だな。もう少し慣れてから、ユリでも振り回せる軽い武器を持たせることにしよう。
先日の、転送ビーコンが爆弾だった件は、オレ的になんとなく気持ちの整理がついた。
そもそも、俺もなんとなくあの”転送ビーコンはあやしい”と感じていたのだ。
こちらに来る転送はかなり大規模な設備で転送されたのに、帰りはこんな首輪ってありえんよなと思っていたのだ。
約束は破られ、当初の計画ではなくなった。
だが、パンドラボックスは予定通り埋めようと思っている。
これは契約がなんとなく気になるからだ、パンドラボックスを埋めさえすれば、俺に悪いところは何もなくなる。
そもそもこの異世界のような世界に転送したのはあいつらの会社だ。俺はあの転送マシンの操作すらしていない。サークルに歩いて入ったそれだけだ。
オレ側でやるべきことを、全て実行すれば不利な材料を排除できる。
悪いのはあの会社や社長だと言う整理ができる。
もしなにかの方法で現代に帰っても裁判で勝てよな、たぶん。
だから俺は埋めた証拠として携帯端末で画像と取っておこうと考えている。周囲の風景と埋めた写真、それとその土壌のセンサーデータだ。あと、昼間でも太陽と星で緯度経度は計測できる。証拠はそのデータで十分だろう。
この方法であれば、現代にいる母にも迷惑がかかるようなことは無いはずだ、おれは仕事を完璧にやったのだ。
母は、俺が報酬で買った小さな一軒家、俺も一緒に引っ越した。
今はそこに住んでいる。
ガーデニングや手芸なんかが好きな母はきっとそういうことにハマッているに違いない。
口座には十分なお金も入れてきた。
「オレオレ詐欺には引っかかるなよ。」と何度もいいきかせて来た。
そして唯一の希望は、ユリだ、あいつは間違いなく俺がいた年の10年前から転送されてきている。
彼女は学校に行っていなかったが、家で一日中TVは見ていて、見ていた番組が全く俺の記憶とリンクした。
そして彼女のスキル”時空魔法(無効)”と同様に”無効であったゴーレム系の魔法”が魔法使いになった際に”有効”になった。
つまりユリはスキルは持っているが、使用条件を満たしていないだけなのだ。
ゲームでいえばロックされている状況だ。それをユリを強くする中でアンロックできれば解除できる可能性がある。今のところその条件が不明だ。
ユリが現れた際、”魔女っ子のお姉ちゃんは?”とおれに聞いたと言うことは、彼女自身が死にそうになっている自分を助けに行った可能性もあると言うことだろう。
しかも、俺と初対面ではない様子だった、と言うことはその場所に俺もいたと言うことだ。
これは推測だ、俺に都合の良い解釈にすぎないが、状況から考えると、ほぼ間違いない。
俺たちは近い将来なにか時空を移動できる手段を入手する。
ユリには色々聞きたいが、ショックも受けていてまだ本調子ではない。少し元気になったら詳細を聞いてみることにしよう。
それまでは、今まで通りだ。
とりあえずこの町を出たらパンドラボックスを遺跡に埋めにいく、俺たちも強くなった。魔獣を倒す強さも十分だろう。
そして、その後、さらに魔獣を倒しまくって、ユリのレベルを上げ、上級職の魔道士を目指そう。
この2つが当面の目標だ。
その間、生きる為に金も稼ぐ、魔法関連の情報も集める。で良いだろう。
よく考えたら、俺には選択できる道はないようだ。
なんとなく1本の道が見えてきた、今はただそこを進もう。
幸い俺には仲間もいるんだ。
「よーし、冒険者ギルドに行くぞ」みんなに声をかけた。




