ハウザーの宿屋
第12部分 ハウザーの宿屋
迷宮都市ドルガードの門には衛兵が立っている。
「こんにちは、このまま入ってもよろしいでしょうか?」
「迷宮都市ドルガードは通過税は取っておらん、通過して良い。どちらに向かう予定かな?」と衛兵、
「ハウザーの宿屋です。観光でダンジョンを見たくて、この町に来ました。」
まあ、ここは通過点だしな。
「もしかしてミチル殿でしょうか?」と衛兵、
「そうだが、なにか?」
「男爵家から通知がきており、ミチル殿がいらしたら宿まで案内しろとの指示です。いま若い者に案内させます。オーイ、ガイル新兵!!」
「こちら、男爵のお客様だ、ハウザーの宿まで案内しろ。くれぐれも失礼のないようにな。」
とベテラン衛兵が若い衛兵指示を与えた。
「ではご案内します。私が歩いて手綱を引きます。」若い衛兵、
俺は馬車から降りると衛兵の横を歩いた。
迷宮都市ドルガードは真ん中に大きな道がありそれがメインストリートのようだ。その太い道が丘の上まで伸びており、要塞のような建物が立っていた。
「あの要塞みたいな四角い建物がダンジョンか?」と俺、
「ええ、あれがダンジョンです。入るのにパーティで銀貨1枚、60階までの攻略マップ本が銀貨3枚です。ゲートは魔獣が出てこないように奥と、手前と奥の扉で二重扉でロックされていますので安全です。この道がメインストリートで、この道沿いにいろんなお店がございます。武器・防具の各お店、魔法ギルド・冒険者ギルド、雑貨、服屋、家具もろもろです。うら側にも道があり、様々なお店があります。冒険者の多い街ですからなんでもあります。左奥が宿屋や飲食店、右奥が居住区ですね。冒険者の方などが多く住んでおります。あちら側の大きなお屋敷がたくさんあるところは貴族の方々や豪商が住んでいます。そうそう、門の左奥はスラム街ですので近づかないでください。スリや盗賊、ストリートチルドレンが悪さをします。気をつけてください」
「なるほど、都会だなあ、人がいっぱいだ」と俺、
「冒険者が住んでいる。と聞いたが、家を買って定住もできるのか?」と聞く、
「できます、冒険者ギルドに所属していて身元が明らかな必要がありますが、普通の大きさの持ち家ですと、土地利用税が年間金貨10枚。人頭税は免除。賃貸の家ですと、家賃の他に人頭税が1人金貨3枚必要です。税金は環境整備や衛兵などの治安維持、帝国への上納金に使われています。」
「なるほど、持ち家は優遇されているな。」
「冒険者でもここのダンジョン専門にして、長く住む方は優遇されます。ダンジョンから得られる収入で暮らしている人も多いですね。」
「そうか」
「ちなみに普通の家を買うとしたらいくらぐらい必要だ。」
「えっと、金貨1200枚~3000枚ぐらいで、中古から新築の相場です」
「けっこう高価だな、みんなどうやって工面するんだ?」
「冒険者ギルドでランクを上げると信用が上がります。ギルドにチャージする金額や購入する家を担保にお金を借りることができます。」なるほど、住宅ローンだな。
「ハウザーの宿屋に到着しました。こちらです。」立派な門がある、綺麗な宿だ。
入り口の横には、馬車を停める場所と馬が休む厩舎が見えた。
俺たちこんな立派なところに泊まってよいのか?なんかビビってきた。安い宿で良いのに。
「それでは私はこれで失礼します。」若い衛兵が戻っていった。
入り口から主人が出てきたようだ。
「初めまして、支配人のジンです。よろしくお願いします。」
「こちらこそ、お世話になります。」無料だから、偉そうにもできんな。
「お馬、お馬車はこちらで保管し、お馬はお世話しますのでご安心ください、ではお部屋にご案内します」と支配人が言った。
「こちらの300号室が、お部屋になります。中をご説明します」と部屋に通された。やばい、これはまずい。豪華すぎる。断ろう、チラッとだが巨大なベットが一つ見えた。王様じゃないんだから。あそこで全員寝るわけにいかんだろう。10歳の女の子もいるんだぜ。
「あ、ちょと良いかな。俺たちは小さな部屋が好きだ。女4人に男1人だが、何というか仕事の付き合いで、その一緒に寝るようなことは無い。すまないが、女4人が泊まれる家族用の1部屋、男1人が泊まれる部屋の2部屋に変更してくれ」
「はい、かしこまりました。失礼しました。」と支配人、
「こちら王様なども利用いただいたことのある部屋でして、隣に警備や従者が宿泊する部屋がございます。そちらに変更します。部屋も近くになりますので、便利です。では移動しましょう」と、支配人は別の部屋を案内した。
「301がお嬢様方、302がミチル様のお部屋となります。中をご説明します。」
おう、こう言う部屋だよ。いいね綺麗で清潔だ。うお、風呂がある。どういう仕組みなんだ。お湯がでるのか?
「これって風呂だよな?、もしかしてお湯はでるのか?」聞いてみる。
「はい、お湯がでます。お湯といってもぬるいお湯になります。夜5時から8時の間と朝6時~9時の間のみのご利用となります。それ以外は水が出ます。」
「それはすばらしい設備だ、助かる」と、俺。
「トイレと洗面台は各部屋にございます。」と支配人、すばらしい、快適すぎる。眺めも良くて最高だ。
「お客さまの数だけこちらに、タオル、バスタオル、石けん、バスローブをご用意しました。これは当宿では再利用しませんので使用後、宿を出る際に、お持ち帰られて結構です。」
まじか。石けんあるんだな。この時代に。
「失礼ですが、何泊のご予定でしょうか?」と支配人、
「7日間の予定だ、世話になる」と俺、3日ぐらいで良いかと思ったが、快適そうなので7日に変更だ、10日は欲かきすぎだろうから、やめておく。
「かしこまりました、7日分でしたら宿と厩舎のお代はすでに男爵様からいただいておりますのでご安心ください。お食事は1階の食堂になります。朝と夕の2回、お昼もお食事いただけますが、その場で支払いいただく決まりで別料金となります。ご注意ください。」と支配人、
「では失礼します。ごゆっくりお過ごしください」と支配人、
「ありがとう、素晴らしい宿だな。助かるよ。」とお礼を言った。
そのとき、仲居のような女性が支配人の横についた、
「ボソボソ」っと仲居が支配人に話すのが聞こえた。
「ミチルさま、1階に男爵さまとクーランラ男爵嬢がいらしています。」と支配人、
やべ、もう来た。衛兵かあ男爵に連絡したやつは、
「みんな荷物置いて、1階に行こう。細かいことはその後だ」
1階にみんなで移動すると食堂に通された、ああいる、偉い人たちだ。
「初めましてミチルです。よろしくお願いします」と男爵に挨拶した。
「娘を治療してもらい感謝する。ミチル殿は娘を助けてくれたが、同時に私の家にいる者すべてを救ってくれた。家の中がとっても明るくなったんだ。本当に感謝する。」
おお、まともなやつだ、特に偉そうにするわけでもない。
「恐縮です。私、お金をいただき、医者のまねごとをしたまででして、大したことではありません。」と答えておいた。
「お前からも礼を言いなさい」と男爵、
「ミチル様、先日はありがとうございました。」とクーランラ嬢が頭を下げた、
「とんでもない、わたしのような冒険者にもったいのうございます」と俺も頭を下げる。お尻も見ることができました。馬車も手に入れました。なんということもありません。
「父は元冒険者ですのよ、大型の魔獣やダンジョンを討伐し爵位を受けた者です」
とお嬢様、
そう言うことか、男爵の父は見た感じ騎士で、母は魔法使い、メイド長がアサシン、娘も魔法使いになれる血筋。そうかだから男爵か。”目利き”で男爵を鑑定してみる。
”竜騎士”LV40!!まじでヤバイやつだ、どおりで偉そうにしないわけだ、”たたき上げの本物”だからだ。
「そうでしたか、通りで、尋常ではない使い手とお見受けしました、先日お嬢様の付き添いでいらした方も、かなりの腕前と見ておりました。冒険者のご先輩方々には感服いたします。」と深く頭を下げた。
男爵はウンウンうなずいている。お嬢様がなにか小さい声で話した。
「ミチル様は魔法使い職のようですなあ、ジョブとレベルをお聞かせ願いたい。」と男爵、
そりゃ気になるよな。
「ジャンクコレクターという魔法使いの系列ジョブでLVは15です。」と俺、もう正直に答えるしか無い。
変なこと答えて嘘がばれるとみんなの首が飛ぶ可能性だってある。
「ユニークジョブですか、それは珍しい。故にユニークスキルをお持ちかあ」
と驚いている。
「変わり者です、すいません。」と頭を下げた、
「では、私は失礼しよう。本当にありがとう、どんな男が見ておきたくてな、頭の切れる男のようだ、では」と部屋を出ようとし席を立ち、俺の後ろにいたメンバを見た。
「ミチル殿、お仲間をご紹介いただけるか?」と男爵、
「では紹介します。」とパーティメンバーを紹介する。
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①ミチル :ジャンクコレクター LV15
②レン :スカウター LV10
③ベン :竜騎士 LV1
④スザンナ:鍛冶師 LV3
⑤ユリ :無職(魔法使い)
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「ユリは、無職から魔法使いに転職する予定です。」と説明した、
「ほう、竜騎士とはな、ちなみに聞く、竜騎士のスキルは何だ」と男爵、疑っている感じだ。
「竜騎士のアクティブスキルは、ドラゴンジャンプと真空兜割です。転職と同時に騎士のスキルは消えました。」と答える。これだけでもレアな情報はずだ。騎士の上位スキルでは無いのだ。
「ほう、知っているな。で、なにをどおしたらジョブを得た?」おー聞いてくるね。
「詳細は不明ですが、私どもお金が欲しくて、レッサー・ドラゴンばかり狩っておりました、ドラゴンにそうとう恨みをかったのかも知れません。数十は倒したかと」、ここはごまかした。
「おう、そうかワシもだ。ワシもレッサー・ドラゴンを一人で毎日討伐し金を稼ぎ、良い装備を買ったのだ、合計100匹ぐらい倒したかなあ。ある日ステータスを見たら竜騎士のジョブを得ていた。なるほど、うーんやはりそうか、ウンウン」と男爵なにか考えがあるようだ。
「やはり私の考えに間違いは無かったな。レッサードラゴンを毎日狩ることで竜騎士に成れる。そちらのお嬢さん竜騎士になりたてだな、竜騎士の達人への道のりは長い、そうだワシの必殺技を教えてやっても良い。いままで生きてきて、ワシ以外の竜騎士を初めて見たし、ワシも年だ、いつ死ぬかもわからん、せっかく長年研究し独自に編み出した技を伝えられず死ぬのも惜しい。そしてこの国はこれからも魔獣は狩らねばならん。」
「必殺技、やっぱりあるんですね。連続スキルを使用した物が」と言うと、男爵はニンマリ笑った。
「気づいたか、気づくよなあ普通」と男爵、
「すごいものを見せてやる、明日でどうだ?ついでに、スカウターのお嬢さんは、アサシンの達人であるローレルから、教えを受ければよろしい。もう気づいているとは思うが、ジョブとレベルは指標にすぎん、弱い魔獣をたくさん狩っても到達できる。だがそのような者が強い魔獣と戦えるかというと別の話だ、日々の鍛錬による剣術の技能や工夫、魔獣の生態や弱点の把握、推測、強い相手との戦闘経験なんかは単にジョブとレベルが上がっても身につけられ無い。明日は良い勉強になるぞ」
と男爵、
「男爵どの、是非お願いします」とベンが口をひらき、深々と頭を下げた。
「私も、よろしくニャ、です。」とレン。
「よーし、娘を治療したお礼に必殺技を伝授しよう、ハハハ、これはいいぞ」男爵が笑いながら去っていった。
クーランラ嬢とローレルマインヤーさんが俺のところにやってきた。
ローレルマインヤーさんは今日はメイド服ではなく、女性用のスーツというのだろうか、受付嬢のような格好と言えば良いのだろうか、ブラウスと短めのスカート、ジャケットを着ている。スゲー足長いのね。
「お父様ったら、あおのようなことを、ミチルさん大丈夫ですか?」とお嬢様、
「いえ、このような機会まず無いことです。大変ありがたいことです。ローレルマインヤーさん、レンに技の伝授お願いします」
「ミチル殿がそう言うのでしたら問題ございません、父も楽しそうでしたし」とお嬢様、
「ミチル殿、お嬢様をお救いいただき、私とても感謝しております。私の技など教えるくらい何でもございません。明日準備してお待ちしております」とローレルマインヤーさん
「それで、わたしからお願いがあります、場所を移動したいわ」とお嬢様、
「ああ、そうですか、長くかかりそうでしょうか?」なんか嫌な予感だ、
「ええ、少々」お嬢様、
「実は今から仲間とジョブ神殿で魔法使いへ変更させ、少々買い物の予定でして、夕方どうでしょうか?」と俺、相談とかいまそう言う気分じゃないんだよな。
「ジョブ神殿、買い物...私も付き合います、良いですかローレルマインヤー」と、お嬢様、
まじか、断れないと言うか、おれに同意を得る気もないらしい。お嬢様らしいな。
「お嬢様、ミチル殿にご同行の許可を得たほうがよろしいかと」とさすが”ローレルマインヤーさん
「ミチル殿が断るはずありませんわ、ですわよね?」とお嬢様、
「も、もちろん大丈夫です」
こんなん断れんわ!!
「では私がご案内します。」と言うと歩き出した。
「では少々準備ありますので」と、後ろのみんなを見ると、部屋に向かったようだ。
「お待たせしました」ベンが戻ってきた。
どうやらみんな、リュックの中身を抜いてリュックとお金を持ってきたようだ。
「じゃ、行こう」と俺、
みんなで街をぞろぞろ移動した。
「こちらがこの街のジョブ神殿です」とお嬢様、
「じゃ入ろう」相変わらず郵便局のような作りだな、受付に行く。
「こちらの女の子を、魔法使いに変更してもらいたい」と、俺
「では水晶に手を乗せてください」ユリが水晶に手を置いた、
「魔法使いですね。大丈夫です。金貨1枚になります。」金貨1枚を受け付けに渡した。
「では、ステータスで確認してください。」
「”ステータスオープン”」ユリが確認する。
「私、魔法使いになってる。フフお兄ちゃんありがとう」とユリ、俺の手を握ってきた。
うん悪くないなあ。少女の手も。
「そうか、よかったな」と俺、
「わたくしも、ついでに」とクーランラ嬢、
「えっ」と俺、クーランラ嬢と眼が合った。
「いえ、私も魔法使いになろうかしらと思いまして」とクーランラ嬢、
ああ、こいつまだ無職だったな。こないだまで引きこもりのニートやってたんだっけ。
「それは、良いですね。やはり無職というのはよろしくありません。いまお金お持ちでなければ私が出しましょう」と俺が言うと、
ローレルマインヤーさんが後ろで、ウンウンうなづいていた。
いままでこいつなにやってたんだろうな。”無職で”と思う。ああニートだったか。
「そうですね、ではお願いします。必ず明日おかえししますわ」とクーランラ嬢、
クーランラ嬢の転職が始まった。金貨1枚を受付に渡して完了した。
「”ステータスオープン”」クーランラ嬢が確認する。
「たしかに、魔法使いとなりました。特に問題ありませんわ」とクーランラ嬢、
「クーランラ嬢おめでとうございます」と俺、
「あ、ありがとうございます」とクーランラ嬢もうれしそうだ。
「では移動しましょう、冒険者ギルドへの登録、服、雑貨、魔法使いの装備などを買います」と言うと、
「では、雑貨から」とクーランラ嬢、
雑貨屋でユリが使うリュックや水筒、歯を磨く枝を買い、服屋で必要な物を購入した。
冒険者ギルドへの登録も完了し、MP回復薬も2本金貨1枚で購入した。
「こちらが武器防具屋です」とクーランラ嬢、
大きな店だなと思った。後ろのメンバーを見る、うちの装備好き達の眼がキラキラしていた。買わんぞ何も。
「魔法使いの装備ってなにか知ってる?」とベンに聞いた、
「系統が違うので知らないなあ」とベン、そうか
店の店員に聞いてみることにした。大きな店だけに店員も多い。
「すいません、魔法使いの装備ってなにがよいのでしょうか?」とシンプルに聞く。
「はい、魔法使いは、主に帽子とローブ、杖が専用です。これらの装備を装着することで魔法の効果が高まり、MP使用量が少なくて済みます。手袋とブーツは特に普通の物で大丈夫です。」と店員、
「では、帽子とローブ、杖を見せてほしい」と言う、
「とではこちらに」と魔法使いのコーナーに移動した。
そうだ、
「みんなは自由に見ていいからな」ベン達に言っておく、するとベンとレン、スザンナが自分の見たい物のコーナにそそくさと移動していった。
俺とユリ、クーランラ嬢とローレルマインヤーさんで移動する。
「こちらがお勧めの品です。魔法使いの帽子、魔法使いのローブ、ミスリルの魔法杖が性能的によろしいかと」なるほど、ミスリルは魔法伝導が良いとか言ってたな、そう言えば”鍛冶師のハンマー”もミスリル製だ。
「ミスリル製と言うのは、やはり魔法の通りが良いからなのか?」ついでに聞いてみる。
「お客様よくご存じで、ミスリルとオリハルコン、聖銀の3素材は魔法鉄鋼とよばれる種類の金属、魔法の通りがよく、相性がとても良いです。ですが、残念ながら産出量が非常に少ないのでその素材を使用するとお品物は高価になります。」
なるほど、わかりやすい説明だ。
「他には?」と他の物も見せてもらい、”目利き”のスキルで確認したが、お勧めの物で良さそうだ。
「では、この子にぴったりか若干大きめのサイズで頼む、で幾らになる?」
「金貨12枚いただきます。」く、魔法使いの装備って高いな。しょうがねえ。
「では、あとグローブと、ブーツも見せてくれ。」
「はい、こちら、ハードレザーか竜革がお勧めです。ハードレザーだと2つで金貨2枚、竜革ですと2つで4枚です。」なるほど、スザンナも含めて相談することにする。
「スザンナ、竜革の装備って作れるか?」と俺、
「作れます。大丈夫です。買うより作ったほうが安いです。」
「魔法使いの装備はどうだ」と俺、
「魔道具ですかあ。レシピがないので無理です。」とスザンナ、そう言うことか、
「じゃ、他になんか買う物ある?」とおれが、スザンナに聞く、
「では、ミチルのショートショード、槍、レンのショートソード、私の大斧を鉄製からダマスカス鋼の物にすると、攻撃力があがりますから今回素材を買って強化すると良いだろうなあ、すごいんじゃないかなあ、とかでしょうか」とスザンナ、
ダマスカス鋼の武器が欲しいって言えばよくね。後ろに控えたメンバーがじっと俺の様子を見てた。そう言えば、以前ペットセンターでバイトしてた時、商品のペットに餌やる時、犬が一斉にこんな顔してたな。
「じゃそうするか、レシピ確認して、ダマスカス鋼とか竜皮も買おう。どれくらい必要か見積もってくれ。あと見本の確認もな」と。スザンナに指示を出した。
「ミチル殿、スカウターの靴には、こちらで購入できるエゾキングオオヤモリの足裏革を貼りますと格段に動きがよくなります。これはとてもお勧めできる工夫です。」とローレルマインヤーさん、さすがだ。さすがアサシンだ。
「そんな工夫があるとは、知りませんでした。アドバイスありがとうございます。今回購入することにします。」と俺、
レンの靴も竜皮にして”エゾキン”とかの足裏革を貼り付けた方がいいよな。スザンナに相談したらOKだとのこと。
「ミチル、見積もりできました。」とスザンナ、なかなかの量だ、さっきの店員に相談する。
「魔法使いの装備3つ、それとこのメモに書いてある、ダマスカス鋼と竜革など、エゾキングオオヤモリの足裏革を靴裏一人分でいくらになる?
「少しお値引きしまして、金貨30枚です。」そこそこガツンとくる金額だな。全く払えん額でないところがニクイ。
「じゃもらおう、俺とあの鍛冶師がボックス持ちだから入れて持って帰る。」
金貨30枚を数えて支払った。
「まいどありがとうございます。こちら期間限定のサービス品です。どうぞ試しにご利用ください。」といってなんかサービスしてくれた。四角い箱に入っている。少し重いな。
「なんだこれ?」
「魔獣の解体などに便利な折りたたみナイフです。大きすぎず、小さすぎず、大変好評なお品物です。」なるほど、あとで部屋で開けてみることにする。俺がAmazunで買った大型ナイフは全然切れなくて役にたたん。間違って実用品ではなくインテリアを買ったのかもしれん。外見だけで買ったからだな、たしか3900円だった。
「クーランラ嬢、買い物が終わりました。」と俺、
クーランラ嬢も、仮にお金を持っていたら、魔法使いの装備を一式買う勢いだった。まあ買うんだろうなもう魔法使いなんだし。
宿屋に戻る、お腹がすいてきた。
支配人がいたから、聞いてみた。
「お昼ご飯たべたいんだけど、7人で幾らぐらいなの?」と俺、
「金貨1枚でよろしいかと」と支配人、そうかそんなもんか?
「クーランラ嬢、7人全員でお昼どうですか?こちらの食堂でよろしければ、私がごちそうします。そのあとでお話を伺うということでいかがでしょうか?」と俺、
「ミチル殿、それではお言葉に甘えさせていただきます。ローレルマインヤーよろしいですか?」とお嬢様、
ローレンマイヤーさんも頷いた。ローレルマイヤーさんは別格なんだろうな通常メイドとはご飯一緒に食べない気がする。みんなでワイワイたべた。クーランラ嬢も楽しげだ。
食事が終わりみんな自分の部屋に戻る、正直みんな疲れてるからな、”野営”とかで。
「クーランラ嬢ではお話しましょう、えーっと何処が良いでしょうか」と言うと、
「では、ミチル殿の部屋で」とお嬢様、大丈夫かな。不安になってきた。
部屋に入る、俺の部屋は302号室だな。鍵を開ける、
「ローレルマインヤー、貴方は食堂にて待っていてください。1時間か2時間で終わります。」
と、クーランラ嬢。
「お嬢様、ですが…」と、ローレルマインヤーさん
「ここは、お願いします」と、クーランラ嬢
「分かりました。では食堂で」
「ではこちらのテーブルにお座りください。」と僕が言うと。
”ガチャ”クーランラ嬢が部屋のドアに鍵をかけた。俺の、19歳で童貞の心臓が”バク””バック”と大きく弾んだ。




