『発想の転換期に於ける諸現象』
⑴『発想の転換期に於ける諸現象』
㈠
人間には、生きている上で、発想の転換期が訪れる様に思う。簡単なことではない、その場を乗り切るためには。人生を決定付けるその転換期は、一回性というものを待っている。所謂、辛い衝動と伴に、それを自分の人生に取り込むことで、色彩を帯びるのである。
㈡
少なくとも、若い頃には、全うな性善説に憧れたりするものの、やがて、それが親が規定した、悪人正機からの還元であると気づくと、自己の人生に対する価値観が変容するのである。風景の諸現象が、悲しみに揺れる様に、諸現象として、転倒する訳である。
㈢
誰かの仲間だったことが、誰かに搾取されていた、と気付くこともある。これは、半分正解で、半分不正解だろう。誰だって、自分と価値の違うものに、憧れるものである。何かを信じ切った者と、何かを裏切った者が、共存すると過去に誰かが言ったが、まさしく、同時成立して一緒に行動することに、一つの意味が見い出される。