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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

目撃者

作者: 狐兎

‐鉄道人身事故編‐

俺は、学校プロジェクト発表会のため、H市に来ていた。

発表も無事に終わり俺は帰宅の途についた。最寄り駅のK鉄H駅に着き、上りホームN方面に降り立った。

俺はホーム中央階段の壁にもたれN行きの急行電車を待っていたホームには付近の学校の終業時間と重なり学生も一般人に混じりポツポツいた。

ふと俺の右前にいる男に目が行った・・・その俯き気味に男はふらふらとホームの縁に立ち、今にも線路に落ちそうにしていた。俺は何だこいつ?と思いながらも視線を外した暫くすると、ホームを巡回しているH駅の駅員が男を見つけホームの安全な内側まで男を押し戻したが駅員がいなくなるとまたホームの縁に立っていた。

そしてホームに自動アナウンスが流れた


『まもなく列車が通過します危ないですから黄色い線より内側にお下がりください』


自動音声の後、通過列車接近を知らせるチャイムが鳴り響きH駅にN行き特急が迫って来た。俺の視界には通過列車や通過を待つ人そしてあの男・・・通過列車が侵入しホーム中央に来た時、日常の風景が非日常になった・・・。

あの男がホームから飛び出し通過列車の前に飛び出した。

ドン!

と鈍い音が聞こえ、通過列車は通り過ぎていくと同時に

キキキー

車輪とレールが擦れ合う音を響かせていった。

そして、残されたのは男の荷物と付近にいた人たちの驚きと悲鳴だった。

通過列車はかなりのスピードが出ていたせいか衝撃から停車までかなりの距離を進んでいった。自分がいた位置から200mから250m進んだ場所に最後尾の車両が止まっていた。そのすぐ後ろに先ほどまでホームに立っていた男らしい人が線路上に横たわっていた。

男が飛び込んだ場所から横たわっている場所までの線路上には男の肉片が所々にこびりついていた。

周囲には何とも言えぬ臭気が漂っており不快な感じになった。

線路上にはまだ男が横たわっている・・・

ホームも騒然としている・・・

しばらくして輸送指令とのやり取りが終わったのか、列車の車掌と運転士らしき人が車両から降りてきて男を線路わきに移動している様子が見えた。

男を移動させるとき男の体がグネグネとしているのが遠目にも見えた。

やはり飛び込んだ後、線路に落ち通過列車の床下と線路で揉みくちゃにされ全身の骨が折れていたのだろう。まだ人の形をしていたのは不幸中の幸いだろうか・・・

俺は今回の人身事故目撃者の一人として駅員に協力し、遅れてきたN行き急行に乗車してH駅を後にした。

男が横たわっていた場所付近を通過する時には男にブルーシートがかけられていた・・・

人の生死に対する考え方が変わりました。

二度と遭遇したくないですね

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