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失敗の代償

 そして翌日。

 あたしたちが質素な朝食を食べていると、昨日見た顔が近付いてきた。


 あたしが始末書を渡したお役人である。


 書類不備でもあった?

 それとも、個人的にお小言?


 なんて思っていると、お役人はあたしたちに向かってこう言った。




「トンネルを新たに掘ってほしい。200ギルダーだ。」




 へ?

 トンネル掘って200は安くない?




「この始末書は受け付けないと言われたんだよ、上に。

 そいつにトンネルを掘らせてもともと支払う予定だったカネで済ませろとよ。」




 ……なるほど。

 お役人ってのも、なかなか苦労するようで……。


 半分は、ルミのせいだけど。




「お話はわかりました。

 で、それって何日ぐらいかかるんですかね……?」

「まぁ3人がかりなら2週間もあれば何とかなるんじゃないか?」

「は、はぁ……。ガンバリマス……。」




 最初に文句を言い出したのは、ハツネだった。


「ねぇ、あたし関係なくない?

 アキちゃんが請けて、ルミちゃんが爆破して、やりすぎて。」


 あたしも続く。


「そうだよ、ルミが爆破して、やりすぎて。」


 ルミが続く。


「はい、あたしが爆破して、やりすぎて。


 だって発破なんて初めてだったんだもの!

 魔物はあれくらいじゃ吹き飛ばないわよ!?」


 3人とも使える小さな呪文でこつこつと。ひたすら掘る。掘る掘る掘る。ついでに崩落しないように固める呪文もかけておく。ルミが。

 というか、あたしは呪文より、マトックで掘りたい……。

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