強敵現る?
あたしたちは、イヤな予感に包まれていた。
ドラゴンが空を飛び回るなんて、相当なことだ。何か大きな事件の前触れ。
もしかしたら、チビの親かもしれない。取り返しに来たの? ……でも、ドラゴンは、征伐しなければならない。今のあたしたちに、倒せるだろうか? どの程度の大きさなんだろう?
「そんなに大きくはないね、きっと産んだ卵を見失って飛び回っているのさ」
そう言われて、確信に変わりつつある。きっと、チビのおかあさんだ。
「……あたしたちに、倒せると思いますか?」
「そうさなぁ、お嬢ちゃんたち、ゴブリンくらいなら素手で倒せると見たね。冒険者歴30年の勘だよ。察するに、ストーンゴーレムも倒したことがある、違うかい?」
――ストーンゴーレム。まだ闘ったことはない。でも、ハツネがいるから、フレッシュゴーレムを倒したときの感覚で、闘れるだろう。
「えぇ、まぁ、フレッシュゴーレムなら瞬殺です。」
お調子者のルミが答えた。
「ちょっとルミちゃん、あたしがいないと無理でしょう!?」
ハツネが言う。
「そ、そうよ、3人いればなんとやら、3人でならなんとかなるかな、って程度で……」
あたしは言う。
「そいつぁ頼もしいパーティだね、間違いない、お嬢ちゃんたちなら、あのドラゴンを倒して、この街から勲章を貰えるさ。是非倒してくんな、俺にゃあもう無理だ」




