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昼食
遅い朝食を終えたあたしは、宿に戻ってルミとハツネを叩き起こす。
「アキ、何食べてきたの、いいにおいさせちゃって。」
「ほんとだよ、お肉?」
どうやら鹿肉の炭火焼きのにおいがローブに染み付いているようだった。そういえば、店内すごいにおいだったな……。
「「あたしもお肉食べたいんだけど!!」」
何故かルミとハツネがハモる。仕方がないので、さっき行ったばかりのお店に2人を案内がてら行くことにした。なんか、気まずいんだけど。残してチビに食べさせちゃったし。
「お、お嬢ちゃん、もう腹が減ったのかい?」
余計な心配だった。店主は気さくに冗談で迎えてくれた。
「さすがにあたしはもういいです、あたしが頼んだのと同じ料理を連れの2人にお願いします。」
笑いながらそう答えて、ハーブティーをすするあたし。……ハーブティーの香り、しないんだけど。鹿肉のにおい、きっついなぁ……。