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龍の飼い方
チビを飼うことにしたあたしたちは、困っていた。
このまま町に戻ろうものなら、何を言われるかわかったもんじゃない。
知らない町ならまだなんとかなるだろう、そう思ってチビを連れて街道をぼちぼちと歩いていく。チビは意外なことに雑食らしく、道端の草なんぞ食べている。肉食ですごく面倒な餌になったりするのかと思っていたのだが、余計な心配だったようだ。
周囲の旅人たちも、特に気にしている様子はない。これだけ小さければ、ドラゴンには見えないだろう。とはいえ、犬や猫には見えないだろうが……。
などと思っていると、不意に柄の悪い男が現れた。
「ようねーちゃんたち、面白いモノ連れてるじゃねーか。それ、貰ってやるよ。」
「貰ってやるよじゃないわよっ! あんたなんか敵じゃな……」
言い終わらないうちに、ルミが呪文の詠唱を終えていた。
”Verbrenn!!”
男は黒こげになって逃げていった。