表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/25

見解の相違

 ワーウルフの「巣」へ向かう途中、2頭のワーウルフが草むらから飛び出してきた。

 戦闘開始……かと思ったが、珍しくハツネがあたしとルミを制止した。


「あなたたち、人間の言葉はわかる?」


 ハツネがワーウルフに問い掛ける。

 そういえばさっきは派手にやっちゃったけど、よく考えたらこいつら結構頭いいんだっけ……人権はないとしても。


 言葉こそ話さないが、こくこくと頷くワーウルフ2頭。


 んー、よく見たら可愛いかも? ペットにいいな。番犬より賢いぞ。

 ハツネが続ける。


「じゃあ、よく聞いて。

 この2人に殺されたくなければ逃げて。

 片方は、さっき人様の家を燃やして中の人ごと燃やしたのよ。」


 ルミが叫ぶ。


「待って!

 自分はカウントしないのかぁー!?

 っていうか、中の人は燃やしてないっ! 家だけっ!」


 少しきょとんとした様子のワーウルフは、出会い頭に詠唱を始めていたルミの掌の火球を見て、ぶるぶると震え、逃げていった……。




 ハツネに質問してみる。


「ねぇ、ハツネちゃん、ずっとこの調子で逃がすつもりなの?」


 間髪入れず返事が来る。


「そうよ。

 だって、ワーウルフが街を襲って何のメリットがあるの?

 誰か――誰かか、何かかはわからないけれど、操られているかなんか、なんじゃない?

 それを探るのがあたしたちの仕事だと思ってたんだけど、違うの?」


 ルミは言う。


「えっ。巣ごと爆破でもしようかと思ってたんだけど、違うの?」


 ……どっちもおかしい気はするけど、ハツネの言い分の方が、なんとなく正しい気がしなくもない……。




 結局、完全に空き家になった「巣」に、あたしたちは辿り着いた。

 はてさて、どーしたもんか。


 と、不意に何かが視界の隅に入る。

 人影……にしちゃ、大きすぎるっ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ