4.シルヴィア
506.〈名無しの魔族〉
おい!!!あれおかしいだろ!!チート使ってるって!!!
507.〈名無しの魔族〉
>>506 どうした? 落ち着けよ。
508.〈名無しの魔族〉
>>507 下僕が一人しかいない特殊ランカーだよ!!マジ意味わかんねぇよ!!
509.〈名無しの魔族〉
510.〈名無しの魔族〉
511.〈名無しの魔族〉
>>508 一人……?あっ(察し
512.〈名無しの魔族〉
>>508 あぁ、ちょっと前にいた初心者か。どうにか心は折られてないみたいだな、セーフセーフ。
513.〈名無しの魔族〉
保険南無南無が効いてよかったわ。これでシルヴィア被害者の会に仲間入りできるぞ。
514.〈名無しの魔族〉
いやいやあれは絶対チートだってまじで。
515.〈名無しの魔族〉
まぁあの城を攻略したのは一人しかいないからチートって言われても無理はないな。
516.〈名無しの魔族〉
>>515 あそこも大概だけどなwwww
517.〈名無しの魔族〉
初心者は初心者らしくテンプレ読んで成長してくれよな。
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最近収まってきていた攻城が突然開始され、シルヴィアに緊急で出てもらった。
戦果は完全勝利。いつも通りだ。
防衛に成功して得た資源を確認していると、シルヴィアが防衛を終えて帰って来たのか、部屋のドアがノックされる。
「入っていいよ。」
僕が声をかけると、木製の押しドアがギィと開き、薄紅色の髪が良く似合う一人の少女が入ってきた。
その服装は同じく薄紅色で、端正な顔立ちだがまだ若干の幼さが残る表情をしながら部屋のソファーに座っている僕に近づいてきた。
「ありがとね、シルヴィアっ。」
「当然の事をしたまでですご主人様。そのような言葉は必要ありません。」
決して邪魔にならない場所で止まったシルヴィアに、僕は微笑みかけながら感謝を伝えた。
しかしシルヴィアは顔が鉄で出来ているのかと思ってしまうほどの無表情、さらに抑揚の無い声でそう答えた。
「あ、そうだ。今日はシルヴィアにプレゼントがあるんだ。」
「私如きにプレゼントなど。どうぞ遠慮させていただけますでしょうか。」
「そこをなんとかっ! だって今日は僕とシルヴィアが出会った日だろ? どうか貰ってくれっ!」
今日のためにDTCOに課金して購入した指輪のアバターアイテム。
一周年のために気合いを入れて買ったものだ。どうしても受け取ってほしい。
俺がアイテム化して差し出した指輪を、シルヴィアは数秒間睨み続け、しかし優しく僕から指輪を受け取ると、
「いつ次の攻撃が来るか分かりません。私は警戒に当たる故、失礼させていただきます。」
「あ、うん……。ありがとねっ受け取ってくれて。」
やっぱり決心して渡したけど、僕なんかから指輪を受け取るなんて迷惑だったのだろうか。シルヴィアは一瞬顔を苦渋に満ちた顔にして、その後僕に一礼すると、ドアから部屋を出て、廊下を歩いて行った。
「一年間シルヴィアと一緒にいるけど……。中々彼女の心が掴めないなぁ……。」
僕はそう呟いて溜息をつくと、指をサッと振るおろし、メニューを表示させる。
そこからアイテム一覧をタッチして、シルヴィアにプレゼントするように購入した課金アイテムの項目を選択。
そこには、渡し損ねた百はあろうかという好感度アップ用課金アイテムがずらりと並んでいた。
それを見てもう一度溜息をつき部屋の天井を見上げると、シルヴィアの顔が脳裏を過ったのだった。
・
「く、くふふっ……ご主人様のプレゼントっ……!!」
ご主人様の部屋から出た私は、廊下を途中まで歩くと、ご主人様から頂いた私と出会った記念の指輪を薬指にはめ込んだ。何処までも私を思ってくれているその大きい器に胸をときめかせると、私は抑えきれず、優美な笑みを浮かべてしまうのだった。」