夜討ち朝駆けは戦いの基本。忍者ではない。
ゴブリン退治の朝は早い。
ゴブリンハンターは言う『新鮮な足跡は見ればわかりますね、見張りと斥候でこの量ですと、巣の規模は40体程度でしょう』さりげなく語るが、そこには年季と自信が伺えた。
◇◇◇
ゴブリンは本来夜行性だ。夕方に起きて明け方に寝る、そんな生活サイクルをしていたらしい。しかし奴らも人族と敵対関係にある事は理解している。獣並みの知性を働かせ人族が活動する昼過ぎから活動している。部族単位での2交代制勤務というところか。そんな訳でゴブリン集落の弱点は明け方であるのは確定的に明らか。
なぜCランク冒険者となった俺がゴブリン退治をするのか?実はゴブリンが危険だからだ。新米冒険者のお約束のようにいわれるゴブリン退治だが、新米パーティーにおける死亡率は150%。メンバーの1人が死んで、さらにもう1人死ぬ確率が50%。
今回巣の規模が大きめであるということで、借りのあるギルド長に頼まれゴブリンの巣を潰しにきたのだ。
・・・さてどやって巣を潰すか。岩場の洞窟を見て考えるふりをする。
もし、俺が汚い忍者であれば煙で巣を炙って出てきたゴブリンを個別に撃破するだろう、出口に落とし穴を用意するのも良いな。忍者流石きたない、そんな事をしたらシナリオが崩壊する、GMコールものだ。
だが俺は光たるナイト、洞窟に囚われている人族がいる可能性を考えるとそれはできない。格下相手の狩りだ、何も考えずに突っ込んでハイスラでOK。
(中略)
『ふむ、ゴブリンの巣の駆除、助かった。』
『それほどでもない』
『確かにお主ならそうなのだろう。ほれ、報酬 金貨10枚じゃ』
『9枚で良い。少し多いのでは?』
『貴族の娘が囚われていた。しかしそれを公にすることは外聞が悪くできなかった為、救助や駆除の依頼は出ていなかった。まぁ感謝と口止め、半々じゃな。』
『それを俺にいう時点で口止めは時既に時間切れ』
『まぁお主はそれがドコのお嬢かも知らんじゃろ。問題ない』
しかし予想外の収入を得た。これで金策にあえぐ日々は奈落の彼方。趣味の日焼けをアッピルしつつ、のんびりとした日々を過ごせそうだ。