マッチョなエルフは変ですか?
光=ナイト
闇=暗黒剣
光と闇があわさり最強に見えるのがナイトたる俺が最強である根拠の1つ。なのに俺がダークエルフの暗黒騎士だという噂が広まっている。
理由は俺がもつ暗黒剣<暴食の剣>と俺の見た目(種族特徴)がやや特殊なことである
・エルフのような長い耳
・色黒
・銀髪
・ややマッチョ
これでは「肉体派ダークエルフ」と判断されるのも仕方がない。個人的には「耳が長い人族」であって欲しいのだが。パーティメンバーを守る光たるナイトがモヤシエルフと間違われるとはあってはならないし、そもそも暗黒面に落ちたダークエルフでは、<暴食の剣>の闇に飲まれて頭がクルって死ぬ。暗黒剣は光たるナイトでなければ所持できないのだ。
元の世界での自分と同等の種族はこの世界にはいないようだ。このことをギルド長に相談する。
『俺が光たるナイトだ』
『そう言われてもな、皆がお主を暗黒騎士だと判断するのは妥当じゃぞ?』
『その浅はかさは愚かしい。俺のプライドが地獄落ち』
『では、日焼けしたハーフエルフではどうじゃ?』
『それは珍しい珍味だな』
『光属性のナイトも初耳じゃ。たいして変わらん。』
エルフとのハーフであれば、「筋トレと日焼けが趣味」と言い張ることで誤魔化せるとアドバイスを貰った。ふむ、俺の設定が1つ増えたな。
◇◇◇
そんな訳で日焼け趣味を実践する、いわゆるアリバイ作りだ。街を囲む外壁の入り口近く、平原で椅子を取り出しパンツ1丁で日光浴をする。街中で裸でいたら憲兵に文句を言われた、仕方がないので外壁の外である。
この門は街を出入りする冒険者も多く利用する。「何をしているんだ?」と声をかけられる度に「趣味の日焼けだ」と返す。そして俺が謙虚で正しいナイトである事をしっかりとアッピルする。うむ、完璧だ。
こうして「日焼けの振りをした露出狂」という不名誉な噂が新たに発生した。