うらない
魔力を宿すものがうまれて、長い年月が過ぎた。
今、大地は六つの氏族によって治められていた。
北の地を地の精霊族、緑神家
東を風の精霊族、紫神家
南を火の精霊族、赤神家
西を水の精霊族、青神家
そして全てを統括する役目を光の神族、黄神家と、闇の魔族、灰神家が担っていた。
その日、一年の終わりに各家の当主が集まった。
毎年、翌年の吉凶を占い、それに応じた人員を配置することになる。
いつも通り、妖に対する備えについて占ったあと、各地で起こりうる未来を視る。
「これは……⁉」
そこに視えたものは、翌年の未来ではなく、何年もたった先の未来。
全てが滅びた後の未来だった。
大地も、海も空も、すべてが霧のようにほどけて消えていく……。
すべてが消えたあと、そこには三つのひかりが残った。
ひかりが強く輝きだし、やがてもとの世界に戻っていた。
「このひかりが鍵、か……」
「だが、そのうちの二つのひかりは強すぎてなにかもわからんな」
「残りの一つも、逆に弱すぎてわかりませんし」
「この啓示の時までには、しばらくの時間がある。
様子をみるしかあるまい」
「そうですね」
当主達は頷きあうと、改めて翌年の未来を視る。
今度こそ正しく占いをおえ、新年を迎える準備を始めた。
来年も無事にすごせるように。
未来における滅びを避けることができるように。
この次から、メインキャラ登場。