こはくのまぐ
「まだやってるのか」
剣を振り回す姫華を、琥珀は呆れたように見た。
「当たり前でしょ。
わたしの魔具は剣。
神眼の力は、身体能力の増強。
そうである以上、剣技を磨かなくちゃならないんだから」
姫華が最大の威力で力を使うには、敵に直接剣で魔力を打ち込むことになる。
そのためにまず必要なことは、敵に剣を当てるための技術を身につけること。
だからこそ、話しながらも姫華は剣を振り続ける。
「……姫の力を見ればわかるだろう。
魔力を使うには、制御が重要だということが。
剣を振るうだけではなく、魔力と合わせることを身に付けろ」
「魔力と合わせる?」
「そうだ。見てろ」
琥珀はまず訓練所に設置してある魔道具を使い、いくつかの的を出した。
そして自らの魔具、小型の銃を構える。
銃に魔力を込めると、引き金を引いた。
銃口が光った瞬間、的は全て破壊されていた。
「光はもっとも速く敵に届く。
強力な力を持つ妖以外なら、魔力を細かく放出することによる攻撃の方が効率的だ」
「あー。そうかも」
「そうでなくとも、魔具に魔力を込めることには慣れておいた方がいいに決まってる」
「……そっか、わかった。
それにしても琥珀、なんか悩み、解決した?
スッキリした顔をしてるけど」
「お前には関係ない」
「……あっそ」
ふん、と顔をそむけると、琥珀は訓練所から出ていった。
姫華は時間を確認する。
「あ、もうこんな時間だ。
更紗のとこ、行こっと」
剣をしまうと、ご機嫌に歩きだした。
ーーー
「今日はなんだか機嫌が良いみたいですね」
微笑みかける更紗に、姫華も笑いかける。
「うん。琥珀がなんか元気になったみたいで、魔具で魔力使うとこ見せてくれたんだ。
二年間、一緒にいること多かったんだけど、魔具使うとこ見たことなかったから」
「光の属性は、接近戦を得意とする方が多いですからね。
そのなかで遠距離を得意とすることを、気になさっていたようですから。
ですが、光で遠距離というのは、かなり強力ですからね」
「うん。そうだよね。
近づかなくても、一瞬で敵を倒せるってことだもん」
「はい。これから威力を高めていったならば、妖に対する切り札にもなりますから」
二人は楽しそうに笑いあった。
一部完了。
これで、一旦終了いたします。
いずれリメイクできればと思っています。
ここまで読んでいただいた方には、心よりお礼申し上げます。




