にゅうがくしき
「……であるからして……」
(お話、長すぎます……)
学園におけるこれからの抱負、というのはいいが、こういった場でのあまり内容のない長話は疲れる、と更紗は息をついた。
見ると、まわりの生徒達の中には舟をこいでいるものもいる。
「……続きまして、生徒会長からのお話です」
更紗は背筋を伸ばして段上をみる。
その様子に姫華も生徒達も姿勢を正した。
「……以上をもって、挨拶に代えさせていただきます」
簡潔に終わった挨拶に、生徒達はおもわず拍手する。
端では、学園長がうなだれていたりするが。
「生徒会長の話って、スッゴク分かりやすくかったね」
「お兄様は歴代でも優秀とされておりますから」
「って、サラちゃんのお兄さん⁉」
「はい」
生徒会長が紫神だとは解っていても、直系かはあまり知られることはないため、生徒達もその事は知らない者の方が多かった。
「そうなんだ。
サラちゃんって、お兄さん大好きなの?」
「もちろんです。
先日まで、私の世界は家族と屋敷のもの、それに時々訪れてこられる六家の嫡子の方々だけでしたから」
「えっと、ひょとっして友だととか居なかった、とか……?」
「灰神の黒曜と赤神の柘榴さん、くらいでしょうか。
紫水は従弟でも友人というよりは弟みたいですし」
「……そう、なんだ……」
「ですから、姫華とお知り合いになれたのは、うれしいです」
「!
うん。
わたしも!」
二人が話をしているうちに、入学式はおわっていた。
「あとはホームルームだけ、ですね」
「そうだね。
ね、このあとサラちゃんの部屋に遊びに行っていい?」
「そうですね。
すこしお話しておきたいことがございますので、来ていただけるとたすかります」
「?
話?」
「はい。
紫神御用達の美味しいお茶もご用意いたします」
「!
楽しみー」
「あ、あの」
先ほど教室で話かけてきた二人の生徒が加わってきた。
「あたし達も行ってもいいでしょうか……?」
「はい、大丈夫です。
みんなで飲む方が、楽しいでしょうから」
にっこりと微笑む更紗に、姫華も生徒二人も、嬉しそうに微笑み返した。




