きょうしつ
教室に入ると、室内の全員が更紗と姫華に注目した。
このクラスに『風の姫』紫神更紗が入るとうわさになっていたためだ。
「銀の長い髪の小柄な女子……」
「ひょっとして、あの人が……」
「?
なんか注目されてない?」
「……私のせい、でしょう。
六家の直系でありながら、紫神の地から一度も出たことがありませんでした。
そのために皆様、興味があられるのでしょう」
「?
それって、普通じゃないの?」
「六家の人間は他の方々指揮をとる、という役目があります。
そのために子供のころから、他家の方々との交流をするものとされています。
事情があるとはいえ、私のようなものはめずらしいのです」
「ふーん。
ところで、その事情ってなに?」
「それは、まだナイショです」
まわりの生徒達が聞き耳をたてているのを見渡しながら、更紗はいたずらっぽくわらう。
「うーん、残念」
姫華も笑い返して、二人は空いている席をえらんで座った。
更紗の気さくな様子に、何人かの生徒が近づいてきた。
「あの……風の姫様、ですか……?」
更紗は不安そうな生徒に微笑みかける。
「はい、そのように呼ばれております。
ですが、これからはクラスメイトになるのですし、名前で呼んでいただきたいのですが、よろしいででょうか?」
「!
では、更紗様とお呼びしても?」
「はい、かまいません」
「?
ていうか、何で様付け……」
「六家の者がに対すると、皆様なぜかそうなのです。
ですから、姫華の呼び方はすこし嬉しかったです」
「そうなの?
わたしはサラちゃんって呼び方が可愛いと思ったからだけど」
「それでいいんです」
平然とため口をきく姫華とそれを受け入れている更紗。
二人の様子に生徒達が戸惑っていると、入口の扉が開き教師が入ってきた。
「全員いるな。
よし、これから入学式を行う儀礼館にむかう。
学園内は広いからな。
はぐれないように注意しろ」
「あれ、琥珀がまだ……」
「琥珀さんを含めた六家の方々は、先に儀礼館にて入学式の準備を手伝っております。
これも学園の伝統、ですから」
「そっか」
更紗と姫華も他の生徒達と一緒に教室から儀礼館にむかった。




