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旅は道連れ

お気に入りが5件に!


今週は時間が取れそうなのでなるべく速く投稿したいと思います。


また今回からですが、「」は人が話すとき、()はセージが話す、またアルスにしか聞こえないという使い分けをしてますのでよろしくお願いします。


(別れってのは悲しいねぇ〜)



「そうですね……貴方(あなた)ともお別れ出来れば幾分心のモヤモヤも晴れそうでしたが」



(おいおいそんな言い方ないだろ?俺だって元人間だぜ?そういう風に言われると悲しいなぁ〜)



「はぁ……とりあえず今貴方と話しをしたい気分ではありません、引っ込んでてください」



(……へいへい、必要なときだけお呼びください お 坊 ちゃ ん)



アルスは村を出発してかれこれ一時間程、村道を一人歩いている。



アルスが家族にも言えなかった秘密それがこの声の主のことである。


この声の主、名前をセージという。


村が魔物に襲われたあとアルスが目覚めたらスキルと一緒に頭のなかにこの人間?まで付いてきたのである。



付いてきたというより憑いてきたという方が正しいかもしれない。


セージはアルスの頭の中に住んでいる。



最初アルスは家族にこの声の主のことを話したがショックで少し取り乱しているんだろうと誰も取り合ってはくれなかった。


誰だってショックな出来事のあとに俺には変な声が聴こえるや、頭の中に誰かいるなんていう話しをされれば、あぁ事件の後遺症で……と考えるだろう。



むしろそのあとに話したアルスが神様からスキルを得たという話題の方ばかりが持ち上げられ、アルスの周りの人々から声の主の話しは忘れ去られてしまったのである。


その後も何度か父や兄に言いかけたのだが、そのたびに悲しい顔をされるためアルスも次第に言わなくなった。



周りから忘れ去られはしたが、依然アルスにはセージの声が聞こえている。


どうやらセージの声はアルス以外には聴こえないらしい。


最初は自分でもおかしくなったかと思ったアルスだったが、いつまでたっても話し掛けてくるし受け答えもしてくる。


興味を持ったアルスは、セージに自身のことについて聞いてみることにした。



セージの話の内容は、地球という世界に住む元日本人の28歳で交通事故で死んで目覚めたらこの世界にきていたという生い立ちから、なぜがアルスに取り憑いた精神体みたいなものになってたという告白、せっかくの異世界なのに何も出来やしないじゃないかという憤りに話しは変わり、最後には俺の異世界サクセスストーリーががが……等、アルスにはよく分からない愚痴を溢しわめき散らすというような内容だった。


アルスとしても頭の中に声が聴こえるというのは多少気持ちの悪いものではあったが、どうやらスキルを得た時にセージも一緒に憑いてきたことを情報の中から照らし合わせるとこれも神様から与えられた何か意味のあることなのかと思い現状我慢している。


それにセージが憑いていることも悪いことばかりではない、村を囲む土壁や水堀、跳ね橋などあれらを発案したのはセージなのである。


こちらの世界に来てセージがアルスを通して見たものは魔物に荒らされたボロボロのレイブス村であった。



アルスに拒否されると表に出ることが出来ないセージは、この世界では魔物の襲撃があることや村の防衛力を見てアルスの信用を勝ち取るため色々提案したのである。



まず第一に村の周りに線を引きそこに作成したゴーレムを毎日一体づつ並べさせていく、更に横に並ばせたゴーレムの隙間を村人が交代で木や土で補強・穴埋めし2年程でゴーレム達は村をぐるりと囲み高さ2m程のゴーレムの壁を作ったのである。


ゴーレムメイカーで作るゴーレムの特徴として作ったゴーレムは2時間しか動かせないという制約がある、これはアルスがマークと共に試行錯誤し発見したことでもある、通常ゴーレムは2時間を過ぎるとその場で素材として使ったものに戻る。


アースゴーレムの場合素材は土のため時間が経過すると土山へとなるのだが、その前にアルスが静止・固定とゴーレムに指示しておけば動くことはできないが2時間後もその場に崩れることなく止まらせることが可能なのである。



更にゴーレムを作る際に素材として同量の土が必要なことに目をつけたセージは、途中から村を囲った線の外側の土を素材にさせ村の周りに堀を作ったのである。


ちなみにアースゴーレムをA地点に一体作るとA地点からゴーレム一体分後ろのB地点の地面が半球場に消えてA地点にゴーレムが出現する。


作成可能な距離は大体作製者から15mといった所で目視可能な場合という限定条件がある。


これらも試行錯誤の結果の貴重なデータでもある。



あとは近くの川から溝を掘るために水を引いてくるルート上にゴーレムを作成し、作成したゴーレムで更に溝を掘らせる。


溝の底はゴーレムが踏み鳴らし側面は折った大木で叩いたり押して固めていく。


制限時間いっぱいまで仕事を終えたゴーレムたちは最後に歩いて工事中の村の壁の列へと並ぶ、文字通り土柱となるゴーレムたちは活動中ほどの強度はないまでも岩と同等クラスの硬さを持っており即席の壁としては十分の硬さで村を囲っていく。


また堀に水を引くことで井戸水に頼りきっていたが生活用水の一部として水堀の水も使われるようになった。


ここまでするのに2年半の歳月を要した。


更に付近の村では珍しい跳ね橋という技術を採用し、村の入り口に可動型の橋を付けた。


跳ね橋の構造自体は簡単にいうと橋を重しとなる石と結びその重さを利用して橋を上げたり下げたりするというものだったのだが、セージに頭のなかで言われるまま跳ね橋を村長である父に提案し作らせたアルスもイマイチ詳しくは分かっていなかった。


結果として村にとって便利なものができた、それで満足なアルスである。




尚、この大々的な工事に掛かった費用は跳ね橋を作る際のロープなどの部品費用や土壁の補強材のみで、他所から雇わず村人全員が交代で壁補強工事などを負担したため人件費を大幅に抑え、低コスト化することが出来ていた。


費用を抑えた分アルス達は約3年かかったが、外部に仕事として発注した場合の費用を計算するととてもイチ村が出せる額ではないだろう。


ちなみにこの費用にはあの事件の時に退治した魔物達の素材を売って得たお金が当てられている。


この世界の魔物の牙や皮、肉などの素材は武具や食材、薬などに用いられたりもするのである。


元々お金は村の家屋の補修や怪我をしたり男手を失った村の家族への見舞金として配られていたのだが、その残りと村の蓄えから少々消費したぐらいでこの工事を賄えたのだから上出来であろう。



これらの成果からアルスはセージにある程度の自由を与えるようになったのだ、今ではセージも勝手に出てきたり引っ込んだりしている。


無論頭のなかだけでの話しだが。



セージの話しはアルスにとって見たことも聞いたこともない話しであったり

、想像もつかないようなアイディアをアルスにもたらせるのでワクワクさせられるというのもセージを自由にさせる一因だろう。



アルスは自身の力やスキルや思考のみで物事が全て解決するとは思っていない、それは3年前に学んだことでもある。


アルスはセージでそれを補おうと考えていた。



家族を残して村を旅立つため、アルスは3年間やれることは全てやってきたつもりだ。


土壁・水堀・跳ね橋を新しく建設、村の入り口には見張り台を配置しなおし交代制で当たらせている。


アルスがセージと話し合いこれなら大丈夫だろうと出したアイディアたちだった。


それだけにアルスは前を向いて歩いている。


更に歩き続ける。


村道を歩いていると二股に別れた道と看板が見えてきた。



←ラバンの街  ピピン村→



<なぁ街までまだかかるのかよ?>


アルスの頭のなかでセージが問いかける。


「ここが分岐点だからまだここから3時間ってところかな?」



<うへぇ、まだそんなに歩くのかよ。まっ、アルスちゃん頑張って♪>



歩く必要のないセージは気楽なものである。



一息つき気を取り直して歩きかけようとしたところで右手から接近してくる物体にアルスは気付いた。





最初ゴーレムの足下の土を消費してゴーレムを作成しようとしたのですがよく考えたら身長2mのゴーレムが足下に2mの穴をあけながら作ったら穴に頭まで埋まったゴーレムかギリギリ頭だけでたゴーレムが出現するんですよね……


穴に埋まってフンガーっていってるゴーレム、それはそれで可愛いかと思うんですがさすがにゴーレムメイカー使えなさすぎなので位置ずらしてみました。


設定は現在のアルスの能力によるものです、成長要素を加えて設定が変わることもあるのでご了承ください。


例:目視で15m→15m内でイメージ出来れば目視しなくてもokなど。



一話と二話をかなり修正、三話にして異世界人(精神体的なもの)を出してみました。


その繋がりがおかしくならないように修正と村の防衛施設に関して多少イジってます。


お暇な方は一話と二話を再度読んでもられるときちんと辻褄があってる?ようにできたかと思います。


街着かなかったので四話では着きたい!まだまだレベルや冒険者、魔物など出したいファンタジー要素はたくさんあります。読んでもらえると嬉しいです、感想・評価もお待ちしておりますm(__)m

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