第零話 無感情の男
おそらくは暗くシリアスな物になると思われます。
一応は主人公最強物にしたいと思っていますが、それは徐々に…といった感じにしていきます。
初めて小説を書くので、作品にクオリティーを求められると泣きます;
それでもいいよ!って方だけ読んで頂けたら幸いです。
無感情の男がいた。
男といってもまだ青年。それでも青年が出すには異様な雰囲気を彼は持っていた。
悲しくもなく、明るくでもなく、暗くもなく。
何にも当てはまらない。無
果てしなく広がる空を見上げる青年はどこにいても明らかに異質であった。
彼は何でも出来た。
運動も勉強も頑張る事無く周囲を超す。
容姿にさえも恵まれた。
けれど彼は孤独だった。
でもよかった。元々他人など必要としてなどいなかった。
周囲は彼をロボットのようだといった。
感情を持たない冷たいやつだと。
でもよかった。他にどう思われようが何とも思わない。
いや、思えない。なぜなら、彼には本当に感情というものが無いのだから。
いつから、と言われようがわからない。
生まれた時からそんなものなかったのかもしれない。
考える事はできても、感じる事はできないのだ。
青年は思う。この世界は無駄な事が多すぎると
感情のすべてが彼にとって最大の矛盾であった。
理解のできない事で締められたこの世界。
自分が生きている事さえ必要と感じない。
たんたんと、流れる思考の中で青年の瞳はもう何も写してはいなかった。
ただただ、足を前に動かし、ぼうっと虚ろな瞳を前にやった。
必要としないなら捨ててしまえばいい。
簡単なことだ。
一歩、一歩と足を前へと運び、右手を軸にフェンスを超えた。
ふと、青年は足元を見た。
おそらくは、100mはあるだろう高層ビルの屋上。
ブワッと強いビル風が青年を襲った。
目を細めながらも下界を見下ろす青年の瞳には迷いも恐怖もみられなかった。
そして、1歩足を踏み出し青年はしんだ。