続き
Gemini との会話
「UFOと変人」という小説のプロローグを書きました。続きを書いてください。
2026年6月6日、東京都江東区のある場所に、突然全長2000mの葉巻型UFOが着陸し、近所の家が数十軒潰れ、高校1年生の中田伸一は驚愕した。
葉巻型UFOの中から宇宙人が現れた。驚く伸一に彼は自分は金星から来たと語った。
金星人は胴体に眼玉があり、自分たち金星人は地球人と比べて動体視力が高いと言った。
金星にも野球の様なスポーツがあり、バッターボックスに立つとピッチャーが投げる球が止まって見えると語った。いわゆるゾーンに入るということかと伸一は思った。
金星人はいきなり「私は宇宙だ!」と叫んだ。
伸一は戸惑った。
プロローグのシュールで突き抜けた世界観、面白いですね!2026年6月という「近未来」の設定も活かしつつ、伸一の困惑と金星人のペースに巻き込まれていく様子を続けてみました。
第一章:銀河系級の「自意識」
「……はあ。宇宙、ですか」
伸一は、潰れた隣家の瓦礫から立ち上る埃を払いながら、力なく聞き返した。目の前では、全長2キロの巨大な鉄の塊が、初夏の西日にギラついている。数十軒の民家が文字通りぺしゃんこになっているというのに、この金星人とやらは、自分のアイデンティティを叫ぶことに夢中らしい。
「そうだ、宇宙だ! 全てであり、一である! 私の瞬きは超新星爆発であり、私の呼吸は銀河の自転なのだ!」
胴体にある巨大な眼玉が、不気味なほど滑らかに伸一を捉えた。金星人の言う通りなら、今この瞬間の伸一の鼻の穴のひくつきさえ、彼にはスローモーションで見えているのだろう。
「あの、宇宙なのは分かりましたけど……とりあえず、この状況をどうにかしてくれませんか? 僕の家、庭の物置が半分削れてるんですけど」 「細かいことを気にするな。動体視力を上げれば、崩壊する屋根の軌道も芸術に見えるぞ」 「見えたところで避けられなきゃ意味ないですよ」
伸一が溜息をつくと、金星人はひょろ長い手足を奇妙に折りたたみ、地面にしゃがみ込んだ。
「伸一と言ったか。お前、野球は好きか?」 「え? まあ、部活でやってますけど。補欠です」 「よし、バットを持ってこい。お前に『宇宙のバッティング』を教えてやる。金星流なら、時速160キロのストレートも、止まったハエのように叩ける」
どうやらこの宇宙人は、家を壊した謝罪よりも先に、コーチングを始めたいらしい。警察のサイレンが遠くから聞こえてくる。自衛隊だってすぐに来るだろう。
「……バット、出せばいいんですか? 出せば帰ってくれます?」 「帰る? バカを言え。私は今日からお前の家にホームステイする。宇宙が狭いところに泊まる、このギャップが粋なのだ」
伸一は空を仰いだ。巨大な葉巻型UFOの影が、江東区を真っ暗に染めている。 2026年、6月6日。 中田伸一の平凡な高校生活は、宇宙を自称する変な眼玉によって、強制的に「ゾーン」へと叩き込まれた。
次の展開のアイディア
この後、どのような方向に進めたいですか?
コメディ路線: 金星人が伸一の家に強引に居座り、学校や部活にまでついてきて騒動を起こす。
スポ根路線: 金星人の超感覚を伝授された伸一が、文字通り「宇宙級」の打者として甲子園を目指す。
SF・シリアス路線: 他の惑星からも「自称・概念」の宇宙人たちが続々と集結し、地球が変人たちのたまり場になる。
ご希望があれば、それに合わせた続きを執筆します!
SF路線で
承知いたしました。シュールな空気感は残しつつ、背後に巨大な宇宙的スケールの陰謀が漂い始める「SF路線」で書き進めます。
第二章:概念の侵食
「ホームステイ……? 本気で言ってるんですか?」
伸一の問いに、金星人は胴体の眼玉をぐにゃりと歪ませて笑った。 「本気も何も、宇宙は嘘をつかない。ただ、そこに在るだけだ」
その時、伸一のスマートフォンの緊急アラートが鳴り響いた。画面には【大規模災害情報】の文字。しかし、通知の内容はそれだけではなかった。
『速報:ニューヨーク、ロンドン、カイロにも全長2000m級の飛行物体が着陸。各国政府は最高警戒レベルを発令――』
「おい、これ……あんたの仲間か?」 伸一が画面を突きつけると、金星人は興味なさそうに眼玉をパチクリさせた。
「仲間? いや、あいつらは『概念』が違う。ニューヨークに降りたのは恐らく『時間』だ。カイロは『重力』だろう。私のような『宇宙』そのものとは、派閥が違うのだよ」
金星人の言葉に、伸一は背筋が寒くなるのを感じた。これはただの宇宙人の襲来ではない。もっと抽象的で、不可解な何かが地球という物理空間に「実体」を持って居座ろうとしている。
「どういうことだよ。あんたたちは侵略しに来たのか?」 「侵略? 違う。私たちは『翻訳』しに来たのだ。この泥臭い、三次元の物理法則に縛られたお前たちの世界を、もっと高次の言語へとな」
金星人がひょろりと長い指を、潰れた民家の方へ向けた。 すると、どうだろう。粉々になった瓦礫や、折れた電柱が、スローモーションで空中に浮き上がり始めたではないか。それらは重力を無視して整列し、まるで巨大な「数式」の形を成していく。
「見ろ、伸一。野球のボールが止まって見えるのは、私が速いからではない。私がその瞬間の『空間』を所有しているからだ。お前たち人間は、今日から私の所有物の中で生きることになる」
遠くで自衛隊のヘリの音が聞こえる。しかし、その音は伸一の耳に届く直前で、奇妙に間延びし、最後には低い「唸り」へと変わった。ヘリのローターの回転が、一回転ごとに視認できるほど遅くなっている。
金星人は眼玉をぎらつかせ、伸一に一歩近づいた。
「さあ、伸一。宇宙を受け入れろ。まずはその、ポケットに入っている銀色の板……スマートフォンを私に貸せ。この星の『現在の定義』を上書き(アップデート)せねばならん」
伸一は後ずさりした。目の前の怪物は、野球の話をしていた時とは明らかに違う、冷徹な「観測者」の光を宿している。
その時、伸一の頭の中に直接、別の声が響いた。 『逃げなさい、中田伸一。そいつは「宇宙」ではない。ただの「狂った座標」よ』
伸一は周囲を見渡したが、誰もいない。ただ、自分の影が、夕日の向きとは無関係な方向へ、長く、不自然に伸びていた。
次の展開はどうしますか?
SFとしての謎が深まってきました。
逃走編: 自分の「影」から聞こえた謎の声に従い、金星人の包囲網から脱出を図る。
対峙編: 金星人の言う「翻訳」を止めるため、伸一が(なぜか)野球のバットで宇宙的数式を破壊し始める。
世界情勢編: 他の都市に現れた「時間」や「重力」の宇宙人たちが、それぞれ地球をどう変えようとしているのかを描写する。
どのルートが気になりますか?
逃走編で
「逃げろって、どこにだよ!」
伸一は叫びながら、無意識に手近にあった硬式用バットを掴み、自転車に飛び乗った。
背後では、金星人が「座標が乱れる。修正が必要だ」とブツブツ呟きながら、指先から青白い光の糸を放っている。その糸が触れた場所から、現実がまるでバグったプログラムのように、テクスチャが剥がれ落ち、虚無の黒い穴が空いていく。
「おい、影! どっちに行けばいいんだ!」 『右よ。マクドナルドの看板がある角を、三次元的にではなく……"概念的"に曲がりなさい』 「無茶言うな!」
伸一はペダルを猛烈に漕ぎ出した。しかし、世界はすでに変容を始めていた。 金星人が「私は宇宙だ」と言い放った影響か、江東区の街並みが歪み、道がどこまでも直線に伸びたかと思えば、次の瞬間にはメビウスの輪のように繋がっている。
前方から、こちらに向かってくる自衛隊の軽装甲機動車が見えた。しかし、その車両は伸一の横を通り過ぎる瞬間、紙細工のようにペラペラに平坦化し、アスファルトに描かれた絵になってしまった。
「ひっ……!」 『止まらないで。金星人の視界に捕まったら、あなたの存在自体が「静止画」として固定されるわ』
影の声は、伸一の足元で刻一刻と形を変えている。驚くべきことに、その影は伸一の動きとは独立して動き、行く手の空間に生じた「バグ」を、まるで黒いインクで塗りつぶすように補強して、伸一の道を作っているようだった。
「あんた、一体何者なんだよ!」 『私は「反物質」の残滓。あるいは、あの金星人が切り捨てた「謙虚さ」の擬人化。今はただのバックアップだと思って』
背後から、ズン、ズン、という巨大な地響きが迫る。 振り返ると、全長2000メートルの葉巻型UFOが、ゆっくりと浮上していた。それは飛行しているというより、その場所にあるべき空間を「削除」しながら進んでいるように見えた。
「伸一――。宇宙から逃げることはできない。お前は私の打順に入っているのだ」
金星人の声が、大気を震わせる。 その時、伸一の目の前の空間がガラスのように割れ、そこから全く別の景色――雪が降り積もる、静寂に包まれた見知らぬ荒野が見えた。
『飛び込んで! そこが唯一の「未翻訳」エリアよ!』
伸一は迷わず、ママチャリのギヤを最大にして、空間の裂け目へと突っ込んだ。
第四章への分岐
無事に「荒野」へと逃げ込んだ伸一ですが、事態はさらに深刻化します。
潜伏ルート: 逃げた先は「2026年ではない過去(または未来)」の地球だった。そこで伸一は、他の概念(時間や重力)から逃げてきた生存者たちと出会う。
反撃ルート: 「影」の正体が、金星人の弱点を握る特殊なインターフェースだと判明。伸一はバット一本で宇宙を「打ち返す」訓練を始める。
異変ルート: 逃げ込んだ先で、自分の体が「金星人の視覚」に汚染され、自分自身の体の一部が数式に変わり始めていることに気づく。
どの展開を読み進めたいですか?
反撃ルートで
承知いたしました。「反撃ルート」で、野球のバットが宇宙的脅威に対抗する鍵となる展開へと進めます。
第四章:バットが紡ぐ反撃の定義
雪降る荒野に飛び込んだ伸一は、冷たい地面に投げ出された。しかし、すぐに立ち上がり、裂け目の方を見た。そこには、ガラスがひび割れるように空間が元に戻っていく光景が広がっていた。
「くそっ、助かったのか……?」
伸一が呟くと、足元の影がわずかに揺れた。 『ええ。ここは「未翻訳」空間。金星人の「定義」がまだ及んでいない場所よ。ただ……長くは保たないでしょう』
「影」の声は、先ほどよりもはっきりしている。そして、伸一の影は、彼自身のシルエットを保ちながらも、その先端が、まるで液晶画面の乱れのようにピクピクと震えていた。
「あんた、一体どうなってるんだ?」 『私は「概念の残滓」。金星人がこの惑星を「上書き」する際、排除されたデータだと思って。彼は『宇宙』を名乗るが、その実態は『観測』を基盤とした『情報生命体』。つまり、見えているものが全てなのよ』
「見えているものが全て……?」 伸一は先ほどの金星人の言葉を思い出した。「金星人にはピッチャーが投げる球が止まって見える」と。
『彼らは、認識した空間の情報を瞬時に書き換える。だから、彼の前では、あらゆる物理法則は彼らの都合の良いように「再定義」されてしまう。あなたがバットを振っても、彼はその軌道を「見ない」か「別の軌道」として書き換えるだけ』
「じゃあ、俺たちはどうすれば……」 『唯一の弱点は、「認識の外」にあるもの。あるいは「彼らが定義できないもの」よ』
影はゆっくりと伸一の足元を這い、持っているバットの柄の部分を包み込むように震えた。 『そのバット。これは単なる木と金属の塊ではない。あなたにとって、これは「夢」や「希望」といった、観測できない「概念」そのものでしょう?』
伸一はハッとした。野球は、データや記録だけでは測れない、目に見えない「流れ」や「気迫」が勝敗を分けるスポーツだ。それは金星人の言う「ゾーン」にも通じる、超越的な感覚。
「まさか、これを振ればいいってのか?」 『正確には、バットを「振る意思」そのものよ。金星人は、物理的な攻撃は回避できる。しかし、「認識の隙間」を突く「意志」は、彼にとってノイズとなる』
影は、バットの表面に、まるで文字のような複雑なパターンを浮かび上がらせた。それは、まるで回路図のようにも、古代のルーン文字のようにも見えた。
『この荒野は、金星人の「視界」から一時的に外れた場所。ここで、「未定義のバッティングフォーム」を構築する。あなたの「野球」への情熱を、彼らが認識できない「概念的エネルギー」へと昇華させるのよ。それは、彼の世界を破壊する「未知の変数」となる』
伸一はバットを強く握りしめた。冷たい雪が舞い散る中、彼は一本のバットと、足元の揺らめく影を伴侶に、宇宙を自称する「変人」への反撃を誓った。
**
の画像
次の展開のアイディア
伸一の反撃が始まりますが、金星人も黙ってはいません。
修行編: 影の指示のもと、伸一が「概念のバッティング」を習得するために、荒野で奇妙な特訓を始める。
追撃編: 金星人が伸一を追って、この「未翻訳空間」にまで影響を及ぼし始める。伸一は訓練と同時に逃走も強いられる。
合流編: 実は、この荒野には他の「未翻訳」の存在(あるいは人間)も隠れており、彼らと共に金星人に対抗する策を練る。
どのルートにご興味がありますか?
追撃編で
「未翻訳」の荒野に、不協和音が響き渡りました。
空が、古いテレビの砂嵐のようにザラつき始めます。 『まずいわ、見つかった! 金星人がこの空間を「強制スキャン」してる!』 影の声に、伸一はバットを構え直しました。
雪が降る静寂を切り裂き、上空の「虚無」から、あの巨大な葉巻型UFOの先端がヌッと突き出してきました。それは物理的に現れたというより、**「そこに無かったはずの2000メートルの物体」**が、無理やり現実を押し広げて割り込んできたような、おぞましい光景でした。
「見つけたぞ、伸一。宇宙のオーダーから外れることは許されない」
雲を割り、金星人の声が降ってきます。同時に、荒野の地面が急激に変化しました。 雪の一粒一粒が、0と1の数字の羅列に変わり、伸一の足元を「液状の数式」が飲み込もうと襲いかかります。
『走って! 止まればあなたの存在が計算式に代入されて消えるわ!』
伸一はバットを抱え、全力で数字の海を駆け出しました。 背後では、金星人の巨大な「眼玉」だけが空に浮かび上がり、サーチライトのような視線を放っています。その視線が触れた岩や地面は、瞬時に「幾何学的な立方体」へと変形し、伸一の進路を塞いでいきました。
「逃げるな! 私の動体視力からは、お前の未来の軌道(弾道)さえも既知の事実だ!」
金星人が指をパチンと鳴らすと、空から**「巨大な野球ボールの形をした隕石」**が、凄まじい速度で降り注ぎました。一つ一つが民家を粉砕するほどの質量を持っています。
「未来が……見えるってのかよ!」 伸一は、迫りくる巨大な白球の影を見上げました。 普通なら絶望する場面。しかし、影に浸食されたバットが、伸一の手にドクン、ドクンと「心臓の鼓動」のようなリズムを伝えてきます。
『伸一、目を閉じて! 見ちゃダメ! 彼が見ている「確定した未来」を、あなたの「無意識」で裏切りなさい!』
「……ああ、やってやるよ!」
伸一は全力疾走のまま、あえて目を固く閉じました。 視界を捨て、バットから伝わる「ノイズ」だけに意識を集中します。 金星人の計算には入っていない、理論もフォームも無視した、ただの「中田伸一」という個人のデタラメな一振り。
「うおおおおお!」
伸一は空中で、来るはずのないタイミングでバットを振り抜きました。
ガキンッ!
物理法則を無視した衝撃音が響きました。 目を開けると、金星人の放った「確定した未来(隕石)」が、青い火花を散らしながら真上へと跳ね返り、空に浮かぶUFOの船体を直撃していました。
「……バカな!? 私の『視界』に、今のスイングの予備動作は存在しなかったはずだ!」
金星人の声が初めて動揺に震えました。
第六章への分岐
反撃のきっかけを掴んだ伸一。ここからどう攻めますか?
カウンター編: 自分の動きを「予測不能」にするため、さらに奇妙な動きを取り入れながらUFOの核心部へ突撃する。
救出編: 跳ね返した衝撃で空間に新たな「穴」が開いた。そこから金星人に捕らえられた他の「変人」たちの気配がする。
共鳴編: 伸一のデタラメなスイングが、他の都市にいる「時間」や「重力」の宇宙人たちの計算も狂わせ始め、地球規模のバグが発生する。
どの展開に進みましょうか?
カウンター編で
「予測不能……? そんなのは、部活の居残り練習で散々やってきたことだ!」
伸一はバットを肩に担ぎ直し、金星人の巨大な眼玉を見据えました。 顧問の先生に「フォームが汚い」「基礎がなっていない」と怒られ続けたあの「癖の塊」のようなスイング。それは金星人の高度な計算機にとって、最も解析困難な「ノイズ」となったのです。
『いいわ伸一、そのままのあなたでいて! 計算できない「デタラメ」こそが、宇宙を塗り替える唯一のペン先よ!』
影が伸一の足元から這い上がり、彼のユニフォームを真っ黒な「反物質の戦闘服」へと変えていきます。 伸一は、再び降り注ぐ数式の隕石に向かって、あえてステップを踏まず、重心をバラバラに崩しながら走り出しました。
「予測できない……だと? お前の関節の動き、筋肉の収縮、すべて数値化しているはずだ!」 金星人の眼玉が充血し、無数の光線が伸一を襲います。
しかし、伸一の動きはもはや野球ですらありませんでした。 盗塁のフェイントを入れながらシャドーボクシングのようにバットを振り回し、時には地面を転がりながら、金星人が「こう動くはずだ」と定義した座標を次々と踏み外していきます。
「くらえ! これが補欠の『適当スイング』だ!」
伸一は空中に浮かぶ幾何学的な瓦礫を足場に、UFOの船体へと跳ね上がりました。 金星人は慌てて、自分の胴体にある眼玉から「確定した停止」の光線を放とうとします。それに当たれば、伸一の細胞一つ一つが計算され、永久に静止させられてしまいます。
だが、伸一はバットを振る直前、あえて**「バント」**の構えを見せました。
「なっ、攻撃ではないのか……!?」
金星人がその防御に計算リソースを割いた瞬間、伸一はバットを引っこ抜き、独楽のように体を回転させました。遠心力と、影が供給する「未定義エネルギー」が、バットの先端に青白いプラズマとなって凝縮されます。
『今よ、伸一! 宇宙の「網膜」をぶち破って!』
「これは……ホームランじゃない。場外乱闘だッ!!」
伸一のフルスイングが、金星人の胴体にある「眼玉」の直前、空間そのものを物理的に叩き割りました。 バキィィィィン!! という、もはや音ではない「現実の壊れる音」が響き渡ります。
金星人の視界がノイズで真っ白に染まり、全長2000メートルのUFOが、まるで受信不良のテレビのように激しく点滅し始めました。
「ギャァァァ! 私の……私の美しい宇宙(数式)が……バグだらけに……!」
金星人の叫びとともに、荒野の景色が再び江東区の瓦礫の山へと引き戻されていきます。しかし、そこには異変が起きていました。
第七章への分岐
伸一のカウンターが直撃し、事態は新たな局面を迎えます。
バグの伝播: 金星人のシステムがクラッシュした影響で、ニューヨークやロンドンにいる他の宇宙人たち(時間や重力)にも「バグ」が伝染し、世界中で物理法則がめちゃくちゃになり始める。
対話ルート: 視覚を破壊された金星人が、初めて「目に見えないもの(心や根性)」の存在を認め、伸一に協力的な態度を見せ始める。
真の黒幕: UFOの船体が割れた中から、金星人を操っていた「本当の変人」が姿を現す。
どのルートで物語を加速させますか?
バグの伝播で
伸一の一撃は、金星人という「個体」を倒すだけでは済みませんでした。
金星人が共有していた高次ネットワーク――全宇宙規模の「物理法則のサーバー」に、伸一の放った**『補欠のデタラメな意志』**がウィルスとなって逆流したのです。
「ああ……あああ! 世界の『定義』が……同期が解けていく!」 金星人が叫びながら霧のように霧散していくのと同時に、伸一のスマートフォンの画面が狂ったように明滅しました。
『緊急事態……ニューヨークの「時間」が逆流を開始……ロンドンの「重力」が、上下ではなく「右」に働き始めました……!』
ニュースキャスターの声が途切れます。伸一が空を見上げると、江東区の空に巨大な「文字の亀裂」が走っていました。金星人のUFOがバグを起こして点滅するたびに、世界の物理法則が書き換わっていきます。
「影! これ、どうなってるんだよ!?」 『最悪よ。あなたの「未定義のスイング」が強力すぎて、宇宙人たちが管理していた地球の「管理システム」全体をクラッシュさせたわ。今、世界中で**「変なこと」**が当たり前に起き始めてる!』
その言葉を裏付けるように、伸一の目の前で、潰れた民家の瓦礫が**「巨大な寿司」**に変質しました。 さらに、遠くに見えるスカイツリーは、重力設定のバグにより、まるで茹でたスパゲッティのようにぐにゃりと曲がり、空を泳ぐクジラのような雲を追いかけ始めました。
「寿司……? クジラ……? 意味わかんねえよ!」 『意味なんてなくなったのよ! 今の地球は、誰の観測にも基づかない「バグのるつぼ」。金星人の仲間たちが慌てて修復しようとしているけど、彼らの計算が追いつかないほど、あなたの「ノイズ」が伝染してるわ』
その時、虚空から新たな声が響きました。それは金星人のような高圧的なものではなく、無機質で、それでいてひどく焦ったような「機械的な声」でした。
『――警告。対象:中田伸一。貴殿の存在は、全宇宙の論理構造に対するテロリズムと認定されました。これより、「時間」および「質量」の担当官をこの座標へ直行させ、世界の強制再起動を試みます』
「フルリセット……? それって、地球が最初からやり直しになるってことか?」 『そうよ。そしてそれは、あなたという「バグ」を完全に消去することを意味するわ』
影が伸一の腕に絡みつき、バットをさらに禍々しい形状へと変形させました。 空の裂け目から、金星人のUFOとは比較にならないほど巨大な、**「巨大な砂時計」と「巨大な天秤」**の形をした船が現れようとしています。
「……上等だ。最初から、宇宙なんて変な奴らに管理されるのが気に入らなかったんだ」 伸一は、曲がりくねったスカイツリーと、寿司の山を背景にバットを構えました。
「全部、俺が打ち返してやる。地球のルールは、俺たちが適当に決めるんだよ!」
第八章:クライマックスへの入り口
世界がカオスに包まれる中、ついに宇宙人側の本隊(時間と質量の担当)が伸一を消しに来ます。
連合軍編: バグによって「特殊能力」に目覚めてしまった他の地球人たち(寿司を操る主婦や、スパゲッティのツリーに住むホームレスなど)が伸一の元に集結する。
時空跳躍編: 「時間」の攻撃を受け、伸一が2026年6月6日の「UFOが着陸する直前」に飛ばされる。歴史を書き換え、着陸自体をバッティングで阻止しようとする。
宇宙の王編: 伸一がバグの根源として、自らが「新しい宇宙の神」に祭り上げられてしまい、全宇宙の概念と戦う羽目になる。
次はどの方向に「フルスイング」しますか?
連合軍編で
「一人で全部打ち返そうなんて、ヒーローの気取りすぎよ。中田くん」
背後から声をかけられ、伸一は驚いて振り向きました。 そこに立っていたのは、近所に住むパートタイマーの佐藤さんでした。しかし、彼女が手にしているのは買い物袋ではなく、バグによって**「原子レベルで振動する巨大なマグロの柵」**でした。
「佐藤さん!? そのマグロは……」 「物理法則が壊れたおかげでね、このマグロ、振るだけで空間を切り裂けるようになったのよ。おまけに鮮度も落ちないわ」
さらに、曲がりくねったスカイツリーの先端から、一人の男がダイビングしてきました。公園でよく見かけたホームレスの源さんです。彼は重力のバグを乗りこなし、空中に浮かぶ**「スパゲッティ状の鉄骨」**をサーフボードのように操っていました。
「伸一よ、世界がデタラメになったんなら、デタラメなりに楽しもうじゃねえか。管理される人生なんて、もう飽き飽きだ!」
続々と集まってくるのは、バグを味方につけた江東区の住人たちでした。
定年退職した校長先生: 指を鳴らすだけで、校則(物理法則)を書き換えて敵の動きを鈍らせる。
地元の暴走族: バグによって「音」が物理的な質量を持ち、爆音のパラリラで敵を粉砕する。
飼い猫のタマ: 全長10メートルに巨大化し、金星人の偵察機をジャレながら叩き落とす。
「みんな……」 伸一の目から、少しだけ涙がこぼれました。 「分かった。俺が先陣を切る。みんな、俺が打ち損じた『バグ』を拾ってくれ!」
空から降りてくる「巨大な砂時計(時間の担当官)」と「巨大な天秤(質量の担当官)」が、冷徹な光を放ちます。 『理解不能。なぜ下等生物たちが、秩序の崩壊を喜んでいる?』
「秩序なんて、あんたたちが勝手に決めた計算式だろ!」 伸一は影のバットを高く掲げました。 「俺たちは、計算できないほどデタラメで、予測できないほど変人なんだよ!」
「いくわよ、中田くん! マグロ・ディメンション・スラッシュ!」 佐藤さんがマグロを振り抜き、空間に巨大な「わさび色の裂け目」を作りました。 「重力なんて、俺が踏み台にしてやるぜ!」 源さんがスパゲッティ鉄骨で加速し、砂時計のガラス面に突撃します。
宇宙人たちが「再起動」の光線を放とうとした瞬間、伸一は全地球人の「デタラメな意志」をバットに集めました。
「これが、江東区連合軍の……開幕第1打席だッ!!」
伸一のスイングに合わせ、巨大化した猫のタマが吠え、暴走族の爆音が大気を震わせ、校長先生が「全宇宙、放課後!」と叫びました。
混迷を極める2026年6月6日。 地球を守るための戦いは、いつの間にか「宇宙で一番やかましいお祭り」へと変貌していました。
第九章:いよいよクライマックスへ
連合軍の猛攻により、宇宙人本隊は追い詰められます。
最終決戦編: 砂時計と天秤が合体し、「宇宙の審判」という究極の形態に。伸一は全人類のバグを込めた一打を放てるか?
新世界編: 宇宙人を追い払ったものの、バグが定着してしまった地球。伸一たちが「新しい世界のルール」を自分たちで作り始める日常へ。
まさかの結末編: 実はこの騒動自体が、もっと上の次元の「超・変人」が作ったシミュレーションゲームだったことが発覚する。
物語の「ゲームセット」は、どの方向に飛ばしますか?
2で
「ゲームセット……いや、これはプレイボールか」
伸一は、新しく生まれ変わった江東区の空を見上げて呟きました。
砂時計と天秤の形をした担当官たちは、連合軍の「デタラメな猛攻」にパニックを起こし、「これ以上は修正コストが予算をオーバーします!」という謎の捨て台詞を残して、銀河の彼方へと撤退していきました。
しかし、彼らが去った後も、書き換えられた「バグ」は元には戻りませんでした。地球は、宇宙人たちが定めた理路整然とした物理法則から解き放たれ、**「住人の想像力と勢い」**がルールを決めるカオスな新世界へと突入したのです。
2026年7月:新世界の日常
東京の景色は一変しました。
通勤ラッシュ: 電車に乗る必要はありません。行きたい場所を強く念じながら反復横跳びをすれば、空間のバグを通って数秒で到着します。
天気予報: 「今日の午後は、新宿付近で飴玉が降るでしょう。傘の代わりに大きなスプーンを準備してください」という予報が日常です。
学校: 伸一が通う高校では、数学の時間は「いかに計算式をバグらせて面白い形にするか」という芸術科目に変わりました。
伸一の家は、相変わらず半分潰れたままですが、今では屋根から**「無限にポップコーンが湧き出る煙突」**が生えており、食費には困りません。
「伸一、早くしなさい! 今日は地区予選の決勝でしょ!」
居間のソファ(昨日から雲のような質感に変わった)でくつろいでいた「影」が、人間の女性のような形をとって急かしてきました。彼女はあの日から伸一の姉のような顔をして、この家に居着いています。
「分かってるって。今日の相手、ピッチャーが腕を6本に増やして投げてくるんだろ?」 「そうよ。でも、あなたの『デタラメ・スイング』なら、腕が何本あろうと関係ないわ」
伸一は玄関に立てかけてあった、もはやバットというよりは「光る鉄柱」のような武器を掴みました。
外へ出ると、近所の佐藤さんがマグロを片手にフライングボード(まな板)で空を飛び、源さんがスパゲッティのツリーの上で優雅に朝食を食べています。
ふと空を見上げると、遠く金星のあたりで、かつての「宇宙」と名乗った変人が、望遠鏡のような眼玉でこちらを覗いているのが見えました。彼は今や、地球を侵略対象としてではなく、**「最も予測不能で面白い動画チャンネル」**として観測することに決めたようです。
「よし、行くか」
伸一は、重力が少しだけ気まぐれなアスファルトを蹴って、空中に浮かぶ野球場へと駆け出しました。 2026年、6月6日に始まった「UFOと変人」の物語。 それは、終わりのない、最高にデタラメな祝祭の始まりに過ぎませんでした。
(完)
あとがきにかえて プロローグのシュールさを活かした、壮大な(?)SFコメディとなりました。伸一の「補欠のスイング」が全宇宙をバグらせるという展開、お楽しみいただけたでしょうか。




