表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
時紡ぐ英雄譚  作者: 漆峯 七々
異端者の烙印、聖女の覚醒

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/312

祭祀場での決闘 07

四季崎と銀鏡は、儀式の最中に襲撃を受け混乱に陥った祭祀場へと急行する。

途中、満身創痍の新人冒険者や仲間の死に直面しながらも、ノクターン・リーヴァーの大群と対峙し、巧みな連携と陽動で危機を乗り越える。

銀鏡は森に潜む魔獣使いを捕縛し、冒険者たちは子どもたちを守り抜くが、祭祀場ではリーダー格の敵が聖騎士らを圧倒し、伊勢が行方不明となる。

四季崎は仲間たちの信頼を背に、救出と事態打開のため単身で祭祀場へと向かう決意を固める。

 銀鏡は頭目から視線を外さないようにしながら、石舞台に続く道まで移動した。四季崎も彼の動きに合わせるように合流した。


「是空、すまん。もう少しくらいは踏ん張れると思ったんだが……」


 頭目柄の警戒を解かず、視線を向けたまま、四季崎に話しかけた。


「十分です。それに少し気になる事も出てきましたでてきました」


 四季崎は時折、傷が痛むのか顔を顰めながらうでの様子を確かめていた。


「傷は大丈夫か?」


 銀鏡はチラリと四季崎の傷の状態を確認しながら、尋ねると彼は無言で小さく頷いた。銀鏡は少し不安そうにしていた。


「是空はあれに勝てそうか?」

「うん?……あぁ、一つだけ勝機はあるが失敗すると次はない。だから、もう少し情報が欲しい」


 銀鏡は承諾すると四季崎から作戦を聞いた。その間も頭目は楽しむように二人の事を眺めていた。


「作戦会議は終わったか?俺を楽しませられるものであってくれよ?」


 自分の楽しめる状況になると、余裕の表情が戻っていた。四季崎と銀鏡は顔を見合わせると武器を構えた。


「成人の儀を妨害して何を企んでいる?」


 四季崎は改めて頭目に叫んだ。しかし、頭目は肩をすくめると、「そんなのに意味はないさ」と軽く受け流した。


(儀式を妨害するのが目的ではない?では何の目的で……?)


 四季崎は石舞台の方に視線を向けた。限りある可能性を模索しながら、会話を進めた。


「聖騎士が素性を隠して儀式を襲うなんて、教会は何を考えている!」


「よほど、俺を聖騎士に仕立て上げたいようだな?そんなに教会が憎いか、異端者?」


 頭目は二やつきながら、四季崎を嘲笑った。それに対して今度は銀鏡が話に割り込んだ。


「あんたが聖騎士じゃない?ありえないだろ、その設定。なんなに魔法技術に長けた盗賊なんて聞いたことも見たこともないぞ。あんたの見識は狭いんだな?もし、俺が盗賊でそんな腕があるなら、むしろ聖騎士を名乗りそうなものだがな?」


 頭目は痛いところを突かれたのか少し黙ってしまった。その隙を突くように銀鏡はさらに話を続けた。


「それにあんたはやたらとこっちの事情や戦況の把握に詳しいようだが、どこで調べた?ほかにも仲間がいるのか?」


「さぁな。自分で考えたらどうだ?」


 ここまでかと銀鏡は諦めたが、四季崎には仮説があったようだ。


「ほかにはいませんよ、仲間は。今回の護衛の情報は聖騎士にも渡っている。そこにある神楽の情報とアイツの仲間の情報から戦況を予測してカマをかけただけにすぎません。それより……」


 四季崎の言葉に頭目は大きく舌打ちをすると銀鏡は周囲に意識を向けるのを止めた。


「あなたたちの狙いが分かりましたよ。あなたたち聖騎士は今、石舞台にいる伊勢さんが狙いではないですか?」


 その言葉に銀鏡が誰の事か分からない様子だったが、頭目には明らかに表情に変化があった。


「へぇー。もうそんなことまで気づいちゃうんだ。時間を与えすぎたみたいだな」


 四季崎は少し頬を釣り上げて「カマをかけて正解でした」と告げると、頭目は明らかにバツが悪そうにしていた。


「もうおしゃべりは終わりだ。そろそろ遊びの時間にしようじゃないか?」


 頭目は石舞台に腕を向けて魔法を放とうとした。銀鏡は石舞台にいる目的の誰かが狙われていると思い、そっさに動こうとしたが、それを四季崎は腕を掴んで止めた。


「お前が戦況を楽しんでるなら、これ以上聖騎士を殺すことはしないはずだ。それに伊勢さんの殺害が目的なら、襲撃と同時に行える腕がお前にはあるはずだ。よって、目的は生け捕り。あんたの今の行動はこっちの焦らせるための罠……でしょ?」


 頭目は作戦が露見を楽しむように「正解()よ!」と振り向きざまに風の魔弾を三つ生成して放ってきた。銀鏡と四季崎が咄嗟にそれぞれ別の方向に躱すと四季崎は、「計画通りに」と銀鏡に伝えた。


 銀鏡は躱すと同時に弓を構え、舷に指をかけながら、指先に魔力を込めながら、舷を引き絞った。白い軌跡を残すように何もない空間に魔力の矢が生まれた。彼は風の弱い部分を見つけ出すと躊躇いなく舷から指を離した。矢は吸い込まれるようにして風の隙間を通り、結界に当たった。しかし、バチン!と音を立てて音を立てて魔力の矢は砕け散ったが、結界には何の影響も及ぼさなかった。


 四季崎がそれを確認すると、四季崎は『四季』を低く構えて、再び頭領へ向かって一直線に突撃した。


 頭目は待ってましたと言わんばかりに、複数の疾風の魔丸を生成すると四季崎に向けて放ってきた。


 四季崎は簡単に躱していき、躱せない風の魔弾に関しては銀鏡が魔力の矢で撃ち落としていった。そこには銀鏡への絶大な信頼を伺えるほどで、一切恐れることなく頭目の風の結界の間際まで一気に接近していった。

私の作品を読んでいただき、本当にありがとうございます!感想を聞かせていただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ