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時紡ぐ英雄譚  作者: 漆峯 七々
異端者の烙印、聖女の覚醒

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祭祀場での決闘 01

四季崎と銀鏡は、儀式の最中に襲撃を受け混乱に陥った祭祀場へと急行する。

途中、満身創痍の新人冒険者や仲間の死に直面しながらも、ノクターン・リーヴァーの大群と対峙し、巧みな連携と陽動で危機を乗り越える。

銀鏡は森に潜む魔獣使いを捕縛し、冒険者たちは子どもたちを守り抜くが、祭祀場ではリーダー格の敵が聖騎士らを圧倒し、伊勢が行方不明となる。

四季崎は仲間たちの信頼を背に、救出と事態打開のため単身で祭祀場へと向かう決意を固める。

 四季崎はみんなを置いて先に行こうと祭祀場の階段に向かった背中からは「後で合流する無理はするな!」と銀鏡が叫んでいる声がき聞こえた。


(祭祀場周辺に待機していた冒険者はそれなりに経験を積んでいるのもばかりだったはずだ。いくら、相手が、強くとも一瞬で片がつくとは思えない)


 四季崎は祭祀場から逃げてきた子どもたちの証言を疑いながら先を急いだ。足を止めず、登り続けると目の前に石段の終わりが見えてくると、四季崎は歩みを緩めながら、石段を登りきった。


 目の前に広がった景色は森が円形に開らかれた場所に造られた時を刻むのをやめたような広大な遺跡を思わせる祭祀場だった。


 遥か昔の人々の生活を物語るかのような、しかし今は無残にも崩れ去った石造りの建造物群。幾重にも重なるように連なる壁の残骸は、どれも風雨に晒され、表面には黒ずんだ苔がびっしりと張り付いている。


 かつては整然と並んでいたであろう柱も、今は無残に折れ、傾き、瓦礫の山となって散らばっていた。


 遺跡の中央には、一段と高く、そして異様に重厚な石舞台が鎮座しており、周囲の荒廃とは裏腹に、その威容だけは辛うじて保たれていた。


 四季崎の位置からは遠すぎて状況が正確には掴めないが、金属がぶつかり合おう甲高い音や怒号と呻き声聞こえてきた。おそらく、ここの護衛に当たっていた聖騎士たちが盗賊たちと交戦しているのだろう。


 石舞台まで通じる道の途中には無惨にも散っていった聖騎士たちの亡骸から鉄錆の匂いが風に乗って否応なく伝わってきた。



(遠すぎて見えないが、儀式中で襲撃されたと言うことは伊勢くんは中央の石舞台にまだいる可能性が高い。それにそれを守っている騎士がいるから確定だろう)


 四季崎は状況を分析すると先ほどみたいな奇襲は悠長と判断すると、全速力で援護に向かった。


 距離が半分くらいに差し掛かったところで四季崎の足音に気づいた騎士と盗賊の戦いを眺めている五人のうち一人、一番身なりの良い男が後ろに視線をやるとなにか呟いた。


 少し言い争いになりながら、最後には身なりのいい男に背中を蹴られこちらに向かわさせた。


 四人がこちらに向かいながら剣を抜き放ち、上質の剣を構えた。


(彼らは本当に盗賊か?盗賊が使うには立派すぎる武器に思えるが……)


 盗賊には似合わない上質な剣を構えた四人の盗賊が四季崎ににじり寄りながら陣形を組んでいった。一人を残し、三人が前に出ると横一列に並びになった。


(囲まれるとまずい。上手く立ち回らなければ……)


 四季崎の間合いに入る直前に中央の盗賊は一気に加速し、距離を縮めると頭を叩き割るかのように縦に剣を振り下ろしてきた。


 四季崎の棍状態の『四季』でその斬撃を受け止めると同時に身体を回転させ背中側で受け流すように剣先を逸らしていった。その隙を突くように左手から回り込んできたもう一人の盗賊が首を跳ねようと横薙ぎ振るってきた。しかし、四季崎は空いている方の手で盗賊が剣を握る腕を掴み止めた。


 四季崎の視界の左側に回り込むとする盗賊の姿が映ると握った盗賊の腕をひねり痛みで顔が歪み、剣を取り落とすとその腕を強く手前に引いて入れ替わるように四季崎は前に躍り出た。


 四季崎はすぐに向きを反転させると武器を構えた。その時にはすでに武器を取り落とした仲間をかばうように二人が前で構えていた。


(あの武器、古く安物に偽装をしているようですが、盗賊が持つには分不相応な代物だ。それにあの連携。訓練された動くだ。魔獣使いが言っていた『フクロウの瞳』、、聞いたことがないがそれほどの手練れなのか?)


 四季崎が思考を巡らせているとその合間にも彼を包囲しようと盗賊がゆっくりと動く出していた。


 四季崎は視線を一瞬だけ後ろの建造物群の残骸に向けた。


(一度、あちらに引き付けますか)


 四季崎はそう考えると盗賊に背を向けて一目散に乱立する建造物跡に入っていった。彼は盗賊が追ってくると見越し、視線を後ろに向けた。


 四季崎の予想通り四人の盗賊は後を追うように道から外れて入ろうとした。しかし、その様子を見ていた身なりのいい男が、「やめろ」と一言、言い放つと盗賊は足を止めた。その後、顎でこっちに来るように合図をすると不満そうに戻っていった。


(あれが頭目ですか。賢いですね。追えば、包囲が困難になる事を理解している。それに仲間を戻すことでいつでも聖騎士への増援を送れるという圧力にもなる、、出るしかないか、、だがその前に、、)


 四季崎は一度大きく迂回して石舞台の方の様子を一瞬だけ確認した。


 石舞台の前では、聖騎士が二人で一人の盗賊を相手にしていた。聖騎士は二人で対応しているにも関わらず、苦戦を強いられているようで改めて盗賊の強さが伺えた。


一段高くなっている石舞台の上では伊勢が白色の晴衣裳に身を包んだまま舞台に倒れていた。それをかばうように、白い法衣を纏った年配の司祭が彼女の前に立ち、聖騎士を助けるように支援魔法をかけていた。


(こちらの状況も厳しいか。司祭が戦況要だが、この状況で聖騎士が一人でも倒れると後は時間との勝負になりそうだ)


 即座に戦況を分析するとそのまま頭目の元へと走り出した。


(祭祀場全体の状況は大体把握した。あとは奴らを制圧するだけだ)

私の作品を読んでいただき、本当にありがとうございます!感想を聞かせていただけると嬉しいです。

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