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時紡ぐ英雄譚  作者: 漆峯 七々
異端者の烙印、聖女の覚醒

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祭祀場襲撃事件 04

四季崎是空は、異端者としての過去を持ちながらもギルドの一員として成人の儀の警備任務に参加することになる。

会議で仲間たちと打ち解け、現地調査のため夜の街道を訪れた彼は、迷子の少女・小暮涙と出会い、優しさと責任感から彼女をカルマティアの城門まで送り届ける。

少女との別れと贈り物の交換を経て、四季崎はギルドへ戻り、深い眠りに就く。

翌朝、寝過ごしたことに気づき焦るが、親友の銀鏡に励まされ、共に祭祀場へ急ぐ。

穏やかな草原を抜ける中、二人は周囲の異変に気づき、戦闘の予感とともに警戒を強めて現場へ向かう。

 四季崎は自分が巻いていた深緑色のマフラーを近くにあった大きな石に巻き付けると自分から離れた

遠くの方の茂みに放り投げた。


 マフラーが巻き付いた石は大きな音を茂みに落ちた。一部のノクターン・リーヴァーその音に気づくと数匹を連れてそちらに向かっていった。移動を確認すると四季崎はその反対に音を立てないように進んでいき、別の石を手前に投げた。別のノクターン・リーヴァーが同様に数匹で森の奥に進んできた。彼は息をひそめて接近を待ち、ノクターン・リーヴァーが四季崎に背中を向けた瞬間、短いままの『四季』を用いて頭部を強打し「ドゥン」という鈍い音と共に一匹ずつ倒していった。


 森の中から聞こえる仲間の断末魔が聞こえるとノクターン・リーヴァーに動揺が走りながらも別の数匹を送り込んだ。その頃には四季崎はその場から離脱し、最初に投げたマフラーの辺りに移動した。最初に向かたノクターン・リーヴァーは敵の姿が見当たらないと周囲を警戒するように辺りを見渡していた。


 急に現れた四季崎の存在に動揺したノクターン・リーヴァーを昏睡させるとマフラーを回収した。


「すまないね。これは私のお気にいりなんだ」


 あとは同じように引き付けては倒しを繰り返していき、倒していった。ここまで来ると、ノクターン・リーヴァーは陽動を仕掛けても反応することなくその場を動こうとしなかった。


 数が減ってくると、さすがの仲間の冒険者たちも何者かの協力を受けていると気づいてきた。四季崎は姿を隠すのもここが潮時と判断し、森から姿を現した。


 四季崎の姿を目の当たりにした仲間の冒険者たちは一堂に歓喜の声を上げ自分たちの勝利を確信したようだった。その中で一角隊長は四季崎に対して力強い視線を向けながら、「よく来てくれた」と伝えるかのように強く頷いた。


 四季崎も答えるように小さく頷くと、『四季』を構え直した。


(残った魔獣は十匹。この程度なら私一人でも対処は可能だ。それに周りには仲間のいる負ける要素はないに等しい!)


 四季崎が動くと六匹だけ残し、四匹だけが四季崎にに向かってきた。


 四匹釣れたことを確認すると、仲間から離すように横へ横へとずれていき、ある程度、離れたのを確認すると、急に背中を向けて走りだし、森に入り込んだ。二匹は食らいつかんと森に入り込み、残り二匹はしり込みするように森の手前で足を止めた。


 四季崎は木の合間を縫うようにノクターン・リーヴァーの視界から消えたり現れたりしながら、動き回り、最後には木の陰に隠れ視界から完全に消えた。視界から四季崎が消えたことで動揺しているところへ気に枝を使って上に登った彼は上から急襲した。隣で仲間がやられ、行動に困惑している隙に頭部を殴打して倒した。


 新たに森の中で仲間の断末魔が響いたことで森に入らなかった二匹は四季崎を諦め、六匹に加わり、仲間の冒険者を襲いだした。


(ちっ!仕留められないなら、できる方からっということですか!)


 急な増援にスキを突かれた冒険者たちは防衛の合間を抜けられ、子供たちにノクターン・リーヴァーが迫っていった。


 すぐそこまで迫ったノクターン・リーヴァーが大きな口を開けて子供たちに食らいつかんとしていた。


『集え烈風。その形を弾丸へと変え、我が敵を撃ち抜け!』


 子供たちの中のどこからか詠唱が紡がれた。


シフネーア(疾風の) ペシェット(魔弾)


 大きく開いた口に向かって収束した多勢の弾丸を食らわせることで、その顎を砕き、その場に撃ち落とした。痛みにもがき苦しむノクターン・リーヴァーにとどめを刺すように子供たちの近くで守っていた一角隊長が手に持っていた長槍で一突きして仕留めた。


(あの年であれほどの戦闘魔法……もしかして……)


 魔法を放った存在にスポットライトを当てるように子供たちはその人物に視線を集めた。そこに立っていた船で出会い、四季崎と戦った少年である風運だった。たった一日で船で会った時とは見違える立ち姿と眼光で、恐怖を押し殺し風魔法を駆使し熟練の仲間に劣らぬ援護戦闘を見せていた。


(相模か。あの時の『責任をもって指導する』約束を守り、昨日の今日で厳しい実戦指導を叩き込んだのだろう。そうでなければこの成長は説明がつかない。)


 魔法による仲間の死を目の当たりにした影響は完全に統制を失ったかのように狼狽えだしたノクターン・リーヴァーは最終的には森の中へと消えていった。


(これで広場の安全は確保できただろう。逃げた魔獣はいずれ他の冒険者に討伐を依頼すればいい。しかし、急に統制が崩れたのは、神楽のおかげか)


 そう考えていると、森の中から一人の人物が茂みを分けて現れた。

私の作品を読んでいただき、本当にありがとうございます!感想を聞かせていただけると嬉しいです。

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