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時紡ぐ英雄譚  作者: 漆峯 七々
異端者の烙印、聖女の覚醒

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成人の儀 前夜 02

物語は、主人公の四季崎しきざきがギルドで旧知の仲である銀鏡しろみと偶然再会する。

銀鏡に誘われ、隠れ家のような店を訪れた四季崎は、そこで極秘任務である「成人の儀」の護衛を依頼される。

依頼を引き受けた四季崎は、自身の武器である『四季』の性能を拡張する「可変機構」を受け取る。

彼はその夜、来るべき任務に備え、夜通し武器の手入れに没頭してしまった。

翌朝、四季崎はギルドで再び銀鏡と遭遇し、模擬戦を行うことになった。

演習場では、銀鏡が弓矢と体術を組み合わせた巧みな戦術で四季崎を翻弄します。

銀鏡は矢の軌道を隠したり、煙幕で視界を奪ったりと、次々に変化に富んだ攻撃を仕掛けますが、四季崎は卓越した身体能力と冷静な判断力でこれらに対応していきます。

 一角隊長の歩みは、まるで大地を掴むかのように力強く、一歩一歩が揺るぎない自身に満ち、その足取りに迷いなど感じられなかった。背筋は真っ直ぐに伸び、視線は遥か前方を見据えている。その眼差しには、揺るぎない意志が宿り、周囲のあらゆるものを圧倒するような鋭さを秘めている。


 彼の姿を見た周りの若者は、目には見えない威圧感に皆姿勢を正し、ある者はその井出達に畏敬の念を抱き、ある者は尊敬の眼差しを向けていた。風を切り裂くように歩くと自然とその前に道ができていった。中央の机の扉の反対側に到着すると、たくましい腕を机に乗せた。


 一角隊長は部屋の中全体を見渡すと、「全員揃ったな」と渋い低い声で呟くと全員は背筋を伸ばし、緊張した空気になった。隊長は満足げに頷くと、近くにいた若者が急いで椅子を準備し、一角隊長に差し出すと、彼は若者にお礼を言って椅子に腰を掛けた。


「さて、本日の会議で最後になるが……ここで人員の変更があった」


 一角隊長は鋭いまなざしを四季崎に向けた。


「冒険者の得居が不慮の事故で今回の任務から外れることになった。そこで急遽、銀鏡のの紹介で参加することになった。皆も彼の噂を聞いているだろうから、改めて説明は不要だと思うが、念の為だ、紹介を頼む」


 四季崎に視線が集まり、あまり慣れていないため、少し動揺しながらも自己紹介を始めた。


「私は、四季崎 是空といいます。今回のような任務は初めての為、至らない点もあると思いますが、どうぞよろしくお願いします」


 最後に、深くお辞儀をすると、会議室は一気に沸き上がり、皆口々に四季崎の謙遜を笑っていると、一角隊長の周囲に鋭いにらみつけると一気に静寂を取り戻した。


「じゃあ、前にも話したが、四季崎は今回が初めてだ。一から簡単に説明するぞ」


 一角隊長は懐から古めかしい羊皮紙を取り出すと、机の上に丁寧に広げていった。それはどうやら、今回の仕事の見取り図らしく、祭祀場の入り口から続く階段から祭祀場までとその周囲の森林の詳細な見取り図だった。今度はズボンのポケットから木製の紅白の駒を取り出した。それを手際よく並べていき、すぐに配置が完成した。


 祭祀場中央には白色の駒が四つが置かれ、その周囲を()()()に赤色の駒が五つ等間隔に配置された。更に道の途中にある広場にさらに三つ。最後に入り口に二つ駒を配置していった。


「これが基本布陣だ。祭壇周辺は聖騎士が護衛する。我々冒険者は周辺の森と途中の広場、入り口の警備に当たる……」


 話に出てきた聖騎士という単語に反応し、今もなお、部屋の隅で固まっている上質な鎧に進まれた騎士に視線を向けた。


(よく見ると、騎士の奥にローブを着た初老の男が一人……あれが聖騎士か。なんで彼らがここに?)


 四季崎が警戒しながら聖騎士の方を見ていることに気づいた一角隊長は、小さくため息をつくと説明を中断し、四季崎に説明した。

 

「彼らは今回の依頼人だ。そして、協力者でもある。いい機会だ、お前ら!説明しろ」


 聖騎士たちは互いに目を合わせどうするか話し合っていると、その中からローブを着た初老の男が前に出てくると、胸に手を当てて深くお辞儀をした。


「ご紹介が遅れて、申し訳ありません。我々ウィプス聖教 旧約派に属しています。司祭長 朝日と申します。四季崎様、大冠輪廻の儀でのご活躍は我ら旧約派一動大いに……」


 ウィプス聖教の話をまともに聞く気がないのか、最初の不信感を向けた後は既に興味をなくしたように視線を見取り図に向けていた。そのことに気づいた朝日は自分の無力さ悲しそう中ををしながらも話を最後まで続けた。


「四季崎様!これだけは分かってください。ウィプス聖教にはあなた方のような異端者と断じられている人たちに手を差し伸べようするものがいることを分かってください」


 それだけ言うと朝日は聖騎士の後ろに下がっていった。彼の話が終わるのを待っていた一角隊長は大きく咳ばらいをすると、「もういいか?」と尋ねたが返事はなかった。


「四季崎。途中から上の空だったが、説明を聞いてたのか?」


 疑うように鋭い視線を四季崎向けると、当然のように一角隊長の話した説明を繰り返した。一角隊長はその説明に大きな問題がないを確認すると大きく頷いた。


「よし!問題なさそうだな。それで四季崎、今までの説明でなにか質問はあるか?」


 今回の仕事に四季崎がどのような質問をするのか、興味があるのか全員は四季崎の方に視線を向けた。そんな状況を楽しむように銀鏡はニヤニヤしながら、四季崎を小突いた。四季崎は鬱陶しそうにしながらも気になっていたことを聞くことにした。


「一角隊長。お言葉に甘えて一つ質問をさせて頂いてもよろしいでしょうか?」

私の作品を読んでいただき、本当にありがとうございます!感想を聞かせていただけると嬉しいです。

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