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第59話・リヴァイアサン

 

「なんだ今のは! 潜水艦の魚雷か!?」


 突然の事態に混乱する海域。

『なぐら』と『あぐに』は包囲陣を解き、海警船から急いで距離を取る。


 領海外で待機していた他4隻の海保巡視船も、大急ぎでエンジンを動かし始めた。


「見張り員!! 何が起きた!!」


 船長の声に、見張り員はさっきまで調査船があった場所を見ながら答える。

 そこにはもう、大量の水泡しか残っていなかった。


「口です!! 大きな口が……調査船を噛み砕きました、乗員は全滅です!」


 一体何が起きたか理解できないが、少なくとも日本側の仕業でないのは明らかだ。

 そして、もちろん中国側の可能性も低い。


 しばらくして、答えは全員の前に示された。


「海面の隆起を確認! 何かが浮上して来ます!!」


 海を突き破って現れたのは、巨大な蛇––––いや。

 “海竜”とも言うべき存在だった。


「ガアァァアアアアアアアアッッッ!!!!!」


 全身を真っ黒な鱗で覆っており、長さは100メートルを超えている。

 顔はドラゴンにも似ていて、調査船を沈めたのは間違いなくそいつの持つ顎だった。


 呆気に取られる者たちの中で、最初に動いたのは––––


「ッ……!! 中国船に動きあり! 機関砲が旋回しています!!」


「まさか……!!」


 そのまさかであった。

 次の瞬間には、3000トン級海警船––––通称『海警3302』と『海警3304』が、前部に搭載する30ミリ機関砲を発射したのだ。


「おいおい! 撃ちやがったぞ!!」


 2隻による連続射撃は、海竜を直撃した。

 通常の生物であれば、30ミリ機関砲弾を食らって生きているはずも無い。


 しかし……。


「目標健在! ダメージは認められず!!」


「ッ……!!」


 海竜は信じられないレベルの外部耐久性を持っており、海警船の攻撃を全く受け付けていなかった。

『なぐら』の船長は、急いで無線を取る。


「展開中の全船へ!! ただちに島から距離を取れ!! 航海長! 最大船速で走るぞ!!」


「ヨーソロー!!」


『なぐら』と『あぐに』が全速で離脱する中、海警3302と3304の2隻は攻撃を続行。

 しかし––––


「あぁっ!」


 海竜の体当たりをまともに受け、海警船3302は真横に横転––––大破させられた。

 援護に入ったもう1隻も、尻尾を上から叩きつけられたことであっという間に轟沈。


 海に放り出された中国人たちは、無慈悲にも海竜によって次々と捕食されていった。


「船長! こっちに来たら撃ちますか!?」


「ダメだ! 海警船の30ミリで歯が立たなかったのにこっちの機関砲が効くわけない。相手は俺たちの乗る1000トン級の3倍––––3000トン級の海警船を一撃で沈めてるんだぞ!」


『なぐら』船長は、あくまで退避に徹した。

 あの化け物は、法執行機関の持つ程度の武力では勝てない。

 そう認識したからだ。


「目標、進路転進––––潜航します!」


「本部に事の全てを報告! ビデオはしっかり撮ったな!? これより基地へ退避する!」


 腹が膨れたのか、暴れ回って満足したのか……離脱する海保巡視船部隊をあの化け物は追って来なかった。


 この情報は即座に首相官邸へ上げられ、政府はこの正体不明のモンスターを『リヴァイアサン』と命名。

 海保での対応は不可能と判断し、秘密裏に自衛隊が対処する方向となった。


 なお、中国もこの事態を国民に知られたくなかったのか情報を一切非公開。

 後に海警船が尖閣へ来ることは無くなった。


読んでくださりありがとうございます!


「少しでも続きが読みたい」

「面白かった!」

「こういうダンジョン×自衛隊流行れ!」


と思った方はブックマークや感想、そして↓↓↓にある『⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎』を是非『★★★★★』にしてください!!

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― 新着の感想 ―
[良い点] これ自衛隊が開発案出した巨大艦ガチ実装必要?現代の大和だなんだ言われてた。 きっと怪獣の女王みたいな大きな蛾が助けてくれるさ、というのはおいといて、あれの装甲ぶち抜くにはどれぐらい必要か…
[気になる点] 仮にリヴァイアサンが爬虫類に近い生態の生物なら繁殖のためには陸上に上がって卵を産む必要がある。胎生ならイルカかクジラみたいな感じだろう。
[気になる点] ゴジ...間違えた。 リヴァイアサンがC国を丸呑みしたけど....腹を壊さないのかなぁ〜 [一言] 怪獣と戦うとしたら....あの例のBGMを流すしかないな。
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