第507話・最強の宣言
いよいよマンガ版で現代最強――――錠前勉が出てきました(先行有料回)。
先に言っておくと、ビジュアルは敢えて五〇悟から外しています。一言で言うと糸目の強キャラです。
無料公開待ちの方のためにもまた告知しますが、待ちきれない方はぜひ最新話を。
「一体、どうやって余の結界を」
この第5エリアには、錠前勉のみを通さない結界が張ってあった。
対象を特定個人に絞ることで、極限まで強度を上げていた。
それが、今破られてしまっている。
結界術の練度、誓約の内容からも物理的な破壊はあり得ない。
考えられる可能性は――――
「……因果の代行者の力か」
新海透、そしてその恋人の四条衿華。
この2人が、結界を破った張本人だ。
イヴは思い出す……、ループを行う上で一番の障害は――――
「見ない間に姿が変わったね、イヴくん。それが本体かな? それともエンデュミオンくんの体は別のことに使うのかなぁ?」
ほぼ瞬間移動に近い速度で地上に降りた錠前は、イヴと対峙した。
魔眼でザッと、背後の執行者を診断する。
「エクシリアくん。テオドールくんを連れて下がりな、見たところ内臓を相当やられてる。拠点で急いで治療を」
この言葉に、テオドールは即座に否定しようとしたが。
「行くわよテオドール、師匠命令。知ってるでしょう? どんな存在でも錠前勉の前では等しく足手まとい。まして負傷したアンタじゃ論外だわ」
「ッ…………」
歯を食いしばったテオドールは、すぐに思考を切り替え。
その場から他の執行者と一緒に逃げようとした。
「逃がすな、ガブリエル」
直後、上空から無数の光の槍が降ってきた。
圧倒的な面制圧、とても避け切れない。
しかし錠前は指を上に向けると、
「『劈』」
一瞬だった。
錠前を起点に放たれた無数の斬撃が、数千を超える魔法をいとも簡単に破砕。
周囲のビルが、余波で崩れ去る。
「子供の背中を狙うのはいただけないね、それともアレ? 彼女たちそんなに逃がしたくなかった?」
ニヤニヤと煽る錠前。
数秒後、イヴの左右に2人の男が転移してきた。
大天使ガブリエルと、大天使サリエルだ。
破壊神に大天使。
この面子を前にたった1人で対峙できるのは、現代で間違いなく錠前ただ1人だろう。
「執行者はループに邪魔なのだ、錠前勉。だが良い、お前には第1エリアで顔に泥を塗ってくれた借りがあったな」
そう言ったイヴが、ニッと笑った。
「殺す」
「はっ! 彼氏に会いたいために世界を繰り返すクソメンヘラ女が、ラブコメ主人公気取ってんじゃねーよ」
「貴様ぁ!! イヴ様を侮辱するか!!!」
超スピードで地を蹴った大天使サリエルが、その顔面を殴りかかりに行くが――――
――――バギィッ――――!!!!!!!!
「ッ!!!!!?????」
「テメーには話してねぇよ」
錠前の前ではゴミも同然。
紅い魔力を纏った腹パンを決められ、血を吐きながら背後のビルまで吹っ飛んでいった。
その際、イヴは特に受け止めるでもなくただ軽く避けた。
「お待ちくださいイヴ様、今錠前勉と戦えば……『エンジェル・フリート』の起動ができません」
初めて聞く単語。
それに対し、イヴは少し考えた後に――――
「良いだろう、ではこの場は一旦引くとしよう」
「おやおやぁ? 天下の最強破壊神様がそんな小童の言う事聞くんですねぇ~」
「挑発には乗らんぞ、そう生き急ぐな。貴様だけは近いうちに必ず殺す」
「あーはいはい、じゃあいつ決戦するかこっちで決めて良い?」
錠前の問いに、イヴは沈黙でもって肯定。
好都合だった。
彼にしても、イヴと戦う前に”準備”を整えたい。
「じゃあ12月24日なんてどうだい?」
「気色が悪いことを言うじゃないか、イヴ様には生涯を共にするパートナーがもういるんだよ?」
「君こそ勘違いするなよガブ公、僕はただその日を国民の祝日にしたいだけさ。若人たちが少子高齢化社会をひっくり返すための手助けってやつだよ」
暗に宣言。
この言葉に、ガブリエルは不敵に笑いながら問う。
「勝つ気かい?」
「はっ――――」
錠前はふと思い出した。
かつて透にも、似たようなことを聞かれたなと。
――――『負けちゃいますか?』――――
ガブリエルの問い。
透の問い。
この2つに対し、錠前は正面から言い放った。
「勝つさ」
――――最終決戦開幕――――




