第483話・逃走と調和
すんません!今回は文量少し少な目です。
代わりに次回の分増やしてますので
「うっわ、アンタ最初そんな態度悪かったの? ドン引きだわー、超引くわー」
時間は一旦戻って現在。
オフィスチェアに座った久里浜が、ゴミを見る目をしていた。
「うっせ、お前だって最初は隊長のこと舐めてたろ」
「いやしょうがないでしょ!! 新海隊長って物腰低いからつい強気になっちゃったのよ! 口に銃突っ込まれてわからされたけど……。それで? 16式まで来ちゃったけどどうしたわけ? まさか錠前1佐よろしく、中に手榴弾投げ込んだとかじゃないでしょうね?」
「さすがにそれは無い。生身で16式を倒すのは不可能だからな、けど――――」
ニッと笑った坂本は、嬉しそうに続きを話す。
「一泡吹かせてやったよ」
◇
――――王城寺原演習場。
16式と普通科部隊の逆襲を受けた透と坂本は、必死に下山を試みていた。
「さすがに北部方面隊は動きが早いな、あと5分は駆けつけるまで掛かると思ったんだけど」
「…………ッ」
「逃げ切れると思う?」
「まぁ1割成功率があれば良いんじゃないっすか? 16式から逃げ切るのは実質不可能、加えて随伴歩兵までいました。面子に賭けて僕らをぶっ殺すでしょうね」
「だよなぁー、悪い坂本3曹。こんな事態になっちまって……俺の責任だ」
走りながら謝る透。
朝までの自分なら、新米士官がやらかしたと見て呆れていただろう。
だが、今は違う。
「……新海隊長、1つ質問があるんすけど」
「ん? なんだ?」
坂本慎也に友と呼べる存在はいない。
それは、彼が基本ソロで生きることを好んでいるから。
しかしこの最初こそ頼りなく見えて、実は自分なんかよりよっぽど”持っている”。
心身共に成熟した男へ、問いを投げかけた。
「隊長って……、アニメとかマンガ。あとラノベ……好きっすか?」
「…………」
何を聞いているんだ…………!!
今は演習中で、絶賛敵に追われている。
頭のおかしい部下と思われた。
そう思った時だ。
「おう! 大好きだぞ、なんなら推しのVチューバ―に投げ銭しまくったり、グッズ買って部屋に飾ろうと画策中!」
「ッ!!」
とびっきりの笑顔で返す透。
坂本慎也は初めて、他人に興味と関心を持った。
社交辞令で似たようなことを言うヤツは何人もいた。
けどこの隊長は、この状況でも全く焦らずに意味不明な問いへ本気で回答してくれた。
間違いない、この方になら――――
「それを聞けて良かったです。隊長」
命を預けても良い。
「俺も気が合う仲間ができて嬉しいよ、坂本3曹」
「ははっ、堅苦しいっすよ。気軽に呼び捨ててください」
「じゃあ”坂本”! ここから一気に逃げ切る案があるんだけど、お前の協力が不可欠だ。付き合ってくれるか?」
「無論、なんでも言いつけてください」
逆襲開始――――!




