第455話・決着! 四条&ベルセリオンVSエンデュミオン
【エンデュミオン頑張れ! そんな日本人の女に負けるな!!】
【なんのために貴重な宝具で転生させたと思ってる! 裏切り者含めてサッサと殺せ!!】
【みっともないぞ! 早く無双しろ!!】
エンデュミオンの視界を通して観戦していた天界市民たちが、怒気の声をコメントにしてぶつける。
一方、眼前に迫った四条もまた視聴者の想いを一身に背負っていた。
【四条2曹行けぇッ!!!】
【その失格保護者に鉄槌を!!】
【こっちの日本じゃ食べ物の恨みは恐ろしいぞ!!】
今回、四条はあえて配信のノイズゲートを切っていた。
理由は主に首相からの指示で、東京奇襲への報復措置。
いつまでも黙ってばかりではなく、時には現場の生のやり取りも必要だと判断されたのだ。
ダンジョン配信が、さらに身近かつプロパガンダ的強さを持つように。
「はぁああッ!!!」
「クソアマがぁ!!!」
2人の応酬は凄まじかった。
元々四条は水陸機動団へ入る予定だった精鋭、そこへ実戦によって鍛えられた技能と魔力が乗せられることで、凶悪なまでの近接戦闘能力を手に入れたのだ。
銃剣付きの89式と、特級宝具グリフォニアが激しくぶつかり合う。
近接性能は両者互角だったが、差は明確だった。
――――ダダダンッ――――!!!
「ちいぃいッ!!」
首を曲げ、弾丸を避けるエンデュミオン。
グリフォニアと違い、89式はアサルトライフルだ。
四条は激しい攻防の隙間で、容赦なく3点バーストの射撃を織り交ぜた。
さらに――――
「よそ見してんじゃないわよ!!」
四条単独でも優位な場面で、眷属のベルセリオンも参戦。
魔導封域は発動しているが、2人の纏う魔装結界によって中和。
結果的に、エンデュミオンは本来スペックで優っているにも関わらず、封域維持のため押し負けている状況だ。
「そこ!!」
そんな隙を、もはや日本トップ級となった四条が見逃すはずが無い。
エンデュミオンの回避先を読み、3バースト射撃をお見舞い。
彼の脇腹へ、ホロ―ポイント弾を叩き込んだ。
「ぐぅうッ…………!!」
すかさず治癒魔法を発動するが、やはり体内で残った弾丸はどうしようもない。
封域の維持も相まって、それは致命的な隙となった。
「一気にいくわよ! エリカ!!」
「はい!!!」
「ッ!!!!」
ダンジョンマスターを今殺すわけにはいかない。
手に持っていた武器を同時に捨てた両者は、そのまま凄まじいスピードでの殴打へと移った。
「ぶごばらぁッ!!?」
相互補完。
この言葉が相応しいレベルで、四条とベルセリオンは完璧なタイミングで同調。
エンデュミオンに転移魔法による脱出すら許さず、一方的な攻撃を続けた。
――――ぬ、抜け出せんッ…………!!
圧倒的なコンビネーションで、ダンジョンマスターをぶん殴り続ける。
その拳には、ただ1つ――――”空腹の恨み”が乗せられていた。
「ぐぅッ…………!! あぁ!! ガキ共ォオッ!!!!」
遂に怒髪天を突いたエンデュミオンが、グリフォニアを縦に振る。
しかし、四条とベルセリオンにとっては、それこそが待ち侘びたチャンス。
――――カンッ――――
「ッ!?」
エンデュミオンの顔に、円筒形の物体が投げつけられた。
金属製の筒には、『Flash Grenade』と印字されていた。
「終わりにしましょう、このロクデナシ」
閃光が炸裂する。
刹那――――全ての魔力を纏い、四条とベルセリオンは同時に拳を相手の顔に叩きつけた。
青いスパークが部屋中を走り回り、エンデュミオンの展開していた魔導封域が完全に崩壊した……。




