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第280話・激突・日中空母機動艦隊⑥

いつも読んでくださり、コメントも沢山書いてもらって本当にありがとうございます。

報告なのですが、現在2日に1話のペースで更新しているところを、しばらく3日に1話へ変更させていただきたいと思っております。


理由としましては、現在のペースでは作者の体調とクオリティの両立が非常に難しいためです。

誠に勝手ではございますが、より面白い物語をお届けするためにも、ご理解をいただけるとありがたいです。

引き続き本作をよろしくお願いします。


たにどおり

 

 海上自衛隊は、いよいよ最後の攻撃を準備していた。

 中国艦隊との距離は、既に140キロを切ろうとしている。


 機動艦隊同士の戦いとしては、かなりの至近距離だった。

 空母『かが』の甲板では、F-35Bが武装を搭載して出撃を行おうとしている。


 CICにいた第一水上戦群司令の若葉は、通信機を手に取った。


「全艦へ達する、これより我が艦隊は––––敵機動部隊へ最後の攻撃を行う。ここまで来れたのも、君たちが日頃の訓練を培って来たからこその成果だ。どうかあと一度だけ、その力を貸して欲しい」


『かが』の飛行甲板から、フル装備のF-35Bが飛び立って行く。

 その数、実に20機。


 この艦が投射できる最大数を、一気に同時発艦させたのだ。


「第一航空戦隊、全機上がりました」


「敵艦隊の位置は捕捉できているな?」


「米空軍のF-22が、戦術マーキングを続けています。どうやら美味しいところは譲ってくれるようです」


 町田艦長の言葉に、若葉は頷いた。

 そして、最後の号令を掛ける。


「艦隊全艦、対艦ミサイル発射用意!」


「全艦!! 対艦ミサイル発射用意!!」


 輪形陣を取っていた護衛艦隊、


『しらぬい』、『あたご』、『いなずま』、『あきづき』、『きりさめ』、『ふゆづき』、『ありあけ』『はぐろ』の8隻が米空軍のF-22のデータとリンクした。


「全艦!! 対艦ミサイル発射! 目標は敵空母『山東』! 持ち得る全ての火力でもって、日本の海から敵の航空母艦を排除せよ!!!」


 それはまるで、地獄の業火が吹き出したようだった。


「目標ロック! 90式SSM-1B––––攻撃始めッ!!」


 各護衛艦の中央に設置されたランチャーから、一斉に90式対艦ミサイルが連続発射された。

 これは米国が開発したハープーン対艦ミサイルの上位互換であり、射程はなんと150キロ以上。


 威力も非常に高く、1発当たれば現代の艦で沈まない物は無い。

 大量の白い帯が、群れをなすように中国艦隊へ向かって行く。


「航空隊全機、空対艦ミサイル発射!!」


 40キロ先を先行していたF35B (ビーストモード)20機が、これまた一斉にJSMステルス対艦ミサイルを発射した。

 90式対艦ミサイルが64発、JSM対艦ミサイルが80発。


 合わせて144発のミサイルが、F-22の誘導に従って中国艦隊へ突っ込んでいく。




「レーダー探知!! 対艦ミサイルです! か、数……144発!?」


 空母『山東』のCICで、レーダー員が悲鳴にも似た声を出す。


「敵ミサイルの進路は?」


「艦隊を挟み込むように接近中です! 距離、95キロ!!」


「飽和攻撃だ! 艦隊全艦、輪形陣を取って迎撃を開始せよ!!」


 龍司令の号令に合わせ、中国艦隊は陣形を変更した。


「『山東』を中央に配置、迎撃準備完了しました!!」


「対空戦闘!! 全艦、対空ミサイル発射!!!」


「対空ミサイル、発射!!」


 052D型イージス艦、および054A型フリゲートのVLS(垂直ミサイル発射装置)から、一斉に迎撃ミサイルが発射された。


「左弦『焦作』および『麗水』、迎撃を開始!!」


「続いて右弦、『唐山』、『南寧』も迎撃を始めました!!」


 中華イージスが自慢のレーダーを使い、防空行動を開始。

 さらに、6隻のフリゲートも対空ミサイルを撃ち続ける。


「こちら『塩城』、本艦も全力の対空射撃をもって『山東』を守る!」


 中国艦隊は意地を見せた。

 両舷から突っ込んでくる大量の対艦ミサイルに、スペック以上の迎撃率で対応したのだ。


 しかし、海自の全力攻撃を防ぐには全く足りていなかった。

 それも、初戦で055型イージス艦を失った影響がここで強く出てしまったのだ。


「敵ミサイル60発を撃墜!」


「まだだ、近接対空戦闘!! なんとしても『山東』を守れ!!」


 護衛の中華イージス、およびフリゲートが主砲と30ミリ機関砲による弾幕を展開。

 凄まじい曳行弾の嵐と、主砲の爆発がミサイルに襲い掛かるが……。


「こちら『焦作』! 後を頼む……!!」


 決死の弾幕を張っていた052D型イージス艦に、JSMが2発直撃。

 爆炎に飲み込まれて沈没した。


「こちら右弦『南寧』! みんな! 後を頑張ってくれ!!」


 先に飛翔して来た右弦側の対艦ミサイルが、護衛の駆逐艦とフリゲートを次々と食い破った。

 全力で対空砲を撃ち続ける『山東』の目の前で、右弦の護衛艦隊が全滅した。


「我々は……」


 90式対艦ミサイルが突っ込んでくる。

 搭載された30ミリ機関砲を撃ち続けるが、ミサイルの数はまだ30発以上残っている。


 ––––勝敗は決した。


「負けたのか…………ッ!!」


 航空母艦『山東』に、続々と対艦ミサイルが叩き込まれた。

 重量級の成形炸薬は装甲を簡単に貫き、内部格納庫を貫通。


 中に入れてあったJ-15戦闘機と、兵器類にも誘爆。

 燃料へ一気に引火し、巨大な飛行甲板が後部から前部にかけて、噴火でもしたように爆発していく。


 ミサイルの直撃を受けた艦橋はバラバラに砕け、根本から海に落下した。

 豪炎は艦内を駆け巡り、一番堅牢に守られたCICをも燃やし尽くす。


 艦体を4つに分断された『山東』は、黒煙と悲鳴のような金属音を上げて海に沈んで行く。


 ここに、日中空母機動艦隊戦は––––激闘の果てに決着した。


 中国海軍はこの海戦で、


 055型イージス駆逐艦2隻。

 052D型イージス駆逐艦4隻。

 054A型フリゲート6隻。

 093型攻撃潜水艦1隻。

 クズネツォフ級航空母艦『山東』、および艦載機36機。


 これら1個空母機動艦隊を、丸ごと失った。

 後の日本艦隊による救助活動で、多少の人間が救助されたが……およそ8割の兵士をこの戦いで失う結果となる。


 中国国防部はこの海戦の結果を、共産党に隠そうとすぐに動き出すが……直後のアメリカ合衆国の動きによってそれは無意味となった。


引き続き面白いと思った方、でも感想書きづらかったら一言

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モチベ爆上がりします。

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( ゜∀゜)o彡°無理せずマイペースで!
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