第27話・ダルマ落とし作戦
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ラビリンス・タワー攻略作戦、通称『ダルマ落とし作戦』が開始される。
まず最初に接敵したのは、部隊で最も足が速い対戦車ヘリコプターだった。
「アタッカー1よりCP、進行方向に地竜発見––––60体以上の大群です」
対戦車ヘリコプターAH-1Sの4機は、熱源探知カメラで敵の姿を捉える。
4足歩行で背中に硬い殻を持ったそいつは、どちらかと言うと亀に近い。
「了解した––––火蓋を切って落とせ。“ダルマ落とし”を開始せよ!」
CPの指示で、ヘリ部隊は横1列に展開。
光学照準器で狙いを慎重に定めた。
「全機、TOW斉射!! 敵部隊を可能な限り減らすぞ」
––––バシュゥッ––––!!!
4機のヘリコプターから、8発のTOW対戦車ミサイルが放たれた。
古いミサイルだが、その性能は実戦で折り紙つき。
ロシア軍の主力戦車、T-80すら破壊する一撃が––––地竜の硬い甲殻へ直撃した。
ミサイルは突進中だった敵の先頭を捉え、次々に絶命させていく。
激しい爆発が、地面を揺らして土煙を上げる。
「地竜20体撃破、さらに距離を詰める」
前進した攻撃ヘリは、地竜から1キロの地点まで前進した。
ミサイルは既に撃ち尽くしたので、残った無誘導兵装を使うためだ。
「敵は混乱している、ハイドラ70––––全弾発射!!」
ミサイルがあった場所の隣には、一見蜂の巣のような発射機が付いている。
ハイドラと呼ばれたこれは、米国製の70ミリロケットランチャー。
ロケットランチャーと聞くと、歩兵がどんなに頑張っても1発しか撃てない大型火器を想像するだろう。
だがこれは戦闘ヘリだ。
左右合わせて、なんと38発連続で発射できる。
「撃てェッ!!」
4機のAH-1Sが、ロケット弾を一斉に撃ち放った。
まるで、大量の花火を同時に点火したようだ。
回転により安定した弾道で飛翔したそれは、混乱する地竜へ死の雨となって降り注いだ。
1発でも大型装甲車に当たれば有効な弾が、100発を軽く超えて撃ち込まれたのだ。
壊滅状態となった地竜は、さらに接近した攻撃ヘリ部隊をようやく目視。
口内から火炎弾を繰り出した。
––––ガギィンッ––––!!!
放たれた1発がヘリの正面に命中するが、機体が軽く揺れただけで殆どダメージを受けていない。
当然だろう、たかだか火の玉で落ちるほど軍用ヘリは脆くなかった。
よく映画やアニメ、ゲームでヘリは簡単に落ちているが、アレは殆どフィクションと言って良い。
この旧式のヘリでさえ、機関銃弾くらいは平気で耐える。
生物が放つ程度の圧力の炎では、装甲の前に無力なのだ。
さらに接近したヘリ部隊は、遂に最後の武装を使用した。
ホバリング状態で、機首の兵器を起動する。
「機銃掃射開始、薙ぎ払えッ!」
コックピットの下に付いた20ミリガトリング砲が、唸りを上げて発射された。
これはさっきの炎と違い、重装甲車すら引き裂く威力を持った兵器だ。
––––ヴィィィィィイインッ––––!!!
上空という圧倒的に有利な位置から、ほとんど一方的に地竜を掃討していく。
降り注ぐ20ミリ砲弾に耐えられる殻は自然界に存在などせず、地竜の最後の1匹までもがミンチにされた。
カラカラと音を立てて、ガトリング砲の回転が終わる。
ヘリのカメラには、草原に散らばる大量の結晶しか映っていなかった。
「こちらアタッカー1、敵前哨部隊を殲滅。これより帰投する」
悠々と引き返していく対戦ヘリ部隊。
地上側に迎撃の手段が無ければ、戦いを一方的にできるのが航空機という物の強みだ。
かつてイスラム国というテロ組織が跋扈した際も、国際連合軍は空爆で奴らを徹底的に叩きのめした。
さらに時代を遡ればマレー沖海戦や、パールハーバー空爆まで。
航空機の有用性は、第二次世界大戦で旧日本軍が示して以後––––ずっと変わっていないのだ。
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