表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/453

第27話・ダルマ落とし作戦

総合評価2000pt突破本当にありがとうございます!!

引き続きの応援、よければ「感想」や「レビュー」も是非お願いします!!

 

 ラビリンス・タワー攻略作戦、通称『ダルマ落とし作戦』が開始される。

 まず最初に接敵したのは、部隊で最も足が速い対戦車ヘリコプターだった。


「アタッカー1よりCP、進行方向に地竜発見––––60体以上の大群です」


 対戦車ヘリコプターAH-1Sの4機は、熱源探知カメラで敵の姿を捉える。

 4足歩行で背中に硬い殻を持ったそいつは、どちらかと言うと亀に近い。


「了解した––––火蓋を切って落とせ。“ダルマ落とし”を開始せよ!」


 CP(コマンド・ポスト)の指示で、ヘリ部隊は横1列に展開。

 光学照準器で狙いを慎重に定めた。


「全機、TOW斉射!! 敵部隊を可能な限り減らすぞ」


 ––––バシュゥッ––––!!!


 4機のヘリコプターから、8発のTOW対戦車ミサイルが放たれた。

 古いミサイルだが、その性能は実戦で折り紙つき。


 ロシア軍の主力戦車、T-80すら破壊する一撃が––––地竜の硬い甲殻へ直撃した。

 ミサイルは突進中だった敵の先頭を捉え、次々に絶命させていく。


 激しい爆発が、地面を揺らして土煙を上げる。


「地竜20体撃破、さらに距離を詰める」


 前進した攻撃ヘリは、地竜から1キロの地点まで前進した。

 ミサイルは既に撃ち尽くしたので、残った無誘導兵装を使うためだ。


「敵は混乱している、ハイドラ70––––全弾発射!!」


 ミサイルがあった場所の隣には、一見蜂の巣のような発射機が付いている。

 ハイドラと呼ばれたこれは、米国製の70ミリロケットランチャー。


 ロケットランチャーと聞くと、歩兵がどんなに頑張っても1発しか撃てない大型火器を想像するだろう。

 だがこれは戦闘ヘリだ。


 左右合わせて、なんと38発連続で発射できる。


「撃てェッ!!」


 4機のAH-1Sが、ロケット弾を一斉に撃ち放った。

 まるで、大量の花火を同時に点火したようだ。

 回転により安定した弾道で飛翔したそれは、混乱する地竜へ死の雨となって降り注いだ。


 1発でも大型装甲車に当たれば有効な弾が、100発を軽く超えて撃ち込まれたのだ。


 壊滅状態となった地竜は、さらに接近した攻撃ヘリ部隊をようやく目視。

 口内から火炎弾を繰り出した。


 ––––ガギィンッ––––!!!


 放たれた1発がヘリの正面に命中するが、機体が軽く揺れただけで殆どダメージを受けていない。

 当然だろう、たかだか火の玉で落ちるほど軍用ヘリは脆くなかった。


 よく映画やアニメ、ゲームでヘリは簡単に落ちているが、アレは殆どフィクションと言って良い。

 この旧式のヘリでさえ、機関銃弾くらいは平気で耐える。


 生物が放つ程度の圧力の炎では、装甲の前に無力なのだ。

 さらに接近したヘリ部隊は、遂に最後の武装を使用した。

 ホバリング状態で、機首の兵器を起動する。


「機銃掃射開始、薙ぎ払えッ!」


 コックピットの下に付いた20ミリガトリング砲が、唸りを上げて発射された。

 これはさっきの炎と違い、重装甲車すら引き裂く威力を持った兵器だ。


 ––––ヴィィィィィイインッ––––!!!


 上空という圧倒的に有利な位置から、ほとんど一方的に地竜を掃討していく。

 降り注ぐ20ミリ砲弾に耐えられる殻は自然界に存在などせず、地竜の最後の1匹までもがミンチにされた。


 カラカラと音を立てて、ガトリング砲の回転が終わる。

 ヘリのカメラには、草原に散らばる大量の結晶しか映っていなかった。


「こちらアタッカー1、敵前哨部隊を殲滅。これより帰投する」


 悠々と引き返していく対戦ヘリ部隊。

 地上側に迎撃の手段が無ければ、戦いを一方的にできるのが航空機という物の強みだ。


 かつてイスラム国というテロ組織が跋扈した際も、国際連合軍は空爆で奴らを徹底的に叩きのめした。

 さらに時代を遡ればマレー沖海戦や、パールハーバー空爆まで。


 航空機の有用性は、第二次世界大戦で旧日本軍が示して以後––––ずっと変わっていないのだ。


27話を読んでくださりありがとうございます!


「少しでも続きが読みたい」

「面白かった!」

「こういうダンジョン×自衛隊流行れ!」


と思った方はブックマークや感想、そして↓↓↓にある『⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎』を是非『★★★★★』にしてください!!

特に★★★★★評価は本当に励みになります!!! 是非お願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
きっとアメリカから大量にハイドラとTOWを買い付けて、アメリカと防衛産業の苦境を救ってる(ウクライナへは供与だからあまりアメリカは儲からない)
[良い点] 飛べない地竜に未来はなかったのだ。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ