第20話・配信チーム初集結
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––––ダンジョン攻略まであと1日。
透たち配信チームは、まず何よりも優先すべきことを行うことにした。
そう、新しく入った久里浜への役割付けやコミュニケーションだ。
ここ2日ほど、四条は動画編集。
坂本は壊れかけていた64式の部品を補充しての修理。
透は、“配信チームを直轄する上官”との仕事で別々に行動していた。
久里浜も当然例に漏れず、特戦の先輩が段ボールで大量に彼女の私物を持って来たのでそれの整理。
端的に言えば、交流する時間が無かったのである。
「ッ……!」
「ッ……!」
––––演習場。
初となる4人での顔合わせは、坂本と久里浜が互いにガンを飛ばし合うところから始まった。
そう、2人のファーストコンタクトは最悪も最悪。
互いに悪印象しか持っていなかったからだ。
「誰かと思えば、骨董品使いの老害じゃない。令和に64式とか……プフッ、空自でも今時89式よ?」
「そういうお前は随分とアクセが豊富な銃持ちやがって、HK416だったっけ? ザッと見て4キロ以上か……お前の貧弱な腕で持てんの? そもそもチャージングハンドル引ける?」
「舐めないでよね、わたしは特戦に入った選ばれしエリートなんだから。チャージングハンドルくらいいくらでも引けるわよ! ぬっ! おりゃ!」
坂本の目の前で、音を立てて何度もボルトを引いて見せる。
だが、少ししんどそうではあった。
当然だろう、実銃用のスプリングはエアソフトガンの十数倍は固いのだから。
「ふんっ、最低限の腕力はあるんだな」
「アンタこそ、64式の部品脱落頻度知ってんの? 官品を無くしたら地獄見るのよ!?」
「ご心配なく、64式マイスターの僕に抜かりは無い。全ての脱落箇所は黒ビニテでしっかり補強している」
あまりにも低レベルな喧嘩をする2人に、見かねた四条が口を挟む。
「お2人共、気は済んだでしょうか?」
「四条先輩……! まっ、まぁちゃんと銃器を大切にしてるのが分かったし、勘弁してやるわよ」
「そっちこそ命拾いしたな、お前の腕力に応じて今回は見逃してやる」
どうやら決着したらしい。
まぁ言っても、様子を見守っていた透からすればどんぐりの背比べみたいなもの。
おそらく、互いに気まずかった雰囲気を、これでチャラにするという暗黙の了解がなされたのだと思った。
「それで四条、集めたは良いが……何をするつもりなんだ?」
今回、四条からの提案で部隊は演習場に集まった。
縦に長い、米国風の射撃レンジだ。
しかし、なぜか坂本と久里浜だけ銃を持ってこいと言ったのだ。
「本来の配信は明日ですが、ふと問題に気がつきまして……」
「問題?」
「はい、自衛隊ではそれぞれ自身に決められた銃器があり、番号まで覚えているのは知ってますよね?」
「はーい! わたし知ってる!」
無邪気そうな久里浜の返事に、ちょうどお前に用があるのだと言わんばかりに向いた。
「千華ちゃん、貴女の持つライフル……もしこのまま配信に映ったらどうなると思います?」
「えっ? 別に普通なんじゃないの?」
「陸上自衛隊は『HK416A5』を、正式採用していません。グロック拳銃だってそうです、もしウッカリ映せば貴女が特戦だと一瞬でバレますよ」
「しまった……」。そんな久里浜の声が聞こえて来そうだった。
「だが替えの銃が無いのも事実だろう? 自衛隊において1人がライフルを2挺持つことはできない。今さら––––」
「隊長、僕に良いアイデアがあります」
前に出てきた坂本が、久里浜の小さい肩を掴む。
「今回はご縁が無かったということで、久里浜には素手でやってもらいましょう。いわゆるノーガード戦法です」
「なにその面接落ちたみたいな言い方! じゃあアンタが守ってくれんの!?」
「まさか、なんで僕が特戦のおもりをしなきゃなんないんだよ」
取っ組み合って睨み合う2人。
ここまで来たら、逆に仲良いだろと思いつつ……四条の回答を待った。
「そこでです! 2人共!」
目を輝かした四条が、ウキウキでカメラを向ける。
「怪しまれるなら先手を打つ、今からゲリラ的にお2人がメインの“銃器レビュー”動画を撮影しましょう!! 地本公式じゃあり得ないですが、わたし達は特務チーム。千華ちゃんの言い訳作りを致しますよ!」
坂本と久里浜は、互いに顔を向けながら唖然とした。
こうして、前代未聞の自衛隊公式銃器レビューの撮影が決まった。
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